2年くらい前だったろうか。女性一人の歩き遍路さんが泊まられて、夕食のとき、たぶんその方おひとりだったと思うが、いろいろお話をした。驚いたのは、横峰寺から石鎚山まで山道を歩いたとおっしゃる。遍路のついでに石鎚へ、と言う方は時々いるが、山越えて御参りする方は少なかろう。女性はそんなに若くもなく、中年くらい、山歩きの達人風でもない、普通のお遍路さんだった。それで、どんな道なのか確かめるべく、先ずは横峰寺までピストンすることにした。
河口(こうぐち)の登山口はすぐわかった。写真が横峰への登山口である。車道を隔てて反対側の石鎚への登山口もすぐわかるが、登山道崩壊のため通行止めと書いてある。いつから通行止めなんだろう。お遍路さんはこれを押し切って行ったのだろうか、それとももうひとつの道、今宮道を登ったのだろうか。また機会あれば、本当に通れないのか確かめにこよう。
道は広くて歩き易く、問題ない。ほとんど全部植林の中だ。植林が途切れて、日当たりのいい雑木が生えているところでは、やはり草が生い茂って足元が悪い。こんなことだろうと思って鎌を持ってきたので、小枝を切らせてもらった。人通りの少ない道だからすぐにのびてくるだろう。1時間くらい歩くと小さなお堂がある。「千足山村云々」と書いた石柱が建っている。ここに昔があったのだろうか。石垣がいたるところにあった。
15分ほどたらたらと車道を下って山門に到着、下から登ってくる遍路道がある。何年も前にこれを登ってきたことあるなあ。上り詰めたところで山門がどんと構えているのだ。
本堂、ひっそりしている。
車でおいでたお遍路さんを数人見かけただけ。
帰り道沢沿いでミズナをとる。ずっと沢の音を聞きながら歩く感じ、水に不自由しない。ここのミズナはとても太っているのでたべてみよう。丁寧に皮を取ってよく煮ても、口の中に繊維が残る。ま、気にしないことだ。味は癖なくまあ美味しい。