日記

お遍路情報と、日記を綴っております。

GPSは強力な助っ人

2015-07-26 22:20:14 | 日記

 

 4度目にして漸く、亀尻峠のあごなし地蔵さんと太子像に再会できた。10年前に、2度もこの峠に来ているのに、どうして見つからないのか納得がいかなかった。かなり変わってしまった今の景色と、引っ張り出すのにすんなりとはいかない、10年前の記憶を照らし合わせて、ゆっくりと歩いてみるものの、峠の場所がわからなかった。

 天気のいい日をねらって、天狗塚から下ってくると、この峠に出るはず。

 天気予報は四国四県晴れとでていた。なかなかこんな日はない。急げ、とばかりに車を駆って天狗に向かう。が、山の天気は・・・。稜線に近づくにつれてガスがでてくる。またもや引き返す? この間より視界は随分良いし、ガスの途切れる瞬間もある。牛の背の三角点までは行ってみよう。ガスの具合では、行く手が見えるかもしれない。

 すると、なんと、山ボーイといういでたちの若い男性が、ちょうど休憩を終えて歩こうとするところだった。期待をこめて聞いてみる。

 「どちらへ下りるのですか?」

 幸運にも亀尻峠に下るというので、後ろからついて行かせてもらうことにした。こちら、娘のお古のカッターシャツ、頭に手ぬぐい、足元はスニーカーという山ばあば、山ガールでなくてすみません。でも、体力はまだ、その辺の若いもんには負けませんからね。

 地図とコンパスを取り出して峠にセットする。彼はそういうことしない。

 「最悪、携帯がありますから」

といった。最近よく聞く、スマホのGPSなんだ。

 笹原は、歩き始めてすぐ道がなくなった。視界が悪いとき、峠に続く尾根にとりつくのは難しい。樹林帯に入って行ったが、登山道ではなかった。私はポケットからコンパスを取り出しては、方向だけは確認するが、どの尾根筋にとりついたらいいのかわからない。お手上げ。GPSで検索するSさんのうしろを付いていく。ほどなく正規の登山道に合流、私のたよりない古い記憶も蘇えり始める。

 目的の亀尻峠についてびっくり、ああ、ここだったのかという場所だ。この峠を探しに来たとき、既に通っている道だ。お地蔵さんは、道の3メートルくらい上方に鎮座しておられたので気が付かなかった。10年前はもっと木があって、スズタケも生い茂っていた。今は、林業のための作業道が縦横に走っていて、全く様変わりしている。通っていながら気が付かなかったのも無理ないなあ。しかし昔の峠の景色の方がずっといい。変わっていく山を惜しむのは私だけだろうか。絶滅かと思われていた、剣山系に生息している十数頭のツキノワグマは、暮らしていけるのだろうか。

 スマホは凄い。これさえ持っていれば道に迷わない。今回、強い味方だった。山登りもデジタル化した。ただ、もし電池が無くなったとか、水に濡れたり落としたりして故障するとこわい。山に行くときは、アナログ、デジタル、両方使いこなせると安心安全だ。

 Sさんにお遇いしてなかったら、また亀尻峠に到達できてなかったろう。ありがとうございました。痛めた足首、充分治してください。


増える外国人観光客

2015-07-22 21:36:27 | 日記

  

 山をウロウロしていたら、幸運にも山椒の実を見つけた。充分熟れているからか、一日放置したら緑の外皮が弾けて黒い小さな実が飛び出した。齧ってみると山椒の香りがしない。あの刺激的な芳香は、種を包む緑の皮だった。唇に触れただけで唐辛子のようにヒリヒリする。茹でて醤油に漬けこんだ。炒め物、煮物にこの醤油と山椒を入れると、仄かな香りがシンプルな料理の味を引き立てる。

 山中を歩き回ったけれど、目的の場所に行けなくて、悔しい思いで下ってきたら思いがけずこのような収穫、落ち込んだ気持ちの埋め合わせになった。

 昨日のお客様、カナダ人の歩き遍路、アテナ・ラムさん。日本語がお上手、お父さんが中国人なので中国語もできる。私たちは、ほとんど日本語と、少しの中国語で会話した。英語は、悲しいかな、私がダメである。彼女、お寺の通夜堂や善根宿で泊まって、チープに遍路をしている。私も宿の商売、善根宿のようにはいかないけど、できるだけのお接待をして彼女の遍路旅に協力したいと思っている。雲辺寺に歩いて登りたいというので、登山口まで送った。うちから登山口まで歩いていく時間と体力を節約できるだろう。その後、彼女は寺まで往復し、大興寺まで歩き、財田川に沿って歩き、国道11号線に出て、71番祖谷寺に行ったはずだ。今日はここの通夜堂で泊まる予定だ。雨はポツポツと少し降ったが、蒸し暑い一日だった。長い距離だけど無事着いたか、心配している。

 このところ、しばしば、外国人観光客の増加について報道されている。香川県は、去年と比べて増加率が全国3位だそうだ。1位が東京、2位は山梨である。山梨は富士山周辺かな。香川県がどうして増えているかというと、高松ー台北間の航空路線が週4便になったこと、去年、四国遍路開創1200年の記念の年だったことであろうか。

 こうなると、受け入れ側の準備を整えなくてはいけない。英語は必須である。個人の外国人観光客に好まれる安いゲストハウスを検索してみると、大きな町には結構ある。2段ベッドを置いてあったり、他の人と相部屋だったり、シャワーのみだったり、いままでの旅館やホテルとは少し違う。建物や経営者の老朽化で遍路宿が少しずつ減っていき、ゲストハウスが増えるのかもしれない。時代の流れにうまく乗って行かなくてはいけない。

 2週間ほど前、オーストラリアから一人で観光に来た若い男性がいた。どうして観音寺に来たのか尋ねると、友達の薦めだといった。彼は琴弾公園あたりを観光して、海をみてきたらしい。欧米人はビーチが大好きだ。翌日は今治へ行って、うちで連泊した。彼は日本語ができず、私は英語が苦手、会話はあまりできなかった。やはり交流があってこそ、お客様も宿側も楽しく過ごせると思う。

 知り合いのアメリカ人がairbnbに登録してくれた。二人とも、これを見て来てくれたのだった。外国人の受け入れは、インターネットも必須である。マスコミがいうように、四国のような田舎でも外国人が増えそうだ。うちでさえも。


台風の爪痕

2015-07-18 21:49:49 | 日記

 台風11号は、各地に爪痕を残しながら消えて行った。我が家の上を、まともに通ったらしい。奥の、古い木造の家が壊れてなくて、胸を撫で下ろしている。

 香川県では、農作物や公共土木施設などで3億4000万円の被害が出た。丁度桃の収穫時期、台風の前に産直市に買いに行こうと思ったが暇がなかった。やっぱり落ちちゃったらしい。

 私の畑の被害は、梅の木一本、パプリカ一本折れた。それとトマトの青い実がいくつか落ちた。被害額、5000円くらいかな?

  

 台風の翌日、恐る恐る母の家を見に行くと、ライラックの木が横倒し、畑の茄子やトマト、ピーマンが寝てしまっている。おかしなことに、倒れる方向がまちまちなのだ。あらゆる方向から強風が吹いたのか。梅の木が、幹からバキッと折れているのには、あまりの痛々しさにショックだった。この後始末、どうしたものか、途方に暮れた。少しずつ、私にできるところまで切って行こう。最後に残ったところは、来年の剪定の時、庭師さんに処分してもらおう。

 来週は、実家の盆行に、お寺さんが詣りにきてくれる。普段、お掃除しない、ネコ屋敷の大掃除をしておかなくてはいけない。エントランス、座敷、それを繋ぐ廊下、これだけをなんとか掃除してお茶を濁しておこう。

 この忙しいときに、台風のせいかどうかはわからないが、母宅のエコキュートの具合も悪くなった。業者が家に入ってもいいように、台所もきれいにしておかねばならない。

 毎日、朝起きた時に、その日やることを思い浮かべるが、いつも計画の半分も実行できない。生活年齢はどんどん増えていくのに、自分のなかの頭も体も若いころのままなのだ。トロくさくて、効率悪いんだから、時間をかけてすこしずつかたずけていくしかない。汗たらたら、雑巾で床をみがきながら、捗らない不甲斐無さを感じながらも、元気で動けることがささやかな幸せと思っている。

 実家の梅、不作かと危ぶまれたが、10キロくらいはとれたみたい。来年は、残念ながら梅はお店で買わなければいけない。折れた木がまた実をつけるまで何年かかるだろう。

 たぶん明日あたり梅雨明けが宣言されるだろう。土用干しの仕事がはじまる。


雨の石鎚山

2015-07-13 09:51:24 | 日記

 朝、晴れてはいないけれど、肌布団などの大物を干しに屋上に上がったら、南西の方向、二つ岳、東赤石の山頂に雲がかかっているのが見えた。昨日石鎚では一日中雨だった。雨降りトレーニングに最適の一日だったというわけだ。今朝の石鎚は、ガスの中、雨上がりの森林のいい匂いにつつまれているだろうなあ。

   

 いつもの石鎚成就社と頂上神社。

 昨日日曜日、山の会の山行で石鎚に登った。早朝5時半出発、成就社を過ぎるまでは未だ天気はマシだった。雨は次第に本降りになり、ついにカッパを着ざるを得なくなり、強弱はあるものの、その後もずっと雨は降り続き、最後まで脱げなかったのである。私ともうひとりの会員が、おニューの登山靴を履いてきたのが祟ったのだろうか。

 20年以上履いている靴、ソールは何度か張り替えて愛用してきたが、皮を縫い合わせているステッチが綻びはじめたのと、靴の側面のゴムと皮を張り合わせたところが剥がれてきている。私の足の形に変形して、よく馴染んでいるこの靴も、そろそろお払い箱だろうか。

 雨降りだというのに、ひっきりなしに登山者とすれ違う。やはり石鎚山の人気はすごい。晴れていたなら数珠つなぎだったろうか。登山者もいろいろいて、面白い。きちんと山の恰好をしている中高年大パーティ、タイツと巻きスカートで身を包んだスタイルいい山ガール、スニーカーとTシャツという軽装の若者、小さな子供を連れた家族連れ、外国人親子二組、など。白い100円カッパを着た人が多いのに驚く。石鎚でも行ってみようか、なんて軽い気持ちで登ってくるんだろうか。ロープウェイ山頂駅で売っている簡易カッパの売上、随分上がったのでは? カッパは安いもので1000円から売っていた。軽い気持ちで登山する人はこのくらいので充分なのだろう。3万円のゴアテックスのカッパを買う人はいない。

 

 山を下りて「京屋」で温泉に浸かり、ドロドロの汗を流し、さっぱりする。店頭に陳列してあるマムシ酒の話から発展して、ご主人が、倉庫の焼酎に浸ける前の生きたマムシを見せてくれた。少量の水に一か月くらいつけて泥をはかせるのだ。仕入れ値は一匹1000円、危険が付きまとうマムシ捕り、ちょっと安いのでは? 生け捕ってからの作業も危険がいっぱい、ご主人何度か咬まれて、あるときは二十日入院したそうだ。毒蛇ではあるけれど、ペットボトルの中でちょっと可哀そう。私は巳年なので、ヘビを毛嫌いする声を聞く度、ヘビが可哀そうになる。


田んぼに雉が

2015-07-12 22:55:44 | 日記

 今、私の菜園でとれている野菜である。きゅうりはわりと簡単なので毎年植えている。これまであまりうまくつくれなかったトマト、毎日適度に収穫できている。茄子はうまくできたためしがなかったが、今年はぼちぼち収穫できている。植えつけた時期と雨量の多いのが良かったか。反して、ズッキーニはこの頃さっぱりダメで、成長を待たずして腐ってしまう。雨がよくないようだ。

 藤棚に這わしてあるキイチゴが熟れはじめた。毎日、黒く熟れたのをとっては、砂糖を加えて煮ている。手を触れただけでポロリと落ちるくらい熟れたのでないと、食べて甘くない。なので専らジャムにする。

 草抜きをしていたら、隣の田んぼで大きな変な鳴き声がした。「グェーッ、グェーッ」とずっと泣き続ける。そっと覗いてみてみると・・・、なんと雉ではないか。赤い顔に青っぽい胸、長い尾、鳴きながらゆっくり歩き回っている。「雉も鳴かずばうたれまい」 こんな派手な様相で鳴き続けていたら、猟師や犬に捕らわれるだろうに。はらはらしながら見ていた。もっと近づいて写真を撮ろうとすると、バタバタと大きな羽音たてて低く長く飛んで行った。よかった、飛べるんだ。当たり前。車で林道を走っているとき、道路を雉のような鳥が横切ることがある。思わぬところで、じっくり観察できてよかった。実家は大興寺の近くなので、あのあたりの里山からやってきたのかもしれない。