雲辺寺山から下りて、大興寺へ行く途中、左手に岩鍋池という大きな池がある。向こう岸に八尾の立派な邸宅がある。個人的に、私は姿の良いこの屋敷と池、周囲の緑が好きである。その傍に、粟井神社という、アジサイのころ賑わう神社がある。これらは、標高の低い里山の麓に位置している。その里山の中腹に、家屋の瓦屋根が遠くから確認できる。車で走る度、あの建物はなんだろう、どこから登るのだろう、と気になっていた。
国土地理院の地図ではお寺のマークが書いてある。道も書かれてあるのでスマホを見ながら登ってみた。
先ず、荒れた竹林に入っていく。すごく太い大きな竹が密集している。こんなところで筍採れるのかな。京都の、高価な筍が生える、手入れされた竹林とは全然違う。
道とは言えないような尾根を登って行くと、建物があった。
木は伐りはらわれて、見晴らし良し。前方は天空の神社のある稲積山。
ここは、藤目城跡だった。室町時代、長宗我部元親に滅ぼされるまで、齋藤下総守が城を築いていた。今は、藤目稲荷、剣山神社、藤目不動尊がある。
城跡台地にはミニ八十八か所がある。八重咲きの椿が満開。
帰りは、広い道を歩く。道しるべもある。粟井神社から伸びているこの道が、正規のルートだった。もうすぐ咲くだろう桜をめで乍ら、散策するのに持ってこいの山道だ。
気になっていた宿題がひとつ解決できた。