去年偵察していた剣山系、マドへ行った。昨日、爽やかな梅雨の晴れ間だった。
竜ヶ岳の山の水はとても人気だ。去年、香川から汲みに来た人に遭ったが、昨日も軽トラで来られた方、二組がいた。荷台にポリタン敷き詰めて、たくさん汲んで帰った。いずれも香川の方だ。わざわざ遠いところから来るのだから、余程美味しい水なんだね。私には、違いがわからない。こだわらない性格は生き易い。とりあえず、手持ちのペットボトル3本に入れた。
日比原というところに車を停めて、植林の作業道を延々歩く。目の前にシカが現れたり、生まれて間もない小鹿の死骸が真っ黒なハエにたかられていたり、むらくもさんのブログにあるように、この山域のシカの多さがわかる。剣山系にきて、シカに出遇わないことは少ない。
山の形からして、烏帽子かな。ときたま、樹林がひらけて、展望がきく。
峠直前、足元に山シャクのこどもがいくつも。茎の色が赤い。視線を上に向けると種をつけた芍薬が一本、スッと立っている。立ち姿が、ベニバナシャクヤクっぽい。
マドという峠。お地蔵さんが鎮座しておられる。昔から、山を越えて集落から集落を移動する人達を見てこられたんだんね。ここで重い荷をおろし、一休みして、無事を祈願して、先を歩いて行ったのだろう。私は峠のお地蔵さんが好きだ。
お地蔵さんの後ろ、尾根をぐんぐん登ると、マドの天狗。下りは稜線からお地蔵さん方面に道がありそうなので、それをつかう。この稜線、寒峰台地というそうだ。いつかもっと先まであるき、寒峰に登りたいと思っている。平らで見晴らし抜群。正面は寒峰、右手は天狗塚と牛の背。
左斜面にきれいなピンクが。やはり、峠手前でみた芍薬はベニバナだった。この山域、ベニバナシャクヤクの自生地なのだ。稜線ではテンニンソウの群落のなかで、ポツポツ咲いていた。なにやら、山野草にしてはド派手な花が。イングリッシュガーデンにありそうな花だ。
下りは、地図には載っているけれど、わかりにくい。道らしきものを辿っていくと、消える。難しいヤブ漕ぎでもないので、GPSで適当に確認しながら下る。峠に続く水平動にでたので左に歩いていくと、植林のなかで、またベニバナのカタマリをみつけた。
マドの天狗、あまり聞いたことがなかった山だけど、頂上にはちゃんと名前をかいた棒が立っていたり、テープもところどころつけてあったり、この花たちお目当てに来る人が、結構いるのかもしれない。
マドから山風呂コース、斜面が急、沢までくだるとテープはあるけれど、危なくて動けなくなった。山風呂は沢の向こう側のはずだが、沢におりるのは危険、なんとか水平に移動して、細い杣道がみつかり、日比原にもどれた。行動時間は5時間15分、長くはないが、最後で緊張したせいか、疲れた。