今週の寒さはこの冬一番だ。
ここ、海辺の町観音寺でも風花が舞っていた。積もりはしなかった。遠くに見える伊予の山々が白く輝くと、そわそわうずうずしてくる。真っ白な頂に立ちたいなあ。
晴天が一日しかもたないこのごろ、チャンスを逃すまいと雪見に行った。
植林帯を歩くも、青い空が嬉しくて、樹林の隙間の空を撮る。
本日は晴天なり。樹氷をみるとカメラに収めたくなる。
頂上は国見山でした。
さて、本題に。
母は、12月半ばから老健施設に落ち着いている。
大腿骨骨折で手術を受けて、その後リハビリという名目で某病院に転院した。認知症は進んで、食物を食べさせようにも口を断固として開けようとしないし、リハビリの意欲はもとよりなく、当然寝たきりになって、私は焦っていた。看護を目的とする病院では、レクレーションのようなものはもちろんない。リハビリもあまりやってくれているようにはなかった。ベッドに寝かされたままでは、体が硬直してしまうだろうし、認知症もすすむ。早急に介護施設に移りたかった。
入院には期限があるらしく、3ヶ月を過ぎると、この病院に設けられた介護病棟に移った。そこで、私はショックをうけた。入った4人部屋は、シーンと物音ひとつせず、生のいとなみがかんじられなかった。時折タンがからんでゴロゴロいう音が聞こえる。誰も何も話さない。皆、鼻に栄養を流すチューブをはめ込まれている。横たわって、ただ息をしているだけのように思える。人は、このような姿でもなお生き続けなければいけないのか。ガンで死ぬ方が余程ましである。
介護病棟といっても、ここはレクレーションもなく、どの部屋も静かで、明るい空気が感じられない。一刻も早くここから母を出してやりたいと思いながら、関節の曲げ伸ばしやマッサージを我流でしてやった。すると、案外早く、老健施設から案内がきた。私は、1ヶ月前に3箇所、申し込んでいた。こんなにスムーズに運ぶとは、周りの人たちも驚いていた。申し込むときに、どこでも 「何十人待っています、順番がきたらはいれます」といわれた。介護度5であること、独居老人であることが幸いしたかな。で、12月半ばに、母は老健施設に入所できたのである。ここは、母が元気だったころ、デイサービスやショートステイでよくきていた懐かしい場所である。スタッフの何人かは、以前の母を知っていて、今の姿に驚いている。
そして、1月初めに、申し込みをしていた別の施設からも入所案内がきて、更に驚いた。この施設は、大きな総合病院が運営しているので、とても人気がある。なかなか入れないという噂である。ちょっとタイミングがずれた。また引越しするわけにもいかないので、残念だがお断りした。
今お世話になっているところは、まあよくしてくれている。母の目に生気がみえてきた。