日記

お遍路情報と、日記を綴っております。

町おこしイベント

2015-11-20 21:33:53 | 日記

 先日、観音寺の町中で、「パン・ストリート」というイベントがあった。町おこしの一環として、商工会議所などが主催して行われた。観音寺市内、市外だけでなく、遠く県外からもパン屋さんがやってきて、本来は別のものを売っているお店の中の一部分を借りて、パンを売りましょうという企画である。販売方法を、ショップ・イン・ショップというらしい。

 老若男女を問わず、この頃の方はパンが好きだ。「パン・ストリート」が広告されると、皆、楽しみにしていた。私も、歩いていける近い距離でのイベントだから、ちょっと覗いてこようと思っていた。11時半を少し過ぎて、そろそろ出かけようと表の通りを見ると、普段は、お年寄りとたまにお遍路さんが通るだけの歩道に、若い人たちがちらほら歩いている。ははーん、パンを買いに来た人たちだな。

 さて、イベントの商店街に行くと、人がいっぱい! いったいどこからこんなにたくさんの人が集まったのだろう。車を停める場所は確保できたのだろうか。

 30店以上のパン屋さんが集まったらしいが、特に長い行列ができた人気の店もいくつかあった。11時半にイベントは始まるはずだったが、お客の多さに、前倒しして早めに開店したらしい。そしたら、11時半にはすでに売り切れの店もあったとか。私が会場に行ったときには、ほとんど売り切れ終了、または、何を待っているのか長い列が3,4か所あるだけ。行列に参加する気力はなく、どこのパンにもありつけなかった。列をつくっている人たちは、たぶん遠方から来ているのだろう。せっかく来たからには、何か買って帰ろうってね。出店の名簿を見ても、手に入れるのが大変というパンでもなく、車で走ればいつでも買いに行ける。地元の人は案外冷静だったかも。

 想定外の反響に主催者も客もビックリポン。遠路はるばるやってきて、失望と怒りを胸に、帰って行った人も多かったのでは? 結果に気をよくした主催者たち、又、企画するんじゃないかな。この経験を生かして、次は、皆が買えるように工夫していただきたい。


野菜が買い易くなった

2015-11-17 21:40:09 | 日記

 この頃、よく雨が降る。カラカラに乾いていた土に、たっぷり水分が浸みこんでいる。水と高めの気温のおかげで、野菜がグングン大きくなって、値段が急激に下がった。レタスは200円もしてたのに、今は50円である。私の菜園の葉もの野菜も、次々と葉っぱを増やして、みずみずしく大きな株になっている。いくらかむしっては、サラダとして登場する。

 今季の栗ごはん、漸く終了した。何故、ヨウヤク、なのか・・・。この秋、山登りに行った時、タイミングよく、大量の栗を拾った。ザックに入りきらず、ずしりと重い袋を手にも下げて、車まで運んだのである。短い期間で食べきれる量ではなかったので、冷凍保存した。それからは、お客様の人数に応じて、せっせと栗の皮を剝き、ほぼ毎日栗ごはんを炊いたのである。ひと月くらい続いたろうか、ようやく、冷凍庫に栗はなくなった。皮むき終了、万歳!

 うちの栗ごはんは栗がゴロゴロ入っている。先日、有名料理店の栗ごはんをいただく機会があった。きれいな黄色をした栗のかけらがふたつみつ、白いご飯の上にちょこんと乗っかっている。一口頬張る。栗が硬い・・・。ウーン、うちの栗ごはんの方がなんぼかおいしい。手前味噌?                                                                                                                            


蕎麦打ち体験

2015-11-06 21:18:02 | 日記

 祖谷桃源郷の宿では、周囲にレストランなど、勿論ない。自炊したくないならば、注文すれば夕食を用意してくれる。

 

 きれいな遊山箱にお料理がはいっている。

 何も特別なものはない、田舎のお惣菜である。野菜の天麩羅、祖谷の岩豆腐、こんにゃくなど。あと、蕎麦も付く。

      

 翌日、蕎麦打ち体験をする。宿泊所から少し上に上がった民家でやってくれる。写真のおじさんの家である。前日も、外国人の団体がやってきて蕎麦打ちをしたそうである。おじさん、祖谷が注目され始めて、急に忙しくなったらしい。蕎麦粉も自家で間に合わなくて、買わなくてはいけなくなった。外国人のお客が多いので、英語の勉強をしているという。御年72歳、ウーン、エライ! 前向きで、明るく、元気だ。山の物産の収入といってもしれてる。失礼ながら、以前とは比べ物にならないほど小遣い稼ぎになっているのでは? 生活に張り合いができ、生き生きとしている。蕎麦打ちには、タレントなど有名人も何人かきて、ご自身もテレビに何度か出たそうな。祖谷の名物親父かもしれない。

 奥様が、おにぎり、おでん、おはぎ、お菓子などでもてなしてくれ、満腹大満足であった。山の栗は、干して保存食にするらしい。栗の餡がはいった御焼きをいただいた。ほんのり甘く、素朴なおいしさだった。飽食の時代だからこそ、都会に暮らす人たちは、自然以外なにもない、贅沢な食事もない山里に憧れるのかもしれない。田舎の空気と村人のもてなしが、何よりの馳走である。

 

 この集落に来る途中、かずら橋の手前にある「祖谷美人」という蕎麦屋で昼食をとったのだが、ここの蕎麦より、自ら打ち立て蕎麦の方がずっとおいしかった。このお店、渓谷にテラス席がせり出して、ロケーションは最高である。小便小僧ならぬ、小便狸がいる。

 10月半ば過ぎ、道中の紅葉は未だだった。剣山麓は真っ盛り、山の上は葉を落としていた。


桃源郷

2015-11-03 18:56:54 | 日記

 機会あって、祖谷桃源郷、落合集落の茅葺き古民家に泊まった。

 アレックス・カーというアメリカ人が、数年前、祖谷で「ちいおりトラスト」というNPO法人を立ち上げた。この、始めの古民家は、落合とは違うにある。数年前、娘の友人のオーストラリア人の兄妹が、バックパッカーで長期の旅行していたとき、うちにも2泊した。前宿は何処だったか聞いたら、「ちいおり」と言ってた。すぐにネットで調べてみると、若い旅行者が躊躇するような、高額な宿泊料ではなかったと記憶する。外国人が好んで泊まるようであった。

 落合の8軒の古民家は、ここ2年の間にできた。床暖房、エアコン完備、キッチン、バストイレ、すべて調っている。開放的な空間に向いて、大きなガラス戸を設えてあって、リラックスして山の風景を眺められるように、寝椅子が置かれている。とても贅沢な時間を過ごせる。

  

 左が母屋、右はもと隠居屋だった。茅の屋根を葺いたのは東北の職人さんだそうだ。地元には茅葺き屋根の家はなく、職人もいない。桃源郷の小さな家々は、形は昔の名残だが、屋根にはみんなトタンのようなものが被せられている。

 この隣接する2棟を借りた。宿泊人数が、当初の予定より減ってしまったので、私ひとり、右の隠居屋で泊まった。こんな贅沢していいのだろうか?

 黒基調の素敵なキッチン、使う必要もない。お茶を沸かして飲むのみ。引出しには、おしゃれな食器やカトラリー、文房具、本がはいっている。こんなにたくさんの備品、お掃除のおばちゃん、チェックリスト片手に管理するんだろうか。たいへんだ。

 調理器具、すべてそろっているが、スーパーがない! 地元の小さな商店はあるのかもしれないが、食料は家から積んできた方がいい。パンや野菜、ちょっとした飲み物は持ってきたが、米を忘れた。

 私の宿泊所の和室部分、7畳くらいあるので、3,4人は寝られるだろう。

 となりの母屋の広間。こちらは畳がなく、板の間に布団を敷いて寝る。囲炉裏は火を焚くものではなく、雰囲気を楽しむだけ。奥の書はカー氏のもの。

 

 向かいの斜面に集まる。「おーい」、と声をかければ話ができそうだ。山の谷にある家は日照時間少ないのだろうが、あの集落は一日中太陽があたっている。

 失われていく、日本の古き良きものを残したいと取り組んでいるのはアメリカ人である。戦後、経済の成長とともに、古いものがどんどん壊されていき、裕福になった日本人は、快適で新しいもののなかで暮らしたいと思うようになった。カー氏は日本各地を回り、祖谷にまだ美しい風景と文化が残っていると感じ、ここで事業をはじめた。

 時代とともに生活スタイルも変わり、快適で便利な暮らしをしたい。古い家を維持するのは費用が掛かる。で、壊して新しいものを造る。古くなったら捨てて、新しいものを買う、これが今の日本人のやり方である。

 オリンピック前の北京を旅行したことがある。胡同は残されているだろうか。たぶん観光用に、一部保存されているとは思うが。時代の流れだろうか。

 しかし、ヨーロッパの街並みは本当に美しい。人々が、伝統や街の景観の美しさを意識しているからだ。