コロちゃんは、この頃とても愛そうがいい。お客様が出発されるときは、必ずお見送りに出てくる。うちの、立派なスタッフである。食堂でも、お客様の足にスリスリする。黒いズボンなど穿いていると、毛がべたッとくっつく。
ネコの好きな方は、そばにいるだけでとても喜ぶ。けれども、この間は、「ネコがいることをあとで知ったので、キャンセルします、猫アレルギーなので」と言われた。私の孫もそう、鼻水でティッシュの山ができる。
1年以上前、ロクが行方不明になり、コロは悠々と暮らしている。二匹いるときはストレスを感じていたのか、一人になってから私やお客さんに甘えるようになった。それまでは、あまりひとに寄りつかなかった。
ロクが居なくなったのは不思議である。去勢しているから放浪することはない。なにか事故にでもあったか。甘えん坊だっただけに可哀そうに思う。
写真は、ある日、駐車場に現れた大きなシマヘビを、怖いけれど興味津々で見つめる二匹。恐る恐る、ネコパンチをちょっと食らわせただけ。大きすぎる蛇だった。
韓国からのお遍路さん
おひとりは日本語が上手で、電話予約もできる。「アハハ」と明るい声で笑う方々だった。同じアジアに住む人たちとは、政治的な諍いはあっても、庶民のレベルでは、やはり親近感が持てる。食の好みも似ている。
タケノコご飯も終わり、この頃の夕食メニューは、お刺身サラダがメインである。干からびたような大根のけんにちょこっと乗っている薄い刺身はやめて、生野菜の上に刺身を並べてドレッシングをかけて一品とした。刺身は半身の塊りを買う。見た目も中身もボリュームがある。なにしろ、最近は何もかもが値上げで、特に野菜が驚くような高値なので、きょうのメニューは何にしようか、思い悩む。なんとか比較的安い材料を見つけて、考える。大根一本４００円、キャベツ３５０円、こんな高いものは買わない。
端境期だ、といわれると仕方ないが、端境期ってこんなに長い？ こないだまで、ブロッコリーもキャベツもレタスも安かった。その間、私の畑ではスナップエンドウが穫れて、朝食の一品として重宝した。私でさえ何とか野菜がつくれるのに、農家さんは何をしているんだろう、と思ってしまう。荒れ地はいっぱいあるのに。ど素人が勝手なことを言ってる。農家さんが聞いたら怒るだろうなあ。
右は、ある日の朝ごはん。タケノコは終わってしまったので、キャベツで木の芽和えを作った。蕨も冷蔵庫に沢山保管していたけれど、煮たり、白和えにしたりで、使い切った。
そろそろ、新じゃがが出るかなあ。そして夏野菜も。
今年はダブルブッキングすることなく、一年で一番大変な日、５月3日を終えた。私の仕事内容が変化しつつあると感じた。食事が要らない方が多いのだ。お陰で随分とラクができた。
一昨日、フランスからのお遍路さんはベジタリアンメニューを希望されていた。ビーガンではなかったのでまだ良かった。久しぶりのベジタリアンなので、どんなメニューにしようか悩んだ。
メインは大豆ミートの竜田揚げと野菜サラダ、あと、サツマイモと納豆のかき揚げ、茶碗蒸し、白和え、かぼちゃのスープ、タケノコご飯。出汁にイリコが使えないので、顆粒の昆布だしを買ってきた。
かぼちゃは、冷凍庫に蒸したものが少し残っていたので助かった。今、野菜が驚くほど高い。できるだけ値上げをせずに、なんとか工夫して、お遍路さんに喜んでいただきたいと思っている。牛乳は使えるのだけど、豆乳が冷蔵庫にあったので白みそを少し加え、味を調えた。味を見ると、なかなかいい出来栄えだった。動物性よりやさしい味だ。かなり自信をもってお出しした。するとお客様も美味しいと言って下さった。
朝食のヨーグルト、豆乳ヨーグルトをマルヨシで見つけたので、買ってみた。こういう製品があるのは知っていたが、食べたことはない。一口食べると、なるほど、豆の味だ。ビーガンメニューで使える。
慣れない食事作りは疲れる。ベジタリアンおひとりだけの対応だったから、まだましだった。普通食とベジタリアン食の両方を用意するのは大変だ。外国人は増えてくると、そうも言っておれない。作り慣れると、手早くできるのだろうが。
