以前から狙っていた水晶尾根、24日日曜、ついに決行。ネットで検索すると、冬、雪の季節に登ったレポートがいくつか。エントツ山さんは6月に登っている。登って分かったこと、笹こぎを避けるには雪の季節がよい。しかしこの斜面をラッセルするの、途轍もなく健脚でないと無理。日が短くなった今決行するのは、未知の尾根の長時間歩行なので、少し心配だ。
ロープウェイ始発7時40分を目指して出る。紅葉のシーズンなので、並ぶことを予測して、早めに麓駅に着く。最終下り便が午後6時だった。これに間に合わないこともあると考え、「片道ください」というと、売り場のお姉さんに「歩いて降りたことはありますか」と確認された。相棒のH子さんはトレーニングのため、何度も下から石鎚へ登っている。午後6時といえばもう真っ暗、ライトをつけて山道を歩くのは、余程広い、ハッキリした道でなければ迷う。何かアクシデントでも起こって、こんな時間になったとしたら、成就の宿で泊ったほうがいい。野宿する必要がないのはありがたい。
成就社から八丁坂をくだると、トラロープとテープの目印がある。笹が生えてヤブっぽいが、直ぐに、適度にピンクテープがつけられたいい道が現れる。沢を渡渉して、植林の中の、崩壊した小屋や綺麗に積まれた古い石垣を通過、道は水平に、尾根と谷を縫っていく。
張り出した水晶尾根の裾で、適当に取り付く。はっきりした尾根を、シャクナゲに阻まれながらよじ登る。木の間から石鎚や夜明かし峠が見える。
シラビソの森が優しい、こんな場所もあった。しかし笹はだんだん背丈を増し、胸ほどにもなる。おまけに急斜面。道はもちろんない。腕力も握力も手ごわいクマザサのために使い果たした。
稜線直下は崖。右は垂直な岩の崖、左はシャクナゲなどの木が生えている。なんとかこれらにしがみつきながら登れそう。笹漕ぎで疲れた腕は、私の体を持ち上げる力がなく、身軽なH子さんに先に上がってもらい、スリングで助けてもらう。ところどころ、昨日の雪が根元に残っていて滑りやすい。
ブッシュを抜け、飛び出すと視界が開け、「着いたーッ」と歓声。「やりましたね!」ふたりでコブシタッチ。最高の達成感と安堵。
稜線をたどると堂々たる二の森
這いあがってきた水晶尾根を感慨深く見下ろす。右手は夜明かし峠。そして、四国最高峰の石鎚。
石鎚への登山道と合流したが、弥山へは行かない。この季節はこんなに人が多いんだと驚いた。渋滞、ロープウェイの積み残しが気になる。混雑を避けて、夜明かし峠から西之川へ下った。初めての道ではなかったが、かなり昔通った記憶はほとんど消えており、この道の長さに閉口した。だんだん森は薄暗くなり、5時半、ライトは使わずに降りることができた。
有料駐車場には、まだ車がパラパラ残っている。6時の最終便で帰るのかな。
行動時間10時間、歩行距離13.5キロ、H子さんの山のアプリでは16キロ。どうなってるんだ?誤差ありすぎ。
翌日、翌々日は、久々の太腿筋肉痛。下りで焦ってピッチを上げたのがいけなかった。