Vision&Education

木村貴志の徒然なるままの日記です。

足立美術館とバッカーズ寺子屋

2024年02月17日 | Weblog

先日、2月11日、NHKで「驚異の庭園 ~美を追い求める 庭師たちの四季~」が放送されました。

2002年から、足立美術館は、アメリカの日本庭園専門誌『数寄屋リビングマガジン/ジャーナル・オブ・ジャパニーズ・ガーデニング(Sukiya Living Magazine: The Journal of Japanese Gardening)』に、庭園日本一に選ばれ、2022年、20年連続日本一を達成しています。

バッカーズ寺子屋ができたのが2005年。一期生から、毎年、10歳から15歳の子どもたちを連れていき、コロナで休止した年も含めて20年間、日本の文化・芸術に親しむ機会を作り続けてきました。

もう300人を越える子どもたちと、足立美術館を訪れたことになります。

もちろん、足立美術館だけでなく、出雲や松江も訪れます。出雲に残る日本文化の古層に触れたり、ラフカディオ・ハーンがなぜ小泉八雲になったのかを通して、日本の自然と心の美しさを学んだり、様々な角度からの学びを作り続けています。

71歳のときに、自分が生まれた場所に、足立美術館を創設された足立全康という人の生き方にも興味をひかれます。世界中の人たちに「日本の美」を発信する場を作って下さったことに、そして、それを継続して下さっていることに、心からの敬意と感謝の意を表します。

足立美術館では、横山大観、竹内栖鳳、橋本関雪、川合玉堂、上村松園、北大路魯山人、平櫛田中、米原雲海、素晴らしい芸術家たちの作品と人生に触れることも出来ます。

私は、子どもたちに「知っている芸術家の名前を言ってみて」と問うた時に、「ピカソやゴッホやロダンやモネ」といった西洋の芸術家だけでなく、日本人の名前も出てくるようになることを願っています。

日本にも素晴らしい芸術家たちがいたのです。そして、美しい四季のある日本だからこそ、生まれた、高い精神性の芸術や、それ以外の文化が沢山あることを伝えておきたいと思うのです。

これから日本の未来は、人口が半減し、貧しい国になる可能性が高くなっています。子どもたちは、語学力を高め、海外で仕事をしていかなければならないことも増えていきます。

その時に、せめて、祖先たちが営々と築き上げてきた、日本の国の美しさとは何であったのかを、心にとどめていて欲しいのです。

無国籍で自分の損得しか考えないような卑しい存在になって欲しくはないのです。

心にキラリと光るものをもって欲しい。なぜなら、それが子どもたちの矜持となり、幸せな暮らしを守ろうという意志に繋がっていくと思うからです。

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