Vision&Education

木村貴志の徒然なるままの日記です。

mature

2007年09月08日 | Weblog

マチュア【mature】という言葉がある。
人間が成熟することを言う時に、
あるいはまた、
ワインが熟成することを言う時に使われる言葉である。

ルビー色の葡萄の果汁が樽の中でじっくりと熟成され
多くの「時」を経て、素晴らしいワインができあがる。

葡萄の出来不出来も大切だし、
天候や湿度も大切だし、
樽の木の香も大切である。
もちろん、作り手の日々たゆまぬ努力も大切である。

しかし、何と言っても「時」が大切。
「mature」するための時間が、
ワインにも人にも必要なのである。

成熟の時を待てない教育は底が浅い。
私はその「時」を待つことのできる教師になりたい。

ワインが天与の条件と人の努力とで熟成されるように、
人間もまた、人の努力と天与の条件とで成熟していく。

人間にとっての天与の条件とは「出会い」であろう。

素晴らしい人と出会うことも、
歓喜の一瞬を得られる事象と出会うことも、
自分を成熟させてくれる。
また、幾多の試練とて
自らを鍛えてくれる素晴らしい出会いの一つである。

そうした出会いの中で、
人間もまたじっくりと成熟していく。

豊饒なワインは人生を豊かにしてくれる。
ワインについた樽木の香が、
そのワインの個性の一面となるように、

人間も生まれ育った家や、
少年少女の時代を過ごした学び舎の香りが、
その人の個性を作っていくのだろう。

私は、「mature」という言葉を忘れない教師でありたい。
そして、「mature」のための
「時」の重みを忘れない教師でありたい。

コメント
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