アインシュタインの言葉
「官僚政治は、あらゆる業績を抹消してしまう」
なるほど、と思った。
なるほど官僚的組織ほど
人生をつまらないものにする人類の発明はないだろう。
教育も官僚的組織の中でやれば、
早晩、その中に埋没していく。
人間対人間の血の通った関わりは、
砂粒同志のさらさらとした関わりに置き換えられ、
個人の血の滲むような学びと努力と教育的熱意は、
すべて組織の財産として没収されていく。
一人一人の名前ではなく、
肩書きや役職がその人の顔になるのである。
否、のっぺらぼうの仮面になるのである。
たが、肩書きや役職は人を育てない。
同様に、のっぺらぼうも人を育てない。
人を育てるのは人だけ。
それも名前を持つ人だけである。
歴史に学ぶというが、
それとて生き方を教えてくれるのは、
名前を持つ人だけである。
有名であるかないかなど何の関係もない。
ただ、自分の心の中で「その人」とわかる人でなければ、
何も語りかけてきてはくれないものである。
そう、「誰か」という人は存在しないのである。
生きているか死んでいるかに関わらず、
真に名前を持つ人だけが、教育的存在であり得る。