私はいつも、自分が教育実践の中から実感したことを話します。それは時として、教員批判や学校教育批判に聞こえると思います。しかし、私は元来一人の教員でした。そして、今もなお、「生涯一教師」と思い続けています。だから、それら批判に聞こえるであろう言葉は、決して無責任な悪口などではなく、自分自身へも刃を突きつけての言葉です。改善して欲しいという思いに満ちた言葉でもあります。
私はかつて、企業の社長さんたちが、学校に講演に来て下さることはあるが、その逆はあるのだろうかと思ったことがあります。つまり、学校の先生が、「さすがは教育のプロだ。我が社の社員にも話をしてやって欲しい。」と言われ、会社に招かれることがあるのだろうかということです。残念ながら、実績を出した部活動の監督さんなどを除いて皆無です。それを私は「悔しい」と思いました。そして、その関係性が続く限り、学校教育は下に見られたままだろうと思いました。今もそう思っています。そして、本当の教育は、子どもたちにも大人たちにも通用するものであり、共通の大切さを持つものなのだと思っています。今日も2日間の社員研修の1日目が終わったところですが、自分がまずは、それが可能であることを示していきたいと思っています。
しかし、もう私は学校の一教師として見られることはなく、Vision&Education,Ltd.の社長、バッカーズ寺子屋の塾長として見られているのかも知れませんが、そのことに一抹の寂しさも感じつつ、心の中で「生涯一教師」とつぶやいている自分がいます。
とにかく子どもたちの未来が明るいものになるために、私はどのような教育が必要なのかを真剣に考え抜き、実践し続けるだけです。そして、いつか共に教育をしてくださる方が見つかって、蒔かれた種が絶えないで、広がっていくようになればいいなと考えています。