二年前、ビニールハウスで塩ビパイプの中に逃げ込んだネズミを捕まえ
ようとして外に逃げられた際、たまたま近くいたタコがいとも簡単に抑え
込んだことがあった。
逃げ足の速いネズミを一発で仕留めたタコの俊敏さに感心させられたが、
それが我々が見たタコの「最後の雄姿」だった。
猫の平均寿命は15歳とのことだがタコは既に20歳を超えている。
高齢のため目も耳も衰え「ネズミを捕る」という唯一の使命は既に果せ
なくなっている。
昨春、後継者として気仙沼の貞秀さんから若い猫を頂戴したが、タコは
「縄張り意識」だけは健在で、馴染まない内に追い払ってしまった。
にもかかわらず、日に何度も与えている餌は、頻繁に訪れる野良猫や
カラスに横取りされている。
(椅子の上のビールケースの中で昼寝)
日増しに衰えて行くタコに自分達の姿が投影されているよう見える。