先日、近隣から茶の間で上機嫌に酒を呑んでいる祖父の写真を頂戴した。
私の記憶に残っている祖父は写真のような笑顔のみで、また、祖父の写真
は殆ど残っていなかったことから極めて貴重な一枚となった。
貧しい農家の労働力確保のため16歳で婿入りし、身を粉にして働き6人の
子供を育て上げ14人の孫を儲け、18年前に96歳で大往生した。
酒もたばこも嗜まなかったが、50歳過ぎてから酒を覚え、60~70代は
食事の都度ドブロクを呑みながら働き続けた好々爺だった。
しかも、単なる「お人好し」ではなく「人を見る目」は確かで、我を張るこ
とは無かったものの一家言を有し周囲からの信望も厚かった。
若くして貧農の婿養子になったところまでは一緒だが、祖父と比較されたら
「人間力に関しては足許にも及ばない」と観念している。