そうりゅう型潜水艦
海上自衛隊の新造潜水艦「せきりゅう」(全長84メートル、2950トン)の進水式が2日、川崎重工業神戸工場(神戸市中央区)で行われた。同社と三菱重工業神戸造船所(同市兵庫区)が2005年以降、交代で製造している海自最大級の「そうりゅう型」で、8艦目。防衛省によると、これまでの同型艦より音波による水中捜索能力などが向上しているという。建造費は約559億6000万円で、内装工事を行った後、17年3月に防衛省に引き渡される。
式典には先月発足した防衛装備庁幹部ら約320人が出席。若宮健嗣防衛副大臣が命名書を読み上げた後、船体を引きとめていた綱をおので切断。祝福の風船が舞う中、海に滑り出した。
@そうりゅう型は、基本兵装として、艦首上部に6門のHU-606 533mm魚雷発射管を装備し89式長魚雷及び対艦ミサイルを搭載している。また8番艦(せきりゅSS-508)からは新たに潜水艦魚雷防御システム(Torpedo Counter Measures :TCM)が装備されている。魚雷発射指揮装置としては潜水艦発射管制装置ZYQ-51が搭載されているが、これはSLI(基幹信号伝送装置=光ファイバーによるLANシステム)に連接されてサブシステムとなっている。
ソナーシステムはZQQ-7(2番艦以降ではZQQ-7B)に改良されている。これらは、基本的には05SSのZQQ-6と同様、艦首アレイ、側面アレイ、曳航アレイおよび魚雷警報装置(逆探ソナー)で構成されているが、艦首アレイについては、利得向上のため、従来の円筒アレイに対してカージオイド指向性を形成するようなかご形構造とされている。
機関 ディーゼル・スターリング・エレクトリック方式
(水上:3,900ps/水中:8,000ps)
12V25/25SBディーゼル機関×2基
川崎/コックムス4V-275R MkIIIスターリング機関×4基
推進電動機×1基
推進器 スクリュープロペラ×1軸
速力 13 ノット (24 km/h)(水上)
20 ノット (37 km/h)(水中)