大日本赤誠会愛知県本部ブログ版”一撃必中”

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我らが敬愛する土岐市の核融合科学研究所 「世界初」放射線が出ない核融合反応を実証 

2023年03月10日 19時47分24秒 | 核融合 レーザー核融合 超高温プラズマ ヘリカル型 トカマク型 超電導 絶対零度

ヘリカル内部のプラズマモニター


勝手知った我が家のように、完璧に土岐市の核融合科学研究所で核融合をコントロールする、さむらい塾の北川憲吾塾長。彼の前が、モニタースクリーン。

土岐市にある核融合科学研究所は9日、放射線が出ない核融合反応が世界で初めて実証されたと発表しました。クリーンな核融合炉の実現に向けた第一歩として研究成果をアピールしています。
今回の研究成果は、科学雑誌「ネイチャー・コミュニケーションズ」に2023年2月に掲載されたものです。核融合科学研究所は、アメリカの「TAE Technologies社」との共同研究で、核融合の燃料に軽水素とホウ素11を使うことで、放射線である中性子が発生しない核融合反応を世界で初めて実証したということです。
これまでは、研究所内の大型ヘリカル装置で水素ガスより重い重水素を使った研究を行ってきましたが、微量の放射線が発生していました。
今回の研究では高エネルギーのビームを使って軽水素を時速1500万キロを超える速さでホウ素11に衝突させ、核融合反応を確認したということです。
核融合科学研究所では、よりクリーンな核融合炉を実現できる可能性があるとして、さらに研究を続けることにしています。

@それはそれでいいんだけど、そもそも核融合で中性子が出て何が問題なんだ? それと、福島でも処理水に含まれるトリチウムが問題になっているけど、トリチウムの原料のリチウムは海水に含まれているものだし、それが問題なら、海の魚食うなよ、そして裸になって海水浴するなと言いたい。
結局、無知なアホを相手していると宇宙規模で進めている大事な研究に支障をきたす事になる。一握りの地元のアホ相手に研究を捻じ曲げ遅らせる必要はない。基本、堂々と三重水素で超高温プラズマによる核融合を実現させればいい。一発解決じゃないか。

ドイツ ヴェンデルシュタイン7-X ヘリカル型核融合炉 8分間高温プラズマを維持!

2023年03月06日 09時26分46秒 | 核融合 レーザー核融合 超高温プラズマ ヘリカル型 トカマク型 超電導 絶対零度

ドイツ ヴェンデルシュタイン7-X

プラズマを用いエネルギーを生み出す技術を開発するために設置された核融合実験炉「ヴェンデルシュタイン7-X」が新たなマイルストーンに到達し、高温のプラズマを8分間維持することに成功しました。
ヴェンデルシュタイン7-Xは超高温のプラズマを閉じ込める「磁場閉じ込め方式」と呼ばれる手法の実験を可能とする核融合炉で、2015年10月に完成して以来、これまでに数多くの実験が行われています。
この核融合炉は2022年の夏に3年間の改良工事が終了しており、壁面冷却装置と加熱装置が見直された結果、従来の2倍の電力をプラズマの生成のために供給できるようになりました。
改良されたヴェンデルシュタイン7-Xで新たにプラズマを生成・維持する実験が行われたところ、平均加熱電力「2.7メガワット」、エネルギー回転率「1.3ギガジュール」で、8分間の放電に成功したとのこと。実験の様子を赤外線カメラで撮影した様子が、YouTubeに公開されています。
エネルギー回転率は熱量に放電の持続時間をかけたものと定義されています。大きなエネルギーを連続的にプラズマに結合させ、その結果生じる熱を除去することができれば、初めて核融合プラズマを用いた発電所の運転が可能になるそうです。今回記録した1.3ギガジュールという数値は、ヴェンデルシュタイン7-Xが記録したエネルギー回転率としては過去最高の数値であり、他の核融合実験炉で記録された数値としても世界最高値の一つです。改良前のヴェンデルシュタイン7-Xの加熱電力ははるかに低く、エネルギー回転率も最大75メガジュールで、最大100秒ほどの放電しか実現することができませんでした。
ヴェンデルシュタイン7-Xを管轄するマックス・プランク研究所トーマス・クリンガー教授は「私たちは現在、より高いエネルギー値への道を探っています。その際、施設に過負荷をかけて損傷させないよう、一歩一歩進めていかなければなりません」と述べました。研究者らは数年以内にヴェンデルシュタイン7-Xのエネルギー回転率を18ギガジュールまで上げ、30分間プラズマを安定させる計画を打ち立てています。

@ヘリカル型で8分閉じ込めたんですね、すごいです。以前お伝えした通り世界の趨勢はトカマク型に移行していますが、撤退を表明した土岐の核融合科学研究所が自力開発して研究を進めてきたヘリカル型と同じ型ですね。土岐もドイツに習って撤退を破棄して開発を継続して欲しいものです。

参考:簡単に言うと、磁力でプラズマをねじるのがヘリカル型、プラズマに電流を流してひねるのがトカマク型です。技術的にトカマクの方が簡単です。日本のJT-60トカマク型は、2億度から5億度まで実証済みで1秒です。持続時間は1分。土岐は、1時間を達成していますが、温度が足らない・・・・

参考:土岐、重水素実験終了?
「国際熱核融合実験炉(イーター)」で採用されるトカマク型では以前から1億度Cを超えるプラズマを達成済みだった。ただ、LHDが採用するヘリカル型はプラズマの長時間維持は得意だが、高温化を苦手としていた。LHDでは重水素イオンのプラズマ温度を1億度C以上に高めるなど、ヘリカル型の苦手な部分を克服できることを実証し、プラズマ研究で大きな成果を残してきたが・・・三重水素を使えば簡単に高温プラズマ(核融合)を達成できますが、周りのアホに気を使って水素より少し重い重水素だけでプラズマを作り出しています。


核融合炉で採用へ、フジクラが量産技術を確立した「レアアース系高温超電導線材」の実力

2023年03月04日 11時26分20秒 | 核融合 レーザー核融合 超高温プラズマ ヘリカル型 トカマク型 超電導 絶対零度

高い電流特性と高強度を実現するレアアース系高温超電導線材

フジクラは米コモンウェルス・フュージョン・システムズ(CFS・マサチューセッツ州)にレアアース(希土類)系高温超電導線材の納入を始めた。これに伴い生産能力を2倍以上に引き上げる。2025年度までに佐倉事業所(千葉県佐倉市)で1000キロメートル以上を生産する。核融合炉に求められる超高磁場中で、高い電流特性と高強度を実現するレアアース系高温超電導線材の量産技術を確立した。核融合発電に必要な超電導電磁石の小型化を実現する。
レアアース系高温超電導線材は強磁場で適用できるほか、従来の金属系の超電導機器の小型・軽量化に寄与する。次世代核融合炉は20テスラ以上の高磁場が想定される。
高磁場に対応するレアアース系高温超電導線材を用いることで、核融合炉の小型化が実現可能になる。フジクラは長年培った技術力を基に、CFSの要求に合う量産技術を確立した。
CFSは、マサチューセッツ工科大学のスピンオフ企業として2018年に設立。30年代前半に世界初の小型核融合商業炉の実現を目指す。

@フジクラと言えば、私はガキの頃から無線の関係でお世話になってきた。アンテナと送受信信機を結ぶ同軸ケーブルだ。そして、次代は正に超電導の時代。更に高温超伝導というのは扱う磁場がメチャでかくなるという事で、高温プラズマを閉じ込める磁場も更に安定するという事だ。素晴らしい企業になったね。頑張れニッポン核融合!


核融合実験炉 東芝ESS 世界最大規模「超電導コイル」4基完成

2023年02月27日 09時14分19秒 | 核融合 レーザー核融合 超高温プラズマ ヘリカル型 トカマク型 超電導 絶対零度

東芝エネルギーシステムズが製造し、イーターに納入したトロイダル磁場コイル




核融合発電
重水素と三重水素の原子核をプラズマでぶつけて核融合反応を起こし、生じた熱を使い発電する。発電時に二酸化炭素(CO2)を排出しない次世代エネルギーと期待される。1億度Cのプラズマを維持し続け、持続的に核融合反応を起こす。核融合発電はプラズマを維持できなければ、反応が止まるため安全性が高いとされる。70年代に主要な理論が出そろい、その後、国内外で実用化に向けた研究が行われている。



東芝エネルギーシステムズ(東芝ESS、川崎市幸区、四柳端社長)は21日、世界最大規模の超電導コイルであるトロイダル磁場(TF)コイル4基の最終号機を完成したと発表した。同TFコイルは、南仏で建設が進む核融合実験炉「ITER(イーター)」向けに量子科学技術研究開発機構(量研機構)から受注していた。
イーターに組み込むTFコイル18基のうち、日本分担分の8基を、東芝ESSと三菱重工業がそれぞれ4基完成した。量研機構が日本の製作のとりまとめを担い、東芝ESSはTFコイル4基と収納容器6台の製作を担当した。2025年のイーター運転開始に向け、イーター機構が現地で据え付け作業を進める。
TFコイルはイーターの主要機器で高さ16・5×幅9メートル、重さ310トン。コイルをマイナス269度Cの極低温に冷却して超電導コイルとし、巻き線部に世界最大の6万8000アンペアの電流を流し11・8テスラの強力な磁場を発生させて、数億度Cのプラズマを閉じ込める。
高い磁場精度が求められるため、コイルの電流中心線は数ミリメートルの誤差に収める必要がある。大きな磁場からTFコイルに加わる6万トンもの巨大な電磁力から巻き線部を守るため、巻き線部と分厚いステンレス構造物を一体化させている。

@書いてある通りです。原発同様、こうした貴重な日本の技術(技術者)を絶やさない事です。ロケット開発もそうですが、冷遇すれば、シナや北朝鮮に引き抜かれます。実際、シナのロケット開発には引き抜かれた日本人が携わっています。国益とか国を守ると言うのはそう言う事から始まるんです。原発も稼働し続けなければ、技術者は育ちませんよ。

核融合炉のための材料開発――貝殻真珠層類似の微細構造を持つ高強度タングステン合金

2023年02月20日 13時43分59秒 | 核融合 レーザー核融合 超高温プラズマ ヘリカル型 トカマク型 超電導 絶対零度

核融合炉


タングステンの原子量は183.84で、その単体は銀灰色で重く、比重は19.3である。比重が金(Au)に近いため、金の延べ板の偽造に用いられた事例が有る。
化学的には比較的安定で、常圧における融点は 3380 °C で、沸点は 5555 °C である。金属の単体では最も融点が高く、金属としては比較的大きな電気抵抗を持つ。

バージニア工科大学とパシフィック・ノースウェスト国立研究所の研究チームが、核融合反応で発生する高温や照射条件に耐えられる可能性のある、貝殻構造を模倣したタングステン合金の耐久性要因を解明した。
太陽の中心では、核融合反応により大量の熱が発生するため、温度はおよそ1600万℃に達する。核融合反応のエネルギーを電力に変換するためには、反応中の高温/高照度環境に耐えられる、核融合炉の材料開発が必要である。
タングステン(W)は、地球上に存在する元素の中で最も融点が高い物質であるため、核融合炉の材料として最適と考えられている。他の金属と混ぜるともろくなる性質があるが、これまでの研究で、鉄(Fe)やニッケル(Ni)を適当な割合で混ぜ合わせると、元のWより丈夫で、かつ融点の高い合金になることが分かってきた。
研究チームは、特殊な熱間圧延法により、貝殻の真珠層のような微細構造を持つW-Fe-Niからなる高強度合金を作製した。真珠層は、炭酸カルシウムを主成分とする無機物と少量の有機物からなる微細層状構造をなし、虹色に輝く色合いと高い強度が特徴だ。
研究チームは、走査型透過電子顕微鏡を用いて、W合金の原子構造を分析した。また、エネルギー分散型X線分光法を組み合わせたアトムプローブトモグラフィーにより、材料界面のナノスケール組成をマッピングし、高強度の要因を調べた。
その結果、W合金の構造には、ほぼ純粋なWからなる「硬質相」とNi-Fe-Wの組み合わせからなる「延性相」の2つの相が確認された。そして、高強度の要因は、「硬質相」と「延性相」の異相間における、高い格子整合性にあることが分かった。
研究チームは、核融合炉の極端な温度や照射条件下で同材料がどのように振る舞うかを観察するなど、安全性についても研究している。さらに、同研究成果を他の材料分野に応用するため、異種界面を持つ材料の構造を最適化し、その強度を検証するマルチスケール材料モデリングにも取り組んでいる。

@高温プラズマを閉じ込める超電導コイルや冷却、厚さ1mのブランケットなど、原発以上に大型化するのが核融合炉であり、それぞれの材質も多岐にわたる。
例えば、超伝導材料として使われるのは、レアメタルを中心とした単金属、金属間化合物からなる合金、酸化物だが、多くの金属は極低温で超伝導にはなるが、実用で使える金属は液体ヘリウムの沸点温度4.2K(-268.8℃)で安定した超伝導を示す鉛PbやニオブNb、水銀Hgなどに限られる。

茨城・那珂の量研機構 JT-60SA 2月末にも試験運転 核融合炉、実現へ一歩 プラズマ維持を実証

2023年02月03日 09時44分57秒 | 核融合 レーザー核融合 超高温プラズマ ヘリカル型 トカマク型 超電導 絶対零度

2月末にも試験運転を始めるJT-60SA。核融合発電の原型炉実現に向けた実験が行われる=那珂市向山

茨城県那珂市向山の量子科学技術研究開発機構(量研機構)那珂研究所で、核融合実験装置「JT-60SA」の試験運転が2月末にも始まる。本格実験では欧州と共同でプラズマを長時間維持できる技術を実証し、今世紀半ばごろとする原型炉建設に向けた研究開発を進める。世界的なエネルギー危機の中、同機構は「新たなプラズマ開発の扉を開く」として、「地上の太陽」と呼ばれる核融合発電の実現に意欲を示す。
★1億度超を制御
核融合発電は原子同士をぶつけて融合させ、その際に発生したエネルギーを電力に変換する。核分裂反応を利用する原発と異なり、高レベル放射性廃棄物は出さない。
一般的には海水から直接的、間接的に得た重水素と三重水素を炉内で加熱し、強力な磁場で高温・高密度のプラズマを閉じ込めて核融合反応を起こす。
入れた燃料の約10倍のエネルギー獲得を目指し、日米欧など7カ国・地域はフランスで国際熱核融合実験炉「ITER」の建設を進める。核融合の手法が複数ある中、「トカマク方式」を採用。2025年を目安にプラズマを発生させる予定だ。
JT-60SAも同方式の装置で、高さは約15・5メートルとITERの約半分。容器外側に28個の超伝導コイルを設置し、ドーナツ状の真空容器内にプラズマを閉じ込める。実験では1億度以上のプラズマを制御し、連続100秒の維持を目指すなど、側面からITERの課題解決を図る。

★小型化と経済性
量研機構は05年、試験装置「JT60」で高性能プラズマを当時、世界最長の28秒間維持に成功。JT-60SAとして大規模改修し、20年に試験運転を始める予定だった。だがプラズマを起こす前段で電気系統のトラブルが発生し、試験運転は中断した。
補修作業を終え、今月からは正常な作動を確認する統合試験がスタート。今年中ごろにはトカマクプラズマを発生させ、25年からの本格実験に向けて準備を加速させる。同研究所先進プラズマ研究部の井手俊介部長(62)は、稼働により「核融合に直接貢献するような実験が進められる」と話す。
ITERとは別に、小型化や経済性を追究した原型炉の実現に向けた高圧プラズマの生成や維持の実験も行う。プラズマは圧力が高まるほど不安定化する一方、エネルギー出力が高まる。このため量研機構はITERの約2倍の圧力でプラズマの維持を狙う。

★遅れた分を挽回
原型炉実現に向けた課題は多い。長期間運転を可能にするため、プラズマ電流が突然停止する現象を防ぐための原因究明や、発生した高熱を除去する「ダイバータ」と呼ばれる機器の性能向上などが求められている。JT-60SAでは不純物を混ぜて熱を逃がす方法などを模索する。
国内外の研究機関はさまざまな方式で開発にしのぎを削る。昨年末には米国の研究所がレーザー照射による手法で、燃料容器に投入した分を上回るエネルギーを得ることに成功した。井手部長は「SAとは異なる方法だが、同じ核融合を目指す中での成果に刺激を受けた」と話す。
核融合炉は基礎技術の開発途上。量研機構も「トラブルで実験開始が遅れた分を挽回したい」とする。地元の那珂市も、永岡桂子文部科学相に核融合の研究開発推進を要望するなど後押し。井手部長は「ITERや原型炉の使命を実現し、エネルギー問題(の改善)に取り組みたい」と意欲を示す。

参考:核融合をまったく知らない人の為に
核融合反応を起こすためには、重水素と三重水素を加熱し、 一億度以上の高温にすることが必要。で、その燃料は無限に存在する海水です。
原子核はどちらも+の電荷を帯びているので常温では反発して融合しない。プラズマの状態でぶつけると電荷に関係なく融合し、莫大なエネルギーを放射する。

@ここでは、地元贔屓で世界最大級の大型ヘリカル装置=LHDを運用する土岐の核融合科学研究所を中心に取り上げて応援してきましたが、残念ですが世界の潮流はITERに代表されるトカマク方式になりつつあります。
量研機構の実験装置、JT-60SAでのプラズマ長時間維持の目標が達成される事を祈ります。

核融合 1億℃のプラズマ冷やす、量研らが核融合向け新技術 ”ネオン混ぜた水素の氷”

2023年01月20日 10時19分54秒 | 核融合 レーザー核融合 超高温プラズマ ヘリカル型 トカマク型 超電導 絶対零度


量子科学技術研究開発機構(量研)と核融合科学研究所の研究グループは核融合炉内でつくり出す約1億℃の高温プラズマを冷却する新技術を実証した。微量のネオンを添加した水素の氷粒で冷やす。不安定になった高温プラズマは核融合炉の装置を損傷させる恐れがあり、効果的に強制冷却する技術が求められていた。
フランスで建設中の世界最大の核融合実験炉「ITER」では、1億℃以上のプラズマを維持し続けて、50万kWの核融合エネルギー(熱出力)を生み出す実験を計画している。課題の一つがプラズマを閉じ込める磁力線のカゴが崩れる「ディスラプション」と呼ぶ現象への対策だ。ディスラプションが起きると、高温のプラズマが真空容器の内壁に流入してダメージを与える可能性があるため、その兆候を捉えた段階でプラズマを強制的に冷却しなければならない。
プラズマを強制冷却する方法としては、これまでに水素を-260℃以下で凍結させてつくった氷の粒を高温プラズマに投入する手法が世界各国で研究されてきた。氷の周囲に生じる低温高密度のプラズマの塊「プラズモイド」が、高温のプラズマと混じり合って全体の温度が下がる。しかし最近の実験で、プラズモイドとプラズマの圧力差が原因で、プラズモイドがプラズマと混じり合う前に排出されてしまい、十分に冷却できないという問題が明らかになっていた。
そこで、研究チームは水素の氷に約5%のネオンを混ぜる方法を考案した。ネオンは高温プラズマが氷を加熱するエネルギーの一部を光のエネルギーとして外に放出できるため、プラズモイドの圧力上昇を抑えられる。その結果、プラズモイドが高温プラズマから排出されにくくなり、高温プラズマを深部まで冷却できると予想した。


5%のネオンを混合した水素と純粋な水素を投入した場合のプラズモイドの挙動

研究チームは核融合科学研究所の大型ヘリカル装置(LHD)を使って仮説を検証した。LHDでは既に直径3mm程度の氷の粒を投入する装置を運用していた。今回ネオンを混合した氷を扱えるように装置を改造するとともに、1秒間に2万回の頻度(20kHz)でプラズマの温度と密度を計測できる世界最高性能のシステムでプラズモイドの振る舞いを捉えた。その結果、ネオンを混合した水素の氷を投入した場合、純粋な水素の氷を使う場合よりもプラズモイドの排出を抑えられ、高温プラズマを深部まで冷却できることを実証できた。

参考:ITERは、トカマク(Tokamak)方式の装置である。トカマクとはドーナツ状容器・磁場コイルを持つという意味のロシア語の頭字語である。様々な国が、太陽や星の中心核での核反応を地球上で再現するために、あらゆる形の装置を試した1960年代にソ連で開発された。
トカマク、それはまるで星のように、軽原子を重原子に核融合するように設計され、アインシュタインのE=mc2の研究への賛辞を表すものである。つまり、核融合プロセスに起因する質量のわずかな消失から、大量のエネルギーが発生する。核融合燃料(水素の同位体である重水素とトリチウム)の1グラムは、石油の8トン分の電力に相当する。
ITER は間違いなく、今までに作られたトカマクの中で史上最大規模の一番複雑なトカマクになる。世界中の数百の核融合装置によって蓄積された経験から設計されたITERは、核融合エネルギーの利用が科学的、技術的に可能であることを実証するために作られる装置である。

@レーザーもかなり進んできましたが、冷却に関しては皆同じ共通点を克服する必要があります。推移を見守りたいと思います。
そもそも核融合とは、原爆の上を行く水爆です。なんせ、水爆の起爆には原爆を使いますからね。戦後、GHQは被爆国である我が国での核の研究を許し、京都大学では核分裂を、名古屋の名大では核融合(名大プラズマ=ヘリカル型)の研究を許し、京大にはプルトニュウムを与えています。戦後、原子力発電を推進して来た背景がここにあります。
反米左翼が、米国の核兵器には反対するけど、シナやロシアの核兵器には反対しませんし、広島/長崎をその発信基地にして利用しています。恥ずかしいですね。
co2に反対するくせに、火力を止めてクリーンな原発を稼働しろと言えない環境団体のいかがわしさがここにあります。すべてが、化石燃料というか石油メジャーがスポンサーだからです。彼らの影響を受けた、山本太郎のようなただの無知なバカ左翼も多いですけど、ほんと赤面知らずのアホ集団です。何がローテーション。


レーザー核融合 先駆的大阪大レーザー科学研究所 目標=1秒間に100回照射で8時間!

2023年01月17日 09時00分37秒 | 核融合 レーザー核融合 超高温プラズマ ヘリカル型 トカマク型 超電導 絶対零度


将来の新たなエネルギー源として期待される「核融合」が、実用化に向けて大きく前進した。前回ここでも紹介した、米ローレンス・リバモア国立研究所は昨年12月13日、核融合反応で投入した量を上回るエネルギーを得ることに成功したことを発表した。世界初の成果で、実験は大型レーザーで燃料を熱して核融合反応を起こす「レーザー核融合」と呼ばれる方式で行われており、実用化には大型レーザーの開発が鍵を握る。世界で研究開発が加速するとみられるが、日本では技術面以外に他国にはない高いハードルがある。
「核融合エネルギーが社会を支える可能性に近づく大きな一歩だ」。米エネルギー省のジェニファー・グランホルム長官は、同研究所の研究成果の意義をこう強調した。
核融合は水素などの軽い原子核同士が融合して新しい原子核になる反応で、膨大なエネルギーが生み出される。1グラムの燃料から石油8トン分ものエネルギーを取り出せるとされる一方で、温室効果ガスを排出しないことから「夢のエネルギー」と目されている。
新たなエネルギー源として注目を集めてきたが、反応を起こすには燃料を恒星の中心に匹敵する超高温・高圧にする必要があり、それを可能にする装置の運転には膨大なエネルギーを要する。これまでは反応は起こせても投入量を上回るエネルギーを得ることはできていなかった。
今回の実験はフットボールコート3面分の敷地を持つ世界最大のレーザー装置「国立点火施設」(NIF)で行われた。核融合反応を起こすのに投じたエネルギー2・05メガジュールに対し、3・15メガジュールものエネルギーが発生。世界で初めて、核融合反応で投入量を上回るエネルギーを発生させることに成功した。

大型レーザーを用いて核融合反応を起こす手法は「レーザー核融合」と呼ばれ、国内では大阪大レーザー科学研究所(レーザー研、大阪府吹田市)が研究を牽引する。レーザー研の藤岡慎介教授は、米国での成果を歓迎した上で、「実用化にはエネルギーの増加率を100倍程度にまで高めることが必要でまだまだ道のりは長い」とする。
ただ、日本国内では、ドーナツ型の炉の中で強力な磁場を発生させ、高温のプラズマを宙に浮かせた状態で保持する「磁場核融合」が中心で、レーザー核融合は主流ではない。背景には日本特有の事情がある。
NIFなど海外のレーザー核融合の実験施設は、軍事研究施設としての顔も持ち合わせているのが一般的だ。米国やフランスなどの核兵器保有国は、核実験の代わりに核融合用の高出力レーザーで核爆発の状態を再現し、核兵器の性能をテストしているといわれる。
藤岡氏は「今回のような核融合の研究と軍事研究とは別物だ」と言い切る。実際、NIFではスタッフだけでなく、計測機器まで完全に入れ替えて軍事実験が行われており、結果も公表されない。

誰も経験のない試み」 日本は独自視点で開発
脱炭素社会への関心の高まりを受け、核融合の研究は世界各国で加速している。大型レーザーを使ったレーザー核融合の研究ではより高エネルギーの反応の実現を目指し、フランスや中国も大型レーザーの開発に力を入れるが、日本国内の大学やベンチャー企業は世界の潮流とは異なる視点で技術開発を進めている。
レーザー核融合の研究に取り組む大阪大レーザー科学研究所は、レーザーの大型化などの「パワーゲーム」とは一線を画したアプローチで研究を進める。
レーザー核融合で安定的にエネルギーを作り続けるには、レーザーの照射を繰り返す必要がある。大型レーザーの場合、数億分の1秒程度とされる照射を1秒あたり約20回行う必要があるが、現状のレーザーは冷却に時間がかかり、1日に数回しか照射できない。
そこでレーザー研は、出力は小さいものの、1秒間に100回照射が可能な装置を開発。今年3月には8時間の連続運転に挑む。成功すれば、レーザー研が50年かけて積み重ねた大型レーザーの照射回数を8時間で上回ることになり、荻野純平助教は「これまでとはまさにけた違い。誰も経験したことのない試みだ」と胸を張る。
また、核融合を実用化した「先」を見据え、発電に必要となる周辺技術の開発に注力するのが京都大発のベンチャー、京都フュージョニアリング(東京)だ。
核融合発電は原子力発電と同様に、反応で生み出された熱を動力に変えて、発電機を動かす。原発では核分裂反応の熱で水を沸騰させ、蒸気で発電機のタービンを回すが、核融合では一般的な原発より600度以上高い、1千度に迫る高温が発生する。そのため、水の代わりに液体金属を用いるなど特殊な技術が求められるという。
同社は、実証プラントの制作に着手しており、早ければ令和6年末にも実験を開始する。同社経営企画部の中原大輔部長は「計画は概ね順調に進んでいる。独自のノウハウをアピールしていければ」と話す。

@いいですね。夢は大阪で開く。

レーザー核融合 “点火”成功で実用現実味 米研究所

2022年12月22日 17時20分31秒 | 核融合 レーザー核融合 超高温プラズマ ヘリカル型 トカマク型 超電導 絶対零度
「これは、歴史的な成果だ」――。米国の国立研究所の1つであるLawrence Livermore National Laboratory(LLNL)第13代ディレクターのKim Budil氏は2022年12月13日、米エネルギー省(DoE)主催の会見の場でこう述べた。LLNLのNational Ignition Facility(NIF)が約60年前に研究を始めたレーザー核融合†の実験で、2022年12月5日に世界で初めて“核融合の点火”に成功し、しかも投入したレーザー光の約1.5倍のエネルギーを取り出すことに成功したからである。

参考:レーザー核融合=より正確には、レーザーを用いた慣性閉じ込め(ICF)式核融合と呼ぶ。
 
レーザー核融合とは、重水素(D)と三重水素(T:トリチウム)を直径2mm~3mmの球殻状に固めた燃料カプセルに、周囲から強力なレーザーパルスを照射し、瞬間的に圧縮(爆縮)してDとTの核融合反応(D-T反応)を起こさせることで、大きなエネルギーを取り出すことを目指す技術である。この方式の研究をけん引しているのが、今回のLLNL NIFだ。ただ、大阪大学も研究しており、一定の存在感がある。

参考:D-T反応=D+T → 4He(3.52MeV)+n(14.06MeV)。nは中性子。

トカマク式より有望か
核融合発電施設といえば、フランスに建設が進められているITER(International Thermonuclear Experimental Reactor)が有名だ。ただし、ITERはループ状の磁場で超高熱のプラズマを閉じ込める「トカマク式」と呼ばれるタイプで、レーザー核融合とは方式が大きく異なる。
トカマク式が、高温かつ巨大なプラズマをもれなく磁場で一定時間閉じ込める必要があるのに対し、レーザー核融合では、小さな燃料カプセルやプラズマを数n(ナノ)秒だけ圧縮できればよい。今回の成果で、レーザー核融合のほうがトカマク式より早く実用化できる可能性が出てきた。

巨大装置から光を1点に集める
NIFは、「フットボール場3個分のサイズ」(NIF)の巨大な192本の高出力レーザー設備を備えており、そこから紫外線のレーザーパルスをターゲットチャンバーに集め、さらにその中心に置いた長さ9.6mmの「hohlraum」と呼ばれる中空の筒の内部に同時に集中させる。レーザーパルスのピーク出力は、500T(テラ)Wと非常に高いが、継続時間が約4n秒と短い。
 hohlraumは、金(Au)とタンタル(Ta)の合金からできており、レーザーパルスがその内壁にあたるとX線に変わる。それが燃料カプセルに照射されて爆縮が進み、核融合反応が起こる、という“シナリオ”だ。“シナリオ”としたのは、NIFは数十年前からこのレーザー核融合の研究を進めているにもかかわらず、これまでは、爆縮が当初の想定通りには進まなかったからだ。再現性も低かった。稀(まれ)にうまくいっても、取り出せるエネルギーは投入したレーザー光のエネルギーよりずっと少なかった。
例えば、2014年2月の発表では、取り出せたのは、投入したレーザー光のわずか0.13%(図2)。2021年8月には、同70%まで取り出せるようになったが、仮にそのままであれば、発電どころかエネルギーを失う一方になる。


今回は、爆縮とその結果としての核融合が比較的効率よく進み、投入したレーザー光のエネルギーが2.05MJ(メガジュール)に対して、取り出せたエネルギーは3.15MJ。つまり、約1.5倍と初めて核融合利得†が1を大きく超えた。レーザー核融合で有効なエネルギーを取り出せる可能性があることを示したわけだ。NIFはこれを「レーザー核融合技術における核融合に世界で初めて点火した」としているのである。

@これが、亜流なのか本流なのか分からないが、取り敢えず”核融合”で投入エネルギーより出てきたエネルギーが増大していれば成功だよね。やれ一億度だ、超高温プラズマだ、絶対零度だなんて言っていなくても、小さなカプセルにレーザーを照射して核融合が起きるなら、USSエンタープライズの世界じゃないか。すごい!
やられたな。


土岐 核融合科学研究所 高エネルギー粒子の電磁波によるプラズマ加熱を発見

2022年10月20日 18時55分11秒 | 核融合 レーザー核融合 超高温プラズマ ヘリカル型 トカマク型 超電導 絶対零度
高エネルギー粒子から生じる電磁波により、プラズマが加熱されることを発見した、と核融合科学研究所(岐阜県土岐市)などの研究グループが発表した。将来の夢のエネルギー技術と期待される核融合発電では、核融合反応で生じる高エネルギー粒子がプラズマを加熱し、反応を持続する。この時、高エネルギー粒子がプラズマ粒子に直接衝突しない新たな仕組みが分かったことで、核融合発電の実現に向けた研究などに役立つと期待される。
プラズマは固体、液体、気体とは異なる物質の第4の状態。気体にエネルギーが加わり温度が上昇していき、電子が原子から離れ、電子とイオンが自由に運動して非常に活性化した状態となったものだ。


実験の模式図。大型ヘリカル装置内のプラズマ(緑色)に向け高速ビーム(赤色)を入射し、プラズマ粒子の速度の変化を調べた。

そこで研究グループは新たな計測システムを開発。同研究所のプラズマ生成装置「大型ヘリカル装置(LHD)」を使い、核融合反応の高エネルギー粒子に見立てた重水素と水素の原子を高速ビームにしてプラズマに入射。光の波長を基に、プラズマ粒子の速度を毎秒1万回の超高速で詳しく計ることに成功した。
その結果、電磁波の発生に伴ってビームが減速し、プラズマが加熱されていることを発見した。「ランダウ減衰」と呼ばれる仕組みにより、ビームのエネルギーが電磁波に移り、さらにプラズマ粒子へと移ったためであることを、観測により突き止めた。高エネルギー粒子によりプラズマで生じた電磁波が、そのプラズマを加熱できることを実証した。電磁波の発生の1万分の1秒後に、速度の変化が始まることも分かった。


実験結果の概要。電磁波が熱を運び、高速粒子ビームの減速とプラズマ粒子の加熱が起こった。

研究グループの同研究所の居田克巳教授(プラズマ物理学)は会見で「核融合研究では、プラズマに入れた分よりも多くのエネルギーが出るループを持続させることに取り組んでいる。外からエネルギーを入れずに加熱のループが何時間も正常に持続できることを目指す。今回の成果は、このような将来の核融合炉の重要な課題に答えを与えた」と述べた。
地球の周りの磁気圏でも、同様に電磁波を介した粒子の加速が起こっている。東北大学の加藤雄人教授(宇宙空間プラズマ物理学)は「LHDでエネルギー輸送の空間分布や時間変化を詳しく調べたことに大変、興奮した。磁気圏研究にとって大変参考になる」とした。
研究グループは核融合科学研究所、総合研究大学院大学、名古屋大学、東北大学で構成。

@>高エネルギー粒子によりプラズマで生じた電磁波が、そのプラズマを加熱できることを実証した。電磁波の発生の1万分の1秒後に、速度の変化が始まることも分かった。

前にも取り上げましたが、世界の核融合はトカマク型が支流になってしまい、来年以降土岐でやってきたヘリカルでの重水素実験は行わないと宣言していましたが、電磁波がプラズマに影響を与え高温状態が持続できればいい訳で、起死回生、是非継続して研究を進めて欲しいものです。

ボロン核融合炉計画 第六世代実験炉「Copernicus」

2022年09月15日 09時36分02秒 | 核融合 レーザー核融合 超高温プラズマ ヘリカル型 トカマク型 超電導 絶対零度




アメリカの核融合炉開発企業TAE Technologiesは2022年7月19日、第五世代実験炉「Norman」において、目標の250%に達する7500万℃以上のプラズマ温度を安定的に維持することに成功した。そして次なる計画として放射性物質を発生させない水素-ボロン燃料を用い、逆転磁場配位型設計によりプラズマ温度の引上げを図る第六世代実験炉「Copernicus」を建設することを発表した。長年のパートナーであるGoogleに加え、新たにChevron、住友商事などから2億5000万ドルに上る研究投資を受け、今後10年以内に安全かつカーボンフリー、経済性のある核融合炉を実用化する目標を掲げる。

核融合反応は、水素などの軽い原子核同士の融合によって膨大なエネルギーを発生する原子核反応だ。これを利用した発電はCO2を排出せず、燃料投入や電源が止まれば反応も止まるため、原理的に暴走が起こらない。こうした点で核分裂を利用する原子力発電よりも安全という見方もある。発電を目的とした核融合炉については、20世紀半ば以降、世界各国で個別に研究開発が進められてきた。1980年代後半に日本を含めた国際プロジェクトとしてITER( 国際熱核融合実験炉)が発足し、2025年の運転開始を目指している。核融合エネルギーを実用規模の発電に利用するには、極めて高温のプラズマを長時間閉じ込める必要がある。ITERを補完する日本独自のプロジェクトである実証装置JT-60においては、ITERで必要とされるプラズマの閉じ込め条件を28秒間維持することに成功している。
一方で、Lockheed Martinの高ベータ核融合炉計画など、小型の実用炉開発を目指す民間企業の研究開発も活発になっている。TAE Technologiesもその一つで、1998年に創立後、クリーンで安全な核融合発電を目的として総額12億ドルの資金を調達。他の核融合反応とは異なり放射性中性子を排出しない水素-ボロンの核融合や、小型で高効率の高ベータ核融合が可能な逆転磁場配位設計などのユニークな研究を実施してきた。
コンパクトな設計の第五世代実験炉Normanにおいて、7500万℃以上の温度でプラズマを安定的に維持することに成功するとともに、Googleと共同でAIやマシンラーニングを活用した核融合炉のリアルタイム最適化操業技術も構築している。このほど、Googleに加えてChevron、更にアジア太平洋市場でクリーンエネルギー技術の展開を目指す住友商事などから研究投資を受け、第六世代実験炉Copernicusの建設に着手した。
Copernicusでは、放射性中性子を排出せず環境的に無害な水素-ボロンの核融合を利用するとともに、小型高効率化が可能な逆転磁場配位設計を導入することにより、1億℃を超えるプラズマ温度を実現し、中性子排出がなく安全でカーボンフリーの環境に優しい高効率のコンパクトな実用炉開発を目指す。最終的に、10年以内にコスト競争力のある核融合炉を実用化する目標を掲げる。

参考:
図中の赤い丸は陽子、黒い丸は中性子、青い丸は電子を表している
水素の同位体は、それぞれの特徴を有効に活かした使い方をされる。重水素は原子核反応での用途で、中性子の減速に使用され、化学や生物学では同位体効果の研究、医療では診断薬の追跡に使用されている。また、三重水素は原子炉内で生成され、水素爆弾の反応物質や核融合燃料、放射性を利用したバイオテクノロジー分野でのトレーサーや発光塗料の励起源として使用されている。

特筆:福島原発で冷却に使われた処理水にトリチュウムが含まれているとアホが騒ぐが、トリチュウムとは三重水素の事で、体重60 kg程度の人間で、50ベクレル程度のトリチウムを体内に保有している。そもそも海水には元から三重水素が含まれているのであって、飲める程度まで薄められたトリチュウムなら健康飲料水だ。水道水に混ぜて各家庭に送ればいい位のもの。なにが含まれているか分からない(シナで汚染された)雨水より、余程綺麗なのだ。

@原子番号1の元素である水素(H 水素分子H2)を制する者が世界を制します。以前にも書きましたが、土岐では名大プラズマの流れをくんだヘリカル型の核融合炉の研究が進められてきましたが、世間では構造が簡単なトカマク式の核融合炉が支流となって開発が進められています。土岐の核融合科学研究所と飛騨のスーパーカミオカンデ、飛島のH3ロケットは、我ら東海地方に居住する者の誇りです。これからの日本を背負って立つ愛国的若者は、是非こうした分野でバリバリ活躍される事を願っています。


土岐、核融研 重水素実験終了 核融研の目指す次なる目標!

2022年07月28日 08時33分31秒 | 核融合 レーザー核融合 超高温プラズマ ヘリカル型 トカマク型 超電導 絶対零度

核融合科学研究所、世界最大級の大型ヘリカル装置(LHD)

コイルをらせん状にひねって磁場を作り、プラズマを閉じ込めるヘリカル型核融合。自然科学研究機構核融合科学研究所(岐阜県土岐市)は世界最大級の「大型ヘリカル装置(LHD)」を運用する。
「国際熱核融合実験炉(イーター)」で採用されるトカマク型では以前から1億度Cを超えるプラズマを達成済みだった。ただ、LHDが採用するヘリカル型はプラズマの長時間維持は得意だが、高温化を苦手としていた。LHDでは重水素イオンのプラズマ温度を1億度C以上に高めるなど、ヘリカル型の苦手な部分を克服できることを実証し、プラズマ研究で大きな成果を残してきた。
2025年にイーターがファーストプラズマ(運転開始)を予定し、核融合研究は大きな転換点を迎える。同研究所は17年から実施してきた重水素実験を23年度以降行わない方針を明らかにしている。早期の核融合発電の実用化を目指す中、今後の研究方針を吉田善章所長に聞いた。

★今後の研究方針について教えて下さい。
重水素を使った実験では十分な成果を得られた。電子温度・イオン温度がともに1億度Cに達するプラズマの生成に成功した。加えてプラズマの安定維持を阻害する乱流についての発見もあった。
今後はこれまでの成果を生かしながら、より学術的なアプローチから核融合研究に向き合うべきだと考えている。そのためテーマ別の研究を推進していく予定だ。

★核融合において学術的なアプローチが必要な理由は。
核融合はこれまで開発と学術が混在している分野だった。プラズマであったり、核融合反応そのものが未解明な領域で、「装置を作ってみて研究するしかない」状態だったからだ。初期において、それは致し方ない部分はある。そのためLHDのような装置を作り、装置やプラズマの性能を観察してきた。ただ、イーターの運転開始や核融合スタートアップの登場は、環境が変化してきた証拠だ。
開発においては、その現象がなぜ起こるのかが分からなくても「結果オーライ」の側面がある。しかし、機器の汎用化や産業化していく際には問題になる。原理が分からなければ、その都度、個別的に問題へ対応することになる。そうなれば装置や環境が変わった場合に、それまでの知見を生かすことができない。
そのため今後は量子科学技術研究開発機構(量研機構)などの機関が開発研究で直面した課題を、我々が学術の側面から解決していく必要がある。LHDは「パラメーター競争」から離脱し、開発装置として役割を終えたことになる。これは核融合研究におけるパラダイムチェンジだ。

★テーマ別で研究を推進していくとのことですが、特に注力する分野は。
プラズマの乱流とディスラプションだ。
乱流はこれまでプラズマの安定維持を阻害すると考えられていた。しかし、これまでの我々の研究で良い点も見つかっている。プラズマの中心では温度を下げる原因になるが、燃料である重水素と三重水素をうまく反応できるように、混ぜ合わせることが分かっている。
ディスラプションは閉じ込めたプラズマが急速に消滅してしまう現象だ。これはプラズマの長時間運転に支障をきたすものだ。一方でこれまでは炉工学の観点から、各種機器への影響やディスラプションが発生以降のプラズマの挙動の把握に力点が置かれてきた。我々はディスラプションが発生する諸条件やそれを回避するための制御について研究を行っていく考えだ。
また、プラズマなど目に見えない事象を計測し、解析する技術の進展も重要だ。例えばセンサーやレーザーなどの計測器だ。これらの進展でより現象の理解につながる。

★核融合スタートアップが続々と誕生しています。彼らとの連携は。
21年に米国の核融合スタートアップ、TAEテクノロジーズと共同研究を開始する契約を結んだ。同社は軽水素とホウ素を燃料にする核融合炉の開発を目指している。本共同研究では、軽水素とホウ素の核融合反応の結果、生じる高エネルギーのヘリウムの検出を目指す。多くのスタートアップは研究用の大型装置を持っていない。この部分を学術の部分から協力していくことはある。これが開発と学術のすみ分けだ。

★研究成果はどのように生かしていきますか。
核融合研究で培った技術を他の産業に応用していく。そのために技術を一般化し、産学連携を推進していく必要がある。プラズマを計測する技術は、計測器やレーザー加工のような分野に展開できる。技術自体はニッチであるが、ニーズと合致するポイントには、はまるはずだ。
研究成果を一般化していくことは人材・産業育成の観点からも重要だ。量子コンピューターの産業化が良い例だ。量子コンピューターには超電導やソフトウエアの技術など、さまざまな分野の人材が集まり、産業として芽吹こうとしている。同様に広い分野で、核融合に関係する技術を持つ人材や関係者が増えることで、産業化への道が切り開けるはずだ。
またプラズマ研究の成果を宇宙研究に生かせるといった、コラボレーションも学術を進展させていくのに重要なポイントだ。産業界や学術界と連携していくことが、今後の核融合科学研究所の役割になっていく。

@うむー 正に重水素実験を支流とする土岐には、伊藤好雄先輩やさむらい塾の北川憲吾塾長を引き連れ数度訪れ、核融合やプラズマを体験してしてきましたが、トカマク型のITER=イーターにしてやられたって感じです。悔しいですが、全世界で核融合に関わる研究者の8割が、トカマク型に携わっています。
まあいずれにしても、核融合炉が今後全世界の支流の発電装置になっていくことは間違いありません。
ここだけの話、戦後、占領軍は名古屋の名古屋大学(名大)でプラズマ(核融合=水爆)の研究を許し、京都の京都大学(京大)では、核分裂(核爆弾)の研究を許して現在に至っています。分かりますか? 被爆国であればこそ、反核ではなく、核の研究開発(原発)を許したのです。アホがバカの一つ覚えの様に、広島・長崎を反核の発信基地にしていますが、大きな間違いです。



核融合実験炉「ITER」関連で使用、三菱重工が納入した4つの装置の中身

2022年07月14日 18時12分43秒 | 核融合 レーザー核融合 超高温プラズマ ヘリカル型 トカマク型 超電導 絶対零度



カダラッシュ




大面積熱負荷試験装置

三菱重工業は、核融合エネルギー開発を担う重要機器のブランケットの安全性を確認・実証する試験装置群を、量子科学技術研究開発機構の六ケ所研究所(青森県六ケ所村)に納入したと発表した。フランス南部で建設中の核融合実験炉「ITER(イーター)」の炉内実環境試験で、日本のブランケット試験体(TBM)として使用される予定だ。
大面積熱負荷試験装置など四つの装置を納入した。炉内実環境試験向けのブランケットの開発、安全性確認などのための試験で使用される。
ブランケットは核融合炉の内壁を構成する装置の一つで、核融合炉から発生する熱の取り出しと、燃料である三重水素の生産・自己充足に必要となる。
炉内実環境試験はITERの参加7極のうち4カ国が、独自開発のTBMによる機能実証試験を実施する。実証結果が将来の商用化に影響する。

参考:「ITER(イーター)」は、平和目的のための核融合エネルギーが科学技術的に成立することを実証する為に、人類初の核融合実験炉を実現しようとする超大型国際プロジェクトです。「ITER」はラテン語で道という意味を持ち、核融合実用化への道・地球のための国際協力への道という願いが込められています。
ITER計画は、2025年の運転開始を目指し(2016年6月ITER理事会で決定)、日本・欧州・米国・ロシア・韓国・中国・インドの7極により進められています。

@核融合実験炉とはいえ、トカマク型であり、シナと南朝鮮が入っているので一推しはできない。昔から、土岐で研究開発が進められている名大プラズマ、大型ヘリカル装置(LHD)を使った核融合炉に期待している。

192本のレーザー一斉照射で核融合 「歴史的成果」

2022年03月06日 20時51分12秒 | 核融合 レーザー核融合 超高温プラズマ ヘリカル型 トカマク型 超電導 絶対零度
強力なレーザーを一点に集中して超高温、高圧を作り、水素をヘリウムにする「レーザー核融合」の実験で、米国の研究所が昨夏、投入したエネルギーの7割の出力を発生させることに成功したと発表した。実用化には投入した量を超える出力を得る必要があり、道のりはなお長いものの、関係者は「歴史的な成果」と語る。核融合の研究はどこまで進んでいるのか。
米国のローレンスリバモア国立研究所(LLNL)のチームは2021年8月、カリフォルニア州の国立点火施設(NIF)にあるサッカー場ほどの広さの設備で、192本のレーザーを一斉に照射した。
「ホーラム」と呼ばれる鉛筆に付いた消しゴムくらいの金属製の筒の温度は1億度超に。中に入っていた重水素と三重水素(トリチウム)は、原子核と電子がバラバラのプラズマ状態になり、さらに水素の原子核同士が融合してヘリウムの原子核に変わった。
この時、約100億分の1秒の間に1・35メガジュールの出力が記録された。瞬間的とはいえ、13ペタワット(世界電力の1万倍に相当)が出たことになる。それまでの最高記録だった実験の8倍に達したという。
投入したエネルギーの70%にあたる量で、投入した以上となる「点火」に大きく近づいた。レーザーでX線を発生させる必要があるなど、途中でエネルギーの一部が失われてしまうが、燃料に吸収された分と比べると6~7倍の出力だったといい、チームは人類が初めて空を飛んだライト兄弟の初飛行に匹敵すると評価。今年2月、英科学誌ネイチャーに実験概要の論文を発表した。

@重水素と三重水素の原子核は+の電荷を持っているので、反発しあって融合しません。これを融合させるには、1億度以上の温度でプラズマ状態にする必要があります。そこで融合(水素原子4個が合体してヘリウム原子に変わる)すると莫大な熱エネルギーを発生します。で、高温プラズマを閉じ込める方法には、トカマク方式(JT-60)とヘリカル方式(土岐)があります。



核融合次世代発電 欧州トーラス共同研究施設(JET) 5秒間で59メガジュ―ル(約11メガワット)過去最大を更新!

2022年02月11日 11時16分03秒 | 核融合 レーザー核融合 超高温プラズマ ヘリカル型 トカマク型 超電導 絶対零度
欧州の研究チームが9日、核融合の実用化をめぐる実験で、革新的な結果が出たと発表した。
核融合とは、惑星内で熱を生み出している反応。地球上で再現できるようになれば、低炭素で放射線量の低いエネルギーを生み出すことができるようになる可能性がある。
イギリス・オックスフォード近郊にある「欧州トーラス共同研究施設(JET)」での実験では、2種類の水素を融合した時に発生するエネルギー量が5秒間で59メガジュ―ル(約11メガワット)と、過去最大を更新。1997年に行われた実験結果と比べると、2倍以上だという。
59メガジュールは、やかん60個分の水を沸騰させられる程度で、エネルギー量としては大きくない。しかし今回の実験は、現在フランスに建築中の大型核融合施設の設計の妥当性を示すものとして、大きな意味を持つという。
JETでの実験を主導したジョー・ミルネス博士は、「この実験により、核融合を使った発電に一歩近づいた」と説明。「機械の中に小さな星を作り、5秒間維持し、高いパフォーマンスを得られた。新たな領域に入った」と述べた。
フランス南部に建設中の核融合実験炉「ITER(イーター)」は、欧州連合(EU)加盟国やアメリカ、中国、ロシア、日本など各国政府から成る共同事業体が援助している。今世紀後半にも核融合を信頼できる発電能力として確立するための最後の段階として期待されている。
核融合を元にした発電所では、温室効果ガスは排出されず、放射性廃棄物も少量かつ短命にとどまるという。

@我が国では、私も何度か訪れた事がある土岐の核融合炉(LHD=大型ヘリカル装置による高温プラズマ研究)研究所で行われております。戦後、原爆を投下したアメリカは、京都大で核分裂(原爆)の研究を許し、名古屋では名大でプラズマ’(核融合)の研究を許しました。その流れが、土岐です。昔は名大プラズマと言っていましたが、なんのことはない、京都大学では核分裂の原爆を、名大では核融合の水爆を研究させていたのです。広島のおバカさんたちは、戦争被爆国だから核に反対しなければならないという妄想に取りつかれていますが、全くの勘違いです。被爆国であればこそ、核を堂々と研究開発できる唯一の国であるという事であって、平和?公園にある石碑に、過ちを繰り返しませぬからというのは、そのことを指しているのです。当時の我が国は、仁科博士が二号研究と言って米国と並んで原爆の開発をしていましたが、爆撃で頓挫してしまい、研究が途切れ、抑止力を失った結果が、広島・長崎に繋がったのです。因って、反核ではなく、抑止力として進んで核を持って過ちを二度と繰り返さないと誓っているのです。戦後、原発54基や高速増殖炉、核燃料サイクルを進んで取り入れてきたことがその証でもあります。おバカさんたち、反論できますか?
頑張れ、名大プラズマ