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新捕鯨母船 “決意の新造” 電気推進でエコ
捕鯨会社の「共同船舶」(東京都中央区)は2023年2月10日、新たな「捕鯨母船」の建造を開始しました。捕鯨母船の新造は非常に珍しく、世界で唯一の存在としてデビューすることになります。
新造の捕鯨母船は約9100総トン、造船所は山口県下関市の旭洋造船です。同船は商業捕鯨の再開を踏まえて最新鋭の設備を備えつつ、海洋環境の保護を意識し、次世代燃料の導入も見据えた電気推進システムを採用するエコな捕鯨船となっています。船価は60~70億円程度で、引き渡しは2024年3月を予定。船籍港は下関市です。
共同船舶は世界で唯一、“母船式捕鯨”を実施している会社です。捕鯨母船「日新丸」(8030総トン)を中心とした捕鯨船団を組み、小型の捕鯨船が捕獲した鯨を母船である「日新丸」へと引き渡し、同船内の工場で加工して鯨肉原料を生産しています。安倍政権下の2019年に日本が国際捕鯨委員会(IWC)を脱退し、商業捕鯨を再開して以降、同社は排他的経済水域(EEZ)内でニタリクジラ、ミンククジラ、イワシクジラの3鯨種を対象とした、捕獲、生産、販売を行ってきました。
今回、旭洋造船で鋼材の切り出し(スチール・カッティング)が行われ、建造が始まった新捕鯨母船は、将来的なナガスクジラの捕獲も視野に入れた70トンの揚鯨能力を備えています。船体の大きさは全長112.6m、幅21mで、太平洋のニタリクジラであれば、100頭分の製品が積載できるといいます。
その完成イメージを見ると、従来の捕鯨母船とは一線を画した船型で、自動車を運ぶRORO船のような見た目となっており、甲板上にはドローンデッキも置かれます。
さらに、解剖甲板を屋外から屋内に変更し、衛生環境の改善を図っているほか、製品の保冷設備は冷倉からリーファーコンテナへ変更。これにより効率的な製品ロット管理と製品の荷揚げを可能にします。船室は全て個室化し、居住性を向上させるそうです。
「今の母船は1500トンぐらいまでを一気に積載することができる。ただ、冷倉が大きく1トン積もうと1000トン積もうと冷凍庫を稼働させる必要があり、エネルギーコストがかかってしまう。作った分だけ冷凍設備を動かすという発想から、新母船ではリーファーコンテナを採用することを考えた。輸送面もコンテナを運ぶだけで済むため、非常に機能的だろうと思っている」(所社長)
推進システムは発電機とモーターを組み合わせた電気推進方式を導入。従来のディーゼル船に比べてクジラを引き揚げるスリップウエーの傾斜を緩やかにでき、船体のコンパクト化を実現しました。商業捕鯨では日本近海での操業がメインとなることから航走が少なくなるため、推進器のエネルギー効率のデメリットも緩和されるとしています。
順調に進めば、2024年5月の大型連休明けから新母船で鯨を取りに行くことになる、とのこと。それまで「なんとか稼いで会社が回っていくようにしなければならない」と意気込みを述べました。
@最近スーパーでもクジラのベーコンはよく並んでいますし価格もそこそこです。ガキの頃を懐かしんで時々買って食べますが、旨いですね。昔は、今日はステーキだと言えば必ず筋だらけのクジラの肉でした。hi
頑張れ、共同船舶! 安くて美味しいクジラ肉を提供してください。