魯生のパクパク

占いという もう一つの眼

扉が開く

2022年04月12日 | 大転換

論旨は様々だが、ウクライナ侵略に喧嘩両成敗だという人は少なくないらしく、それに怒る人も少なくない。悲惨な被害者をつかまえて、「お前も悪い」はないだろう。
だが、戦っている以上、先ずは喧嘩は両成敗とみるべきだ。政治家は火事場で勇み肌を見せる前に、外交の知恵を絞る責任があったはずだ。

その上で、大局を観れば、始まってしまった以上、決してロシアに勝たせてはならない。これは、露軍が非道だからではない。
戦争の非道は、どの国でも犯す。ロシアがそれを常套戦術として用いているから特別というわけでもない。ロシアもレーニングラードで100万人の死者を出した。また、アメリカがベトナムでやったことを思い起こせば、ロシアへの怒りは、人類への嘆きに変わる。何であろうが、戦争は決して起こしてはならないのだ。
ロシアに勝たせてはならないのは、正義のためではない。凄惨な悲劇の陰に、世界のパワーバランスが直面する現実があるからだ。

外交は対処療法だが、戦争は外科手術だ。開けてみなければわからない。
100年越しの懸案が一気に解決することもあれば、死ぬこともある。外交ではできなかったEU加盟も、被害者としてなら可能になるかも知れない。
語弊はあるが、ゼレンスキーは世界史の狂言回しだ。もし、彼が極めて賢明な政治家だったなら、この悲劇は起きず、当面、中露の勢力拡大は続いていただろう。

ところが、今回、誰も想定していなかった、「代理戦争」が起こってしまった。もうごまかしは効かない。露軍のチェチェンでの残虐行為もウクライナで証明された。事実上のNATO対ロシア戦を、中国は試金石として虎視眈々と形勢を窺っている。。
これは同時に、対中国戦でもある。南京30万人大虐殺を叫び、ハリウッドで映画まで作って日本叩きする中国が、ロシアにどんな態度を示すのか。場合によっては、日本にとっても反撃のチャンスなのだが・・・

21世紀の幕開け
今起こっていることは、新しいことの始まりではない。既に起こっていたことの覆いが剥がれつつあるだけだ。
地政学的戦争や、大型兵器による戦争の時代から、情報と小型兵器による公開戦の時代に入り、「戦争が不可能な時代」に入りつつある。巨艦巨砲から飛行機戦へ転換した時のように、戦争は電子・情報戦の時代に移った。
戦車や空母が無意味になり、トップダウン型軍隊組織が機能せず、戦場の隠蔽が不可能になる。近い将来、ミサイルも機能しなくなるだろう。
全て電子機器で制御される以上、情報・電子次元の無力化で、先端兵器は使えなくなる。

それでも戦争をしたいなら、19世紀以前の戦争に帰るしかないが、国家そのものの存在理由も薄れている。情報の海の中で、世界同時認識によるコンセンサスが生まれ、地政学は無意味になり、結局は、世界政府への道が始まるだろう。

コロナ、チャイナ、ウクライナによって、いよいよ、新しい250年の扉が開こうとしている。


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