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占いという もう一つの眼

別の次元

2024年04月09日 | 日記・エッセイ・コラム

4月3日、台湾でM7.7の大きな地震があった。2時間後、正月のM7.6から余震が続く能登でもM3.4があった。
プレートの交差する日本や台湾は、同じ環境に置かれている。一方で、中国共産党は、放っておけば、ユーラシアプレートは自国領とまで言い出しかねない勢いだ。恐らく、彼らの適当な感覚では、日本も中国領だろう。
中国の言う台湾は歴史時代の話だとしても、せいぜい大航海時代以降だ。それまでは環太平洋の黒潮文化圏として、台湾は中国よりはるかに日本と縁が深い。

沖縄の言葉は日本語の古語であり、その沖縄と台湾は至近距離で自由に行き来していた。近代、清によって支配されてから中国語が主言語になっているが、それ以前は違う言語を話していたはずだ。中国は日清戦争で台湾を日本に奪われたと思っているが、そもそも台湾は彼らが奪ったもので、それまで中国は周辺の島国には関心がなく、邪馬台国論争もその無関心が一因だ。
日本や台湾を含め、近代国家以前の環太平洋は、大陸とは別の大きな海洋文化圏を成しており、言語、食べ物、衣服、漁、航海術、交易・・・と、日本文化の隠れたバックボーンには、海洋がある。

アメリカに併合される前、日本を頼ったハワイの王に、日本は何もできなかった。今、台湾を自国と主張する中国共産党の札束攻勢によって、太平洋の島国は浸食されつつある。日本もそうであるように、環太平洋の島々は渡来者に寛容だ。海を越えてきた希人を歓迎し、新しい文化やDNAを取り入れた。ただ、それは少人数の場合で、大量に押し寄せられると、間単に亡んでしまう。環太平洋アメリカ大陸のピュアーな先住文化は一瞬で亡んだ。弥生時代の渡来人は恐らく、時間を掛けて五月雨的に来たことで、日本はどうにか融合できたのだろう。

ローカル連合
大量に押し寄せる大陸族の前に、太平洋上の海洋民はもろいが、海洋には海洋の暮らし向きがある。環太平洋の結束を高めなければ、海洋文化は亡んでしまう。「大航海時代」とは大陸側の視点であり、現代の国家や国連はその結果だ。
環太平洋の民族文化を守る為には、国家の枠組みを超えて、ハワイや台湾、欧米領の島々などが連携し、島単位の環太平洋広域文化連合が必要だ。もちろん日本列島もそれに属する。

単なるフォーラムやカンファレンスではなく、ASEANのような国家連合でもない地域連携だ。野心に穢れた国連の承認争いから離れた、海洋文化圏の超国家組織によって、海洋の強固な経済共同体を形成し、ゆくゆくは海洋治安協力から、EUのようなPIU(The Pacific Islanders Union)にまで進化させてはどうか。
始まりが島嶼ローカル連合であれば、ハワイや台湾も、アメリカや中国に遠慮することはない。日本も知事会などの立場で参加し、国連に対する地方分権を推し進める。
ネットワーク化する世界に、近現代国家は無用の長物であり、戦争以外にすることがない。グローバル企業の存在の中で、個人や地域の連携が新しい時代を画していく。
近代以後、欧米も日本も中世的な地元である「お国」が無くなったが、暴力組織の近代国家が崩れつつある今、個を基本とするネットワーク組織、新時代のローカルが生まれてくれば、やがて、国家による愚かな戦争が消えていく。

ベトナム戦争時の徴兵拒否から、ウクライナ戦争の国外逃亡、そしてイスラエルに対するアメリカからの批判・・・若者の目は、暴力国家の論理から人類、ガイアの視点に移りつつある。現在のロシアや中国共産党の極端な時代錯誤は、必然的に自滅する。
その過程の大きな座屈衝撃を緩和する為にも、個人や地域、テーマ別の連携が迫られている。
→「小さな舟」20111007


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