魯生のパクパク

占いという もう一つの眼

反転上昇

2021年02月21日 | 大転換

株価がバブル期以来の3万円を超えた。街の人々は「実感が無い」と言う。
強気の評論家は、大相場の始まりだと言うが、多くの人は崩壊を懸念している。
確かに、金余りに支えられた相場は、何時、破裂するかわからない風船の恐怖だ。
しかし、風船の中身はただの空気だろうか、実体経済はどうなるのだろう。

コロナショックの2020年、多くの企業が赤字を出したが、逆に、少なからぬ企業が大きな利益を出した。
ほとんどの人が、景気が良いと思えないのは、赤字を出した企業が古い時代の基幹産業であり、黒字を出した企業は新参で、あまり従業員を抱えないIT系の新産業だった。このため、ほとんどの人が直接、恩恵を受けていない。
敗戦の焼け野原で日本中があえいでいた時、闇市では闇成金が生まれた。時代の変わり目には、富の偏りが起こるが、社会全体にはそれが発展のたたき台になる。
今起こっているのは、産業の総入れ替えであり、世界的な格差も、時代の先を行く側と、取り残された側の、陽当たりの違いだ。
新産業には大海原が広がり、旧産業の多くは道を失う。そうなれば、やがて道を失った産業から大海原に移動が起こる。

現在の金余りによる株高は、旧産業にも余波はあるが、主軸は新産業が牽引している。
この先、業態を変えない旧企業は消え、業態を変える企業と、新産業企業が急成長し株価を上げるとすれば、差し引きは、結局プラスになる。
日本の企業は、世界的に後れをとっているから、既に敷かれたレールで先頭に追いつくには時間がかからない。新産業が成長する数年は、戦後の高度成長のような状態が現れる。となれば、現在の株価は、紆余曲折はあるが、ただのバブルではなくなる。
だが、勢いよく追いついたとしても、前にはGAFAのような巨大機関車が道を塞いでいるから、単なる連結車両になるしかない。日本経済が生き残るためには、走りながら別のレールを敷設しなければならない。

この脱皮が、今の日本にできるかといえば、残念ながら極めて先が暗い。
旧態維持だけに汲々とする政財界、内向き下向きの若者、イチャモンだけのマスコミ。どこにも、「ダメ元」、「やってみょう!」と言い出すスキが無い。
しかし、ここまで見事に委縮していると、かえって道が開けるような気がする。
明治維新で日本が爆発したのも、江戸の長い圧縮期間があったからだ。サイクルの早い現代では、バブル崩壊後の30年は十分な圧縮期間だ。二世代にわたる抑圧期間で、そろそろ外道や歌舞伎者が現れる。そう期待したい。
60年周期では今年は昭和36年。所得倍増!
日本は上昇に向かっているはずなのだから。


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