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【国立アズレージョ美術館】ポルトガル(リスボン他)&スペイン(バルセロナ)の旅2019

2019-09-24 | ポルトガル(リスボン他)&スペイン(バルセロナ)の旅2019

少し中心部から離れている国立アズレージョ美術館へはバスに乗って向かった。
バスに乗る時は下りる場所がいまいちわからなかったりするので、運転手に念の為にここに行きたい!と宣言しておくと、降りる所を教えてくれるので、毎度声をかけていた。そのおかげで寝過ごして降り損ねるというミスも回避。


国立アズレージョ美術館は元は16世紀に建設されたマドレ・デ・デウス修道院だった建物。
なので、アズレージョが使われた内装など、当時のまま残されているところがあるそうなので、それも楽しみにしていた。


受付のそばのモダンなタイル壁に迎えられる。



展示は、15世紀から現代までのタイルが年代やテーマ別に展示されている。
14世紀頃、イスラム教徒が装飾タイルとしてスペインへ持ち込まれたタイルは、
15世紀後半にスペインのセビーリャから大量に輸入されるようになったのが、
ポルトガルのアズレージョの始まりだそう。


最初はイスラム教の影響により、幾何学模様の作品が多く、





その後、動物文様や植物文様が描かれはじめる。





当時の製造過程のような展示もあり、石膏の型に粘土を押し込み、
かたどったものを素焼き後、着色するという方法で作られていたようだ。


16世紀の中頃にはタイルに直接彩色して上薬をかけるマジョリカ技法という技法がイタリア人陶工から伝わる。


16世紀(ポルトガルがスペインに併合された頃)にはカーペットスタイルと呼ばれる東洋のタペストリーに似たパターン化した植物文様や幾何学模様のタイルも大量に製造されたそう。






ダイヤモンドパターンと言われる、宝石が立体的に見えるように描かれたタイルも面白いなあ。


人物や動物、歴史、神話、宗教などをモチーフとする多彩色のものも見られるようになる。









東洋の磁器のデザインに影響を受けたシノワズリ的なタイルもあり、


花かと思いきや、これはホタテの貝殻を四つ組み合わせた模様。





タイル尽くしの祭壇。


スペインから再独立した17世紀半ばには明るい印象のモチーフや青、黄以外の多彩色タイプが主流となり、


17世紀末頃には、中国陶磁や日本の藍染め、オランダのデルフト焼きの影響を受けた青一色タイプが流行したのだそう。


元修道院だった建物は中庭もそのまま残されていて、


タイルが貼り巡らされた回廊が美しい。
















通路や階段もブルーのアズレージョ尽くし。






豪華絢爛・・絵画とアズレージョで埋め尽くされたホール?


ホールを取り囲むブルーのアズレージョ。





展示室が連なる廊下にも窓の下にはアズレージョ。






そして修道院ならでは、教会もそのまま残されている。


まばゆいばかりの黄金とブルーのアズレージョが圧巻の教会。


現代に近い新し目のタイルの展示も。
これらは今も町中に流通してるタイルだろうか?!
見覚えのある模様も。


この厚めのレリーフタイルはリスボンでは見かけなかったが、ポルトでいくつか見かけた。
19世紀初めに作られたものだそう。


このかわいいカーネーション柄のプリントタイルは町中では見つけられなかった。


アールヌーヴォーなボルダロの作品も。
蝶と麦の穂が合体したようなデザイン。


同じくボルダロの作品。
アールヌーヴォーのラインは美しいが、バッタモチーフというのが気味が悪い;


この左のタイルのデザインはどこかで見たことあると思ったら、地下鉄のロシオ駅の構内に貼られてたのとほぼ同じデザインなので同じ作家なのだろう。


ちなみに、ロシオ駅のタイルはこれ。
各駅のタイル作品は現代の著名なタイルアーティストによって製作されてるんだろうなあ。


こんな和の雰囲気を醸す作品もあった。


美術館内にあるレストランは、修道院時代の調理場と食堂を改装したものだそう。



タイルなどは新しそうだけど、レストランらしく、魚や野菜などの食材が描かれていて楽しい。
中途半端な時間だったので、ここでは食事しなかったけど、お値段もお手頃らしい。

ジェロニモス修道院へ行かず、こっちへ来てよかった・・
館内は空いていてゆっくり見れたし、これからまだもう1軒チェック物件へ行けそう。
次で、一日目はようやく終わり。


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