ウルトラマンコスモス、第13話&第14話は本作初の前後編「時の娘」。
宇宙ステーション・ジェルミナⅢの完成を目前に控える中、謎の宇宙生命体ワロガが地上に出現。ムサシはコスモスに変身し、ワロガに追われていた女性レニ・クロサキを救助するも、彼女は記憶喪失だった。レニを見舞ううちにムサシは彼女との心の距離を縮めていくが、彼女が書いた絵がきっかけで徐々に真実が明らかに…
といった感じで始まる、いつになくシリアスな雰囲気に包まれている前後編。1クール目の終わりとも、2クール目の開始とも取れるこのタイミングで改めて怪獣保護には失敗が許されないということ、そのリスクの大きさが描かれることにもなりました。
まずは今回の敵であるところの邪悪宇宙生命体ワロガ。レニや古代怪獣ガルバスを利用して人類による人類滅亡を企んだ恐ろしい生命体です。
しかし、ワロガがしたことといえば「レニにバイオチップを埋め込み、ムサシに接近させる」「バイオチップ解析時にコンピューターが汚染されるように仕組む」「ガルバスを操る」と意外と控えめ。EYESの機能がダウンしたところへ現れて基地を破壊するでもなく、ガルバス相手に苦戦するコスモスにトドメを刺すこともしない。ワロガは直接手を下すのではなく、人類が自ら滅んでいく様を楽しんでいるような節も感じられました。
レニ同様、ワロガの作戦に利用された古代怪獣ガルバス。「一度保護に成功している怪獣」であるのがまたワロガの邪悪さを際立たせていると思います。これが未知の怪獣であれば「大人しい怪獣もいれば、危険な怪獣もいる」ぐらいの認識で落ち着いたかもしれませんが、既知の大人しい怪獣であるが故に「やはり大人しいといっても怪獣は怪獣。いつ暴れ出すか分からない」と、既知の怪獣に対する警戒心がより強まるでしょう。
また、第14話では暴れるガルバスを撃退しようとした防衛隊の行動が、必ずしも間違いだとは言い切れないという描写があったのも印象的です。
ワロガの邪魔が入ったとはいえ、EYESがガルバスの保護に一度失敗したのは事実。もし次回以降もワロガの邪魔が入れば、ガルバスは保護できず、被害は広まり、人間の生活が脅かされてしまう。だからこそ怪獣保護では失敗できない。たった一度の失敗でも、ライフラインが止まれば命を落とす人がいないとも限らない。改めて「怪獣保護」という夢の実現の困難さが浮き彫りになった話でもありました。
一時は怪獣保護は夢物語なのかと挫折しかけたムサシですが、そんな彼を救ったのが他でもないレニでした。100年前には宇宙ステーションの建設も夢物語だと言われた。「実現するまではいつも、夢物語だったんだよ」それでも多くの人々が夢物語に憧れ、命を落とし、夢を継いできた…それはジェルミナⅢに「時の娘」と名付けたレニたちも同じ…と。「夢物語」を諦めの言葉にするのではなく、憧れの言葉にするの、良いなぁ…
改めて夢を継ぐ決心をしたのはムサシのみならず、シノブリーダーも同様でした。ガルバスの進行を食い止めるべく、エネルギープラントを停止させようとした際に、シノブは「気が変わったのよ」とレニを信じて彼女を援護することに。ここからワンダバが入るのめちゃくちゃカッコいい…
考えてみれば、今回のレニはガルバス同様「怪獣」に等しい存在だったのかもしれません。普段は大人しいけれども、いつ何時何が起こるか分からない危険な存在。それでもレニを諦めるということは、怪獣保護を諦めるということにも等しいでしょう。怪獣保護に失敗は許されない。けれども失敗を恐れて前に進むことをやめることもない。そんな強い意思を感じるシーンでした。
そして「あんたの手で、私を人間に戻して」という言葉を受け、ムサシは珍しく「コスモース!」と叫ばずに変身。見た目はコスモスでも、戦っていたのはムサシ自身だった…そんなことも感じられる演出でした。
闇夜を背景にコロナモードに変身し、そこからのどこか寂しげなBGMが流れる戦いもまた素晴らしかったです…
そういえば、第13話ではフブキがムサシに対して以前よりもだいぶ柔らかく接していたなーと。ムサシに対してレニの処遇を伝える役目を担った際は感情的になるムサシの一方で冷静さを保っていましたし、ムサシがレニと共に逃亡した理由もちゃんと理解していました。第14話では口論にこそなったものの、少しずつ相手を理解し始めていることが伝わってきます。
改めて怪獣保護という夢を継ぐ決心をしたムサシ。次回は深海!
宇宙ステーション・ジェルミナⅢの完成を目前に控える中、謎の宇宙生命体ワロガが地上に出現。ムサシはコスモスに変身し、ワロガに追われていた女性レニ・クロサキを救助するも、彼女は記憶喪失だった。レニを見舞ううちにムサシは彼女との心の距離を縮めていくが、彼女が書いた絵がきっかけで徐々に真実が明らかに…
といった感じで始まる、いつになくシリアスな雰囲気に包まれている前後編。1クール目の終わりとも、2クール目の開始とも取れるこのタイミングで改めて怪獣保護には失敗が許されないということ、そのリスクの大きさが描かれることにもなりました。
まずは今回の敵であるところの邪悪宇宙生命体ワロガ。レニや古代怪獣ガルバスを利用して人類による人類滅亡を企んだ恐ろしい生命体です。
しかし、ワロガがしたことといえば「レニにバイオチップを埋め込み、ムサシに接近させる」「バイオチップ解析時にコンピューターが汚染されるように仕組む」「ガルバスを操る」と意外と控えめ。EYESの機能がダウンしたところへ現れて基地を破壊するでもなく、ガルバス相手に苦戦するコスモスにトドメを刺すこともしない。ワロガは直接手を下すのではなく、人類が自ら滅んでいく様を楽しんでいるような節も感じられました。
レニ同様、ワロガの作戦に利用された古代怪獣ガルバス。「一度保護に成功している怪獣」であるのがまたワロガの邪悪さを際立たせていると思います。これが未知の怪獣であれば「大人しい怪獣もいれば、危険な怪獣もいる」ぐらいの認識で落ち着いたかもしれませんが、既知の大人しい怪獣であるが故に「やはり大人しいといっても怪獣は怪獣。いつ暴れ出すか分からない」と、既知の怪獣に対する警戒心がより強まるでしょう。
また、第14話では暴れるガルバスを撃退しようとした防衛隊の行動が、必ずしも間違いだとは言い切れないという描写があったのも印象的です。
ワロガの邪魔が入ったとはいえ、EYESがガルバスの保護に一度失敗したのは事実。もし次回以降もワロガの邪魔が入れば、ガルバスは保護できず、被害は広まり、人間の生活が脅かされてしまう。だからこそ怪獣保護では失敗できない。たった一度の失敗でも、ライフラインが止まれば命を落とす人がいないとも限らない。改めて「怪獣保護」という夢の実現の困難さが浮き彫りになった話でもありました。
一時は怪獣保護は夢物語なのかと挫折しかけたムサシですが、そんな彼を救ったのが他でもないレニでした。100年前には宇宙ステーションの建設も夢物語だと言われた。「実現するまではいつも、夢物語だったんだよ」それでも多くの人々が夢物語に憧れ、命を落とし、夢を継いできた…それはジェルミナⅢに「時の娘」と名付けたレニたちも同じ…と。「夢物語」を諦めの言葉にするのではなく、憧れの言葉にするの、良いなぁ…
改めて夢を継ぐ決心をしたのはムサシのみならず、シノブリーダーも同様でした。ガルバスの進行を食い止めるべく、エネルギープラントを停止させようとした際に、シノブは「気が変わったのよ」とレニを信じて彼女を援護することに。ここからワンダバが入るのめちゃくちゃカッコいい…
考えてみれば、今回のレニはガルバス同様「怪獣」に等しい存在だったのかもしれません。普段は大人しいけれども、いつ何時何が起こるか分からない危険な存在。それでもレニを諦めるということは、怪獣保護を諦めるということにも等しいでしょう。怪獣保護に失敗は許されない。けれども失敗を恐れて前に進むことをやめることもない。そんな強い意思を感じるシーンでした。
そして「あんたの手で、私を人間に戻して」という言葉を受け、ムサシは珍しく「コスモース!」と叫ばずに変身。見た目はコスモスでも、戦っていたのはムサシ自身だった…そんなことも感じられる演出でした。
闇夜を背景にコロナモードに変身し、そこからのどこか寂しげなBGMが流れる戦いもまた素晴らしかったです…
そういえば、第13話ではフブキがムサシに対して以前よりもだいぶ柔らかく接していたなーと。ムサシに対してレニの処遇を伝える役目を担った際は感情的になるムサシの一方で冷静さを保っていましたし、ムサシがレニと共に逃亡した理由もちゃんと理解していました。第14話では口論にこそなったものの、少しずつ相手を理解し始めていることが伝わってきます。
改めて怪獣保護という夢を継ぐ決心をしたムサシ。次回は深海!