ひびレビ

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「君の名は」を見て

2016-09-24 07:45:39 | テレビ・映画・ドラマ
2016年の映画「君の名は」を見ました。

 宮水三葉は山間の糸守町に通う高校生。東京への憧れを口にしていたある日、三葉は同い年の高校生・立花瀧と夢の中で入れ替わってしまう。週に2、3度訪れる入れ替わりを繰り返すうちに、2人はいつしか上手くやっていく方法を見つけ、事は順調に進んでいたかに見えた。そんなある日、瀧は思いもよらない事態に直面し・・・


 ・・・いやー、前評判が良いのは知っていましたが、こんなにも心が震える映画だったとは思いもしませんでした。瀧と三葉の入れ替わりで笑わされ、その後の思いもよらない展開にハッとさせられ、瀧の行動と三葉のあまりの可愛らしさに心を打たれ、そしてラストは終始鳥肌が立ちっぱなしで・・・本当に素晴らしい作品でした。

 まぁ、冒頭から三葉の体に入った瀧が、三葉の胸を揉むシーンが挟まれるとは思いもしませんでしたが(苦笑。でもあのシーンもある意味感動に繋がっていくのが恐ろしい所ですね・・・でも、泣きながら胸を揉んで近づいてくる三葉(瀧)を目の前にした四葉はもっと怖かったかもしれません(笑。

 初めこそ入れ替わりに笑い、ニヤニヤさせられていましたが、瀧と憧れの人・奥寺さんのデートの時から徐々に雰囲気が変わり始めます。そして、その後の展開で「携帯電話を使えば簡単に相手と連絡がとれるのでは?」という疑問に答えがはじき出されます。あの展開は全くもって予想外でした。どこかに伏線が張ってあったのだろうか・・・


 この物語で度々出てくる「ムスビ」という単語。組紐をはじめ、人と人の繋がりや時間もまた「ムスビ」。繋がって、ねじれて、切れて、そしてまた繋がる。そうした数々の「ムスビ」が絡まって、多くの人と、今という時間を作り上げている。
 瀧と三葉の入れ替わりも「ムスビ」ですが、そもそもその入れ替わりのことの発端もまた、先祖代々伝わる「ムスビ」でした。個人的には瀧と、とあるお店の主人の「ムスビ」がグッときました。「瀧が描いた糸守町の風景が良かった」。ただそれだけのことで、その主人は瀧をわざわざ車で送ってくれたりお弁当を用意してくれたりと、とても親切にしてくれていました。主人の台詞はごく僅かですが、色々な思いがあったのだろうなと感じさせられます。

 何度もねじれ、絡まり、切れては繋がる瀧と三葉の「ムスビ」。ようやく再会を果たした2人は、初対面なのにずっと前からの友達のように接しており、それがまた涙を誘います。また、2人の出会いの瞬間も描かれており、そちらは三葉の可愛さが天元突破していました(笑。
 けれども再会した2人に許された時間はごく僅か。瀧はその思いのすべてを伝えることはできず、それでも端的な言葉が三葉の心に響き、三葉は今を変えるために挫けず動き出す。
 そうして変わった今が、新しい今に繋がっていく。2人は思い出すことの出来ない、けれども探し続けている「君」の名を呼び続け、その思いがやがて2人を再び結びつける・・・2人が互いに互いを探しあうラストシーンはもう鳥肌が立ちっぱなしでした。ようやく出会えたものの、確信が持てず話しかけるのを躊躇いながらも、一歩踏み出したシーンは心底嬉しかったです。

 
 物語も大変素晴らしいものだったのですが、同時に風景もこれまた素晴らしいっ!何といっても夜空をそのまんまスクリーンにもってきたかのような夜空の描写がとても印象的でした。アニメで、あれほどまでに夜空を遠く深く感じることができるとは思いもしませんでした。
 また花澤香奈さん演じる「ユキちゃん先生」の登場も見逃せません。「言の葉の庭」をもう一度見たくなりました。ちなみにこの件は家に帰って改めてキャラクターの名前を確認してから気づきまして、上映中に真っ先に抱いた感想は「悠木さんと花澤さんだから『ゆとりちゃん』だなー」でした(汗。


 語りつくせないくらい、いいところが沢山ある素敵な作品をありがとうございました!瀧と三葉がちゃんと幸せになれますように。
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