「ぼくY」、英国呼称、アイルランド、チーフタンズ。

2021-10-31 10:24:58 | Weblog

まずはこの本のことから。

 

ブレイディみかこ著

「僕はイエローでホワイトで、ちょっとブルー」  新潮社

 (以後「ぼくY」と略す)。

本屋大賞とか受けて最近、かなり話題になっているので読んだ人も多いだろう。

僕は

去年くらいにラジオで高橋源一郎が紹介していたのでちょっと気にはなっていたのだが、

最近、遅ればせながら読んで、

あまりにも面白過ぎたので、周囲の人に勧めまくっている。

 

この本は、いわばノンフィクションで、

日本を飛び出して英国で暮らし、アイルランド人男性と結婚し、その人との

子供をもうけた著者の女の人(僕と同世代)が

その子供のことを中心に英国での暮らしを描く、というもの。

 

何と言うか、本人は「パンク母ちゃん」と自分で言うのだが、

だからなのか、社会意識が高い。そういう話がすごく多いのだ。

人種的な軋轢の話も面白い。経済格差の話も。

 

僕は特に、タイトルをめぐる一連の話がすごく好きなのだが、

 

それはとりあえず置いておいて、

 

英国の呼び名・・・とその意味についてすごく興味が湧いたのだ。

 

本書の中に英国・ブライトンの、息子の通う中学校長と著者のやり取りの中に

「ブリティッシュ・ヴァリュー」

「イングリッシュ・ヴァリュー」

「ヨーロピアン・ヴァリュー」

と、3種類の価値観が出てくる。

「ブリティッシュ」が、もっと大きな視点で、という意味で「ヨーロピアン」に

移行していくべき・・・なのはわかるのだが、

イングリッシュとブリティッシュの差異がいまいち、わかりにくかった。

 

で、ちょっと調べてみたのだ。

 

英国を「イギリス」と呼んでいるのはもちろん、世界中で日本だけである。

そのことはもちろん、知っていた。

日本には歴史の経緯上、オランダ語がもとになってる言葉が多いのだが多分これもそうで、

語源はオランダ語のINGLESであるみたいだ。EをIで発音するなら、「インギリス」と

聞こえるかもしれない。

 

僕はだから、「イングランド」と呼ぶことが多かった。「UK」って呼ぶ人もいるよね。

ユナイテッド・キングダムの略がUKだ。

 

しかし、「イングランド」という呼称の中には

スコットランド、ウェールズ、北アイルランドが含まれないのだ。

このことは「ぼくY」の中でも出てくる。

だから英国全体、のつもりで言うなら「イングランド」は✖だ。

僕はちゃんと「UK」って言わなくちゃだわ今後は。

 

英国の正式名称は

「グレートブリテンおよび北アイルランド連合王国」で、

これは恐らく戦争と侵略と抵抗の歴史の結果で、現在4つの国が「連合」として共存している。

イングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランド。

数年前にスコットランドが「英国離脱」すべく、国民投票をしたのは記憶に新しい。

そして、英国はその後、国民投票でEUを離脱した。それはともかく。

 

「ブリテン」は単に、あの島の名前が「ブリテン島」なのだ。

でもブリテンという呼び方では北アイルランドが含まれない。

それだったら「ブリティッシュ・ヴァリュー」も駄目じゃん。

 

むむむ。

 

しかし、アイルランド共和国と北アイルランドが別の国、というのはなかなか、

複雑だと思う今更ながら。

ここは国際紛争…テロとかが、いまだにホットなはずである。良いことではない。

 

さて

 

 

そのアイルランド(この場合はアイルランド共和国)の至宝、

とも言うべきバンド「チーフタンズ」の

屋台骨であるパイプ奏者のバディ・モローニが最近・・・亡くなってしまったそうで、

昨日の、ピーターさんのラジオ「WEEKEND SUNSHINE」は、彼の追悼特集だった。

全編、あまりにも素晴らしくて、何度も感動した。録音しておくべきだった、と思うほど

(来週土曜日までは「らじるらじる」の聞き逃しサービスで聴けます)。

何という豊饒な音楽世界。チーフタンズ最初期の音源から、

ヴァン・モリソンとの共演曲、

後半は、チーフタンズと共演する矢野顕子の音源の登場や、ジョニ・ミッチェルまで!!!

ジョニ・ミッチェルにはチーフタンズが「一歩引いて」演奏しているように感じた。

最終曲は2012年の、彼らの最後のアルバムの、何とパンチブラザーズとの共演曲。

どこまでも進化し続けるチーフタンズ、という感じで、本当にすごかった。

 

その番組の中でも、アイルランドの人々が英国に対して持つ複雑な感情について

ピーターさんが少し触れていたのだ。

 

ちょうど「ぼくY」のおかげで、その周辺の国のことを考えていたところだったから

ちょっとしたシンクロニシティで、そういうのは不思議で好きなので、

ここに書いて皆さんと共有したい、と思った次第。

 

今日の文章はちょっと長かった。

「ぼくY」については、また書くかも。

 

 

 

 

さてこの後は革ジャン着て、投票行動をしてきます。

 

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