「君の街」には一軒、とても素敵なジャンク・ショップがある。
ジャンク・ショップというのは説明不要だが、
ガラクタを集めて売っている商店というか、
大雑把な骨董品店というか。
大阪・四天王寺で毎月21日にやっている「朝市」
をギュッと縮めたようなお店というか、そんなの。
「リサイクルショップ」っていう看板だったりもするよね。
さすがに「ジャンク・ショップ」と名乗ってる店はないかも。
「君の街」のそのジャンク・ショップは覗くたびに、
ぶっ飛んだ面白い品があるので、俺その「街」に行くたびに
そこも訪れるのだ。
昨日は幸い(?)、買いたいような物はなかったのだけれど、
やっぱいいよな・・・・・としみじみ思った。
しかしジャンク・ショップは人生そのものである。
どんな物でも等しくゴミなのだ。
そのゴミでしかないものに、どのような価値を見出すか?
ということに過ぎない。
完全に壊れた目覚まし時計、ヘビメタ・ギターのなれの果て、
壺、壺、壺、擦り切れたルイ・ヴィトン。
俺は以前ここで、「エレクトリック大正琴」という
原始的な電子楽器を250円で買った事がある。
もう誰かにあげてしまったけど、
笑いが止まらないくらい素敵だった。
「ジャンク」を愛するということは
「文化」を愛する、ということでもあるような気がする。
「考古学的考現学」というか。
消えてゆくものを惜しむ気持ちもあるよね。
ジャンク、ガラクタ、ノイズ、不協和音。
懐かしいはずの街は何だか、
よそゆきの顔をしていた。