状況が緊迫していたけど、
俺はとにかく喰らいついていくつもりだった。
ずっと後を追ってきたのだから、
最後まで離れまいと思っていた。
27日に息をひきとって、
その晩が仮通夜で、
俺は彼の愛娘らとともに
朝までいっしょにいた。
ただの友人ではなかった。
同い年で、高校の同級生として出会ったのに
初めから圧倒的な存在だった。
引っ込み思案で、自分の殻を破れずにいた俺を、
ひっぱり上げてくれたのだ。
ランブルフィッシュのリーダーで
ヴォーカリストで
全ての作詞作曲者である
佐治朝吉。
本物の才能の持ち主だったし、
基本的に強引なのだけれど
すごくすごく優しかった。
一緒にバンドやってきたことは
いつまでも俺の誇りであり続けます。
さよならを言うつもりはないぜ。