白くて、ふわふわした食べ物は一種、究極である。

2024-06-09 00:17:59 | Weblog

まず

子どものころに読んで、トラウマ的に衝撃を受けたSF漫画の話。

そこは遠い惑星で、

住んでる人間の数は極端に少ない。地球からの移住は、上手く行かなかったみたいだ。

作物は実らず、原住の動物もいない。魚もいない。野草もない。果実もない。

農業は失敗した。どう頑張っても、何も育たなかった。

人間に喰えるものがないのだ。

人は一人、一人と死んでゆく。死んだら埋葬機械みたいなのに入れる。

そこでの、人々の食べ物は白い、ふわふわした、ご飯でもない、パンでもない、

四角い、豆腐とパンケーキの融合みたいな食物。

これは、自動調理機械から出てくる。

これが、子供の僕にはとても美味しそうに見えた。

それで、衝撃の結末は、

その白い食べ物は死んだ人の体を分解して、再構築して造ったものだった、ということが判明する。。

埋葬機械と調理機械は実は、同じものだったのだ。

 

ところで。

「白い、ふわふわした食べ物」というのは、

農耕文化普及以前の、人類の夢だったのではないだろうか?

それが実現したのが「ご飯」であり、「パン」である。

「豆腐」も、そうかもしれない。

革命以前のフランスの、マリー・アントワネットが悪名高いのは、国が飢餓状態の時に

「パンがなければパンケーキを食べればいいじゃない」と言ったとか言わなかったとか。

どちらも白い、ふわふわした食べ物だ。しかもおいしい。

だから人はお米や小麦を、必要以上に「精米」し、真っ白にする。

 

僕も精米されたお米で炊く「真っ白なご飯」が大好きだったのだが

最近、精米する以前の

「玄米」を頂いて、それを50%で(精米機で)精米して、それを炊いてみたら、

薄茶色い「ご飯」が炊きあがった。

これが美味しい。

この「茶色」の中にビタミンとかミネラルが豊富に含まれている、という

知識のせいかもしれないが、美味しい。

 

真っ白じゃなくてもいいのだ。

ふわふわでなくてもいいのだ。

 

遥か昔は、栄養学 など、カケラも、なかった。

だから江戸時代には、精米された白いご飯だけを食べて「脚気」という病にかかる人が多かったらしい。

「脚気」は、ビタミン不足が原因。船乗りとかもかかった。

つまり「精米」は、ビタミンやミネラルを削る作業なのだ。

 

 

先に話した「埋葬機械」と「調理機械」が同じものだった、という話だが

極端な話、それは真実でもある。

宇宙ステーションではおしっこの水を濾過して飲み水に使う。

地球規模で考えれば、全部そういうことなのだ。

 

 

「麺」も、白くてふわふわしている。

「小麦」と「米」は、とても良く似ている。

 

僕は子供の頃「米」も「麺」も、一体何で出来ているのか、理解していなかった。

 

それでも、白くてふわふわした食べ物は、大好きだった。

 

今でも、大好きだ。

 

 

例え、「埋葬機械」と「調理機械」が同じものだったとしても。

 

 

 

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