俺達は歴史の中を生きている。
何となく言った「さよなら」が、
永遠の別れの言葉になったりする。
「不在ゆえの存在感」を濃密に感じながら俺達は
それでも
また例によって酔っ払ったり、
ギターを鳴らして浅川マキの歌をうたったりするのだ。
いつか我々のページも閉じるのだろうが、
それとこれとはまた別の話だ。
俺達は俺達の「魂」に似たどこかの部分を
絞れるだけ絞って、
とにかくメロディーだの言葉だの、
間欠的な「歌」を探したりする。
長続きしなくたっていいんだ、とにかくその
感情がその時だけでもいいから本物で、
少しでも、ほんの少しでも楽しめたら
それで僥倖なのだ。
過去への扉を開け放って、
そんな風にしながらでないと、とてもじゃないが
前に進む気なんて起きやしない。
でもだからといって、俺の進化が止まる訳ではない。
今度、俺に会ったら少し驚くかもしれないぜ?
何せ俺には、世界が「退行」していくようにしか見えないんだ。
くだらない奴等のおしゃべりとか、
うす汚い政治家共の駆け引きになんて、
ほんの少しの興味もない。
古い歌の中にこそ未来はある。
巻き戻って行くフィルムの中にこそ。
・・本当だぜ。