体験談

2021-10-31 19:19:53 | Weblog

ふと思い出したこと。

20代半ば。アメ村の古着屋を辞めて、次に働いた職場は

画材販売&配達、というものだった。50CCのスクーターで様々な画材を、

大阪市内中心部に無数にある、あちこちのデザイン事務所に配達するのだ。

雨の日はキツかった。

だから今でも大阪の本町辺りを車で通ると懐かしい。

そのあたりの裏道は、けっこう知っているのだトラックで通るのは無理だけど。

 

それまでやっていた古着屋の仕事はすごく楽だった。

ほとんどの平日は、お店で服をとっかえひっかえして遊んでいるようなものだった。

楽過ぎて、アメ村の店員仲間は アメ村を出て他で働きだすことを

「社会復帰」と呼んでいた。

ははは。今の職場の仲間の中には仕事を「懲役」と密かに呼んでいる奴もいるから、

えらい違いだ。

 

まあそれはいいとして、

 

僕はその、画材販売の会社でリアルな人種差別的偏見を持っている人間を見た。

その会社のKという事務員の女は僕よりいくつか年下だったのだけれど、

激烈な性格で、しょっちゅうキレて喚き散らすような奴だった。

小さな会社で、社員は5人くらい。

2DKのマンションを借りて、そこで会社を経営していたのだ、そこの社長は。

その社員5人で年末に忘年会的に近くの居酒屋に行った時、

その事務員のKという女が高校時代、美形で長身の男に告白されて付き合うことになったが、

彼氏が在日の人だったと知って、激怒して即、別れた、という話を始めた。

Kが言うには、「だまされた」そうだ。

「は??何が?何がアカンの?」と聞いてみたが話にならない。

アタマから決めつけているのだ。

考えてみたらそのkという女は上司にへつらい、目下に威張るタイプだった。

 

僕はその後もバンドやりながらいろんな仕事をしたが、

上司にへつらい、媚びを売り、部下や目下には挨拶も返さない、

というような奴らは世の中に、けっこう・・・いる。

 

遅まきながら、さっき突然気付いたのだが、

そういう上司にへつらう奴らと、人種差別する奴らの、

もとはきっと同じだ。

「立場」とか「種類」、そしてそれの「上下」で他人を見ているのだ。

飲食店とかで店員にやたら威張るやつもそうだろう。

クレーマーという奴らもそうなのかもしれない。

 

嫌だなあ、そんな世界。

効率優先とか能力主義とか、ルッキズムとかそういうの全部嫌なんだけど、

そういう差別主義者がいちばん嫌かも。

 

だから自分自身も気を付けなければいけない。

 

ああいう風になっては、いけないのだ。

ちょっとでも自分が、そんな風になっていないか?と

検証しながら生きなくてはならない。

 

誰だって、なってしまう危険性は、あるのだ。

 

 

 

でも、あそこまで酷い人種差別を公然と、大声で語る奴は珍しかったな。

今はどこで、どんな風にして暮らしてるんだろう?

あのKという女。

元気でいるかしら。

あの強固な偏見と差別主義が治っていたら、いいんだが。

 

 

 

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