カヴァー曲・・・・・既に有名な「とある曲」を、
別の誰かが独自のやり方で演奏し直したり、歌い直したりしたものの中で、
あまりにも原曲とかけ離れている(ように聞こえた)ので
それがカヴァー曲だとは気付かず、
もしくは
もともとその原曲を知らずに、先にカヴァー曲を聴いていて、
後になってから原曲を聴いて
そのあまりの落差に愕然とした・・・・・・という経験が何度かある。
一番初めはあれだったと思う、
RCサクセションの名盤のライヴ盤「ラプソディー」の中に入っている
「上を向いて歩こう」。
僕はこれが出た当時中学生だったし、坂本九の「上を向いて歩こう」は、聴いたことがなかった。
だから曲紹介のMCで清志郎が「日本の有名なロックンロール!」と言っているのも、意味不明だった。
それでも、原曲を知らなくてもこの歌は大好きだった。パンキッシュで最高。
でも原曲を聴いてもそのあと長い間、気づかなかった、コレがアレだとは。
気付いた時には愕然とした。
本当に・・・すごいセンスだと思う。
RCの「上を向いて歩こう」はニューウェーヴ的な、破壊的かつ愛情あふれたカヴァーだと思う。
そして、ジャニス・ジョップリン(ビッグブラザーアンドホールディングカンパニー)の「サマータイム」。
これも、高校生くらいの頃、
ジャズ・スタンダードの元歌を知らずに、それでも「ジャニスすげえなぁ・・・」という感じで聴いていた。
元歌を、どう解釈したらあの歌メロになるんだ?・・・・と、今でも思う。
バックの演奏はそんなに原曲から離れていない気がするので、
やはりシンガーであるジャニスが破格の天才なのであろう。
あと・・・あれだ、ディーヴォの「サティスファクション」だ。
原曲の破壊と、再構築。
ディーヴォはストーンズを、否定しているように思えた。多分そうなんだろう。
あとクサいところではエリック・クラプトンの「レイラ」
というアルバムに入っている「リトル・ウィング」が
ジミヘンの曲のカヴァーだ、という事に気付いたのはわりと最近・・・・っていうか
たかだか、ここ十年くらいの事だったと思う。
「レイラ」の中古盤を買ったのは高校生の頃だったし、
ジミヘンを決定的に好きになって様々な音源を聴きまくっていたのが19歳の頃だった。
二十年くらいの間、気付かなかったのだ、馬鹿みたいだが。
ある時、クラプトン版の歌詞を何気なく聴いていて気付いた。
ん?ジミヘンの「リトル・ウィング」と全く同じ歌詞じゃん?と。
「リトル・ウィング」の歌詞は、自分で歌いたくて、いちおう暗記していたのだ。
これもけっこう、愕然としたな。
上記の4曲は、元歌からかけ離れてて、それでも最高なもの、だが
元歌通り、というか「そのまんま」演っているカヴァー曲も素敵なものが多い。
っていうか、
そっちの方が多いだろう、圧倒的に。
ブラック・クロウズの演るオーティスの「ハード・トゥ・ハンドル」とかが好きだな。
そのまんま具合が。
ROCA’66も近日、「フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン」を演るけど、
今のところ、わりに真っ直ぐ・・・演るつもり。
どう足掻いたってノイジーで刹那的、破壊的には
なるのだけれど。