少し前に読んだ「女性納棺師」の人の本の中に、
印象的な言葉があった。
「人間は、年を取るごとに、
”生きること”自体が目的になっていきます」
というような。
そっかぁ・・・・と思う。
もし本当にそうなら
年を取るって、すごくいいことじゃないか。
いつか俺も自然に、そんな風になれるだろうか。
いろんな物事が年月を経て、
雨風にさらされて磨耗して、
すべてのものが色褪せる。
そんな世界にあっって
”生きる”ということはやはり
それ自体が「目的」そのものであって、
何らかの「手段」ではないだろう。
そういえば
「♪ミミズだって、オケラだって、アメンボだって・・云々」
という歌があったが、
ミミズ・・・・・ミミズに感情移入するのは、ちと難しい。
目もないし、
土(のなかの微生物とか)を喰って生きる、なんてなかなか
壮絶ではあるが。
でも、オケラならまた話は違う。
オケラって鳴くんだよ、知ってた?
無性生殖のミミズに比べたらはるかに親近感が持てる。
しかし、何で「一文無し」の状態のことを
「オケラ」って言うんだろうか?
昔、よくボケロウがポケットの裏地を全部出して
「オケラ・アピール(笑)」(一銭もない、と言いたい)
というのをやっていたのを思い出す。
・・・まぁそれは置いておいて、
アメンボの人生もなかなか、良さそうではある。
(だって楽しそうじゃないか。)
しかしミミズもオケラもアメンボも、
「人生の目的は生きること」などと
考えてたりは、しないんだろうなぁ・・・・・・・・
いや、そうかと思ったら全部知ってて、
そんなことわかりきってるから、思いもしないのかな。
意外と毎日、そんなことばっかり考えながら
暮らしてたりしてね。
真相は、誰にもわかりはしないのだ。