マツヨシくんが亡くなった。突然の訃報だった。
マツヨシくんはドラマーで、
佐治がランブル解散した後に結成した
バタフライ・ピープのドラムだった。少なくとも俺は、その時初めて出会った。
あ、俺はバタフライ・ピープのメンバーではないのだけどね。
でも、そのあと佐治が作ったバンドではだいたいいつも、マツヨシくんがドラムを叩いていたので
(佐治がすごく気に入っていた証拠)、
佐治ヴォーカルの
スライムグルーブとファントムオブパラダイスという二つのバンドで、
俺はマツヨシくんとバンドメンバー同士になった。
彼は大阪ハードロック人脈の中の人で、
以前はボトムズアップというとてもいいバンドに在籍していたのだそうだ。
その頃のことは、俺は知らないのだけれど。
マツヨシ君を知るひとはみんな同意してくれると思うのだけれど、
彼はとてもいいひとで・・・・。
なんというか、とても繊細、かつオープンな人柄だった。
例えて言えば・・・・ガラスで出来た大型バスが窓もドアも、ボンネットすら開け放したまま
高速道路を爆走しているような。
そんな感じ。
そして優しい。
他人に優しくできる人は偉い。彼は本当に、偉い人だった。
マツヨシくんを失ってしまったことを俺は深く、静かに悲しみます。
彼は俺の「味方」だったように思っているから。それも、数少ない「味方」。
俺の勝手な思い込みかもしれないんだけどさ。
でも間違ってないように思う。
でもそんなこと言えばマツヨシくんは、みんなの「味方」であったのかもしれない。
マツヨシくんを知るひとはみんな、「味方」を失った・・・・という
喪失感を抱えてるだろう。
最後に会ったのは先月のFANDANGOでのライヴのときだったけど、
ゆっくり話せた最後のときは去年の佐治の命日だった。
帰りの電車はマツヨシくんと二人きりで、ずいぶんいろんな話を聞いたな。
そのときに透析の話も聞いていた。でもまさかこんなことになるなんて思いもしなかった。
西大寺の駅で別れるときに、
いつまでもいつまでも笑顔で手を振ってくれたマツヨシくんが忘れられない。
きっと、いつまでも忘れずにいられるだろう。
昨夜はお通夜に行った。
たくさんの人で、会場はいっぱいだった。
俺はマツヨシくんに小さく手を振って、
とりあえずのサヨナラを告げてきたよ。
またいつか会えるとおもうけどさ。
写真は、もう15年くらい前の、マツヨシくんと、俺。