今日も一期一会

「本が好き♪図書館ブログ」のタイトル変更
本好きholyの覚え書き的日常のあれこれ

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19年目のholyのブログをそのまま残します。 同じ時は二度とやって来ない。これからも毎日を「一期一会」の心で過ごします♪

カズオ・イシグロ

2011-06-01 | 本の紹介
「カズオ・イシグロ」という作家、今まで彼の作品を読んだことがありませんでした。
というより、恥ずかしながら名前さえもよく知らなかったのです。

お友達がこの作家の事をブログに書いていて、彼を知りました。
気にし始めると、書店で本は目につくし、映画が上映中なのにも気が付き、
HNK教育では先日1時間半の特別番組を放映していました。
映画の日本公開のために10年ぶりに来日(帰国ではない!)。

もともと日本(長崎)で生まれ、5歳のときに父の仕事の関係でイギリスに渡ります。
漢字表記は石黒一雄。
そのままイギリスに永住し、イギリス人女性と結婚し、
帰化し、著書『日の名残り』で英国文学の最高峰とされるブッカー賞を受賞します。
今や“英国が誇る”“イギリスを代表する”有名作家なのです。

初めに、小説『わたしを離さないで』(原題は“Never Let Me Go”)を読みました。
TVで話していた時もそうでしたが、英語が母国語なのでしょう、
土屋政雄さんの翻訳です。
これから読む方のために、小説の詳細ははひかえますが・・・
冒頭から出てくる「介護人」「提供者」「施設」「保護官」
という言葉に違和感を感じながら読むと、
淡々と語られるその内容は驚愕すべきものでした。
まるで、そうあることが当たり前で世間の常識のような・・・
受け入れ難い(でも決して当人達は抗うことのない)運命の中で描かれる
3人の友情と愛情は切ないです。
翻訳小説は読みにくいことが多いのですが、
訳者の腕なのでしょうか、どんどん読めました。

その後、映画を観に行って来ました。
イギリスの古い建物の感じ、天候がはっきりしない特有の天気、
悲しい運命を背負った友人3人のキャスト、
どれも原作の雰囲気に合っていたように思います。

今日は、小雨の降る肌寒い日でした。
今日の天候もこの映画にピッタリ!