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カズオ・イシグロ

2011-06-01 | 本の紹介
「カズオ・イシグロ」という作家、今まで彼の作品を読んだことがありませんでした。
というより、恥ずかしながら名前さえもよく知らなかったのです。

お友達がこの作家の事をブログに書いていて、彼を知りました。
気にし始めると、書店で本は目につくし、映画が上映中なのにも気が付き、
HNK教育では先日1時間半の特別番組を放映していました。
映画の日本公開のために10年ぶりに来日(帰国ではない!)。

もともと日本(長崎)で生まれ、5歳のときに父の仕事の関係でイギリスに渡ります。
漢字表記は石黒一雄。
そのままイギリスに永住し、イギリス人女性と結婚し、
帰化し、著書『日の名残り』で英国文学の最高峰とされるブッカー賞を受賞します。
今や“英国が誇る”“イギリスを代表する”有名作家なのです。

初めに、小説『わたしを離さないで』(原題は“Never Let Me Go”)を読みました。
TVで話していた時もそうでしたが、英語が母国語なのでしょう、
土屋政雄さんの翻訳です。
これから読む方のために、小説の詳細ははひかえますが・・・
冒頭から出てくる「介護人」「提供者」「施設」「保護官」
という言葉に違和感を感じながら読むと、
淡々と語られるその内容は驚愕すべきものでした。
まるで、そうあることが当たり前で世間の常識のような・・・
受け入れ難い(でも決して当人達は抗うことのない)運命の中で描かれる
3人の友情と愛情は切ないです。
翻訳小説は読みにくいことが多いのですが、
訳者の腕なのでしょうか、どんどん読めました。

その後、映画を観に行って来ました。
イギリスの古い建物の感じ、天候がはっきりしない特有の天気、
悲しい運命を背負った友人3人のキャスト、
どれも原作の雰囲気に合っていたように思います。

今日は、小雨の降る肌寒い日でした。
今日の天候もこの映画にピッタリ!

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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
カズオ・イシグロ (皐月)
2011-06-02 07:07:10
本と・映画が 一緒の印象では 楽しさ倍でしたね。
わたしも読みたくて、購入したのですがまだなのです。
これから 楽しみます。雨の日は落ち着いて本が読めて 好きです。
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雨の日 (holy)
2011-06-03 00:32:00
雨の日は大威張りで本を読んでいられますよね♪
不思議な世界観をもった作品でした。
明日、楽しんで行ってらして下さいね。
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 (桜子)
2011-06-04 22:28:17
この作家の一作一作、それぞれの作風が変化しているのも惹かれる理由の一つです。

心に染み入る読後感が、何とも言い難いです。

Never let me go を読んだのは、organ plant(transplantation)の是非を自分なりに考えて、結論を出した後でした。

映画が期待に大きく外れていないようで、嬉しく思っています。

今身近な所で、命の炎が弱くなってきています。誰しも通らねばならぬ道なのですが、容易には受け入れがたいものです。

三人の若者の秘められた悲しさが、淡々と描かれた作品でした。
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桜子さま (holy)
2011-06-04 22:59:22
桜子さんの書き込みを見て、この作家を知りました。
教えてくださって有難うございました。
日本では認められていないので、海外で臓器移植を行うというのも良く耳にします。
私はそれも少しおかしいといつも思っています。
映画の中で「提供者と提供される人の命に、どんな違いがあるのよ!」(みたいなこと)と言っているシーンが心に残っています。
二つの捉え方があるように思えて、どっちなのかな?
私たちも人間として生きているのよ!ということ?
それとも、どうせあなたたちもいつかは死ぬのよ!ということ?

お母様のご様子はいかがですか?
母親というのは、誰にとっても特別な存在ですから、想像しただけで悲しくなります。
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