今日は節分、立春の明日から本当の意味での新しい年が始まります。
1月の読書は以下の9冊、このリズムで今年も年間100冊読了を目指して読書したいです。
『また、桜の国で』はすでに
記事にしており、他も読み応えのある良い作品が多かったです。
今日取り上げるのは、西加奈子著『i(アイ)』(ポプラ社)、本屋大賞候補作にもなっている話題作です。
作品冒頭の文章が「この世界にアイは存在しません。」
この言葉が主人公に大きな衝撃を与え、最後まで作品のキーワードになります。
表紙はいつも作身が描くのですが、先日TVでこの作品が特集されているときに実物が映されていました。
主人公は、アメリカ人の父と日本人の母のもと、養子として育てられたシリア出身の女子高校生で、
裕福な家庭での幸せな境遇に幼い時から罪悪感を抱き、成長してますます自己のアイデンティティに苦悩します。
これに、ニューヨークの9.11、国内のヘイト問題、シリア難民のニュース、東日本大震災、LGBT、等をからめ、
個人の幸せと全体の幸せ、愛や正義、そもそも幸せとは?など、読んでいる間中考えさせられる作品でした。
西加奈子さんの作品を今まで何冊か読みましたが、どれも一筋縄ではいかない!
若いのにすごい作家さんだと思います。