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須賀しのぶ 著 『また、桜の国で』

2017-01-17 | 本の紹介
厳しい寒さが続くこの数日、昨日この地の最低気温はついにマイナス7.1℃!
家の中でも凍り付くような朝でした。

直木賞候補作、須賀しのぶ 著『また、桜の国で』(祥伝社)読了しました。
本の帯には
「ショパンの名曲『革命のエチュード』が、日本とポーランドを繋ぐ!
それは、遠き国の友との約束。第二次世界大戦勃発。
ナチス・ドイツに蹂躙される欧州で、“真実”を見た日本人外務書記生はいかなる“道”を選ぶのか?」

ある新聞の書評に啓発されて一刻も早く読みたく、図書館通いの私にしては珍しく書店で買いました。
504ページの大長編で第二次世界大戦時の東欧を舞台にした重い作品でしたが、
その内容に引き込まれて一気に読了しました。
ポーランドへの熱い思いを持った主人公は日本国政府の外交官でありながら、
身を挺してポーランドの人々と共に、日本の同盟国のドイツ軍と戦うという内容です。
ポーランドは隣国から蹂躙されることの多かった国、アウシュビッツ収容所のある国、
という程度の知識しかなかったのですが、ポーランドに対する知識や見方がずいぶん変わりました。
戦争は国と国の争いですが、その中の人々が皆、同じ思いであるというわけではありません。

この作品で重要な役割を持つ3人は、
ロシア人の父を持って日本に生まれるが、外見はスラブ人である主人公である日本国政府の外交官、
シベリアで保護され来日したポーランド人孤児で、後にアメリカ人となった記者、
アウシュビッツから奇跡的に生還したポーランドに住むユダヤ人。
この3人が「また、桜の国で再会を!」を合言葉にワルシャワでポーランド人と共にドイツ軍と戦います。
国籍を超えた友情、祖国への愛、真摯に仕事する姿、人として正義のために戦う姿、感動しました!

ベルギー在住時に何度かポーランドへ行こうとしましたが、いつも何らかの障害のために行けなくなり、
まだ一度も足を踏み入れたことがない国です。
その周辺の、ドイツ、チェコ、スロバキア、ハンガリーには行っているのに…。
ショパンやコペルニクス、キュリー夫人が生まれた国、アウシュビッツのある国、
いつか必ず行きたいという思いがさらに強くなりました。



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