カワセミ側溝から(旧続・中岳龍頭望)

好きな言葉は「のこのこ」。好きなラジオ中継「相撲」。ちょっと苦手「煮た南瓜」。影響受けやすいけど、すぐ忘れます。

気の合わない二人が打ち解けるには   セルフィッシュ・サマー ホントの自分に向き合う旅

2021-09-04 | 映画

セルフィッシュ・サマー ホントの自分に向き合う旅/デビット・ゴードン・グリーン監督

 森林火災が起こって広範囲の森が失われてしまった地区の道路の、センターラインを引く仕事をしている二人の男の会話劇。請負業者の男は、妻の弟と一緒に働いている。最初はその独身の弟の週末の楽しみや愚痴を聞いている立場だったが、帰って来てみると、散々の週末だった様子で、しかも弟が預かり持って帰ってきた妻からの手紙の内容も、散々なものであったのだった。
 他にも謎のトラックのおやじが通りがかったり(酒をめぐんでくれる)、家を火災で失った女性も出てくる。しかしながら基本的には二人の男が延々といろんなことを話すだけの内容である。舞台なんかで十分な内容とも言え、なんで映画なんかにしたんだろうって感じもする。
 人里離れた場所で仕事をして、テントを張って寝る。ある意味ストイックで、悪くないリズムの生活を送れているはずなのだが、妻の弟と仕事をする中で、微妙に歯車がかみ合わなくなっている状態なのかもしれない。何しろ義弟は若く、性的にギラギラしていて、こういう生活に耐えられないタイプなのである。静かに仕事をしたい男には、平穏でいられるはずがないのである。
 つまらない映画を観るのは慣れているが、またしてもやってしまったな、という感じかもしれない。しかしながら芸術的に気取っていてつまらない訳ではないので、観ていること自体が呆然とするようなつまらなさではない。そうしていつかは面白くなりそうな予感すら与えられる内容ではある。ちょっとしたカタルシスも無い訳ではないし。
 そうではあるが、暇つぶしにどうぞ、くらいにしかいうことはできない。これを観たから人生に彩が加わるような類のものではない。むしろこちらの神経をとがらせて、何かを受信しない限り、何かを悟ることもできないだろう。それは映画の役割なのかどうか、それとももともと自分の持っている能力のおかげなのか、という感じなんだろうか……。
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