カワセミ側溝から(旧続・中岳龍頭望)

好きな言葉は「のこのこ」。好きなラジオ中継「相撲」。ちょっと苦手「煮た南瓜」。影響受けやすいけど、すぐ忘れます。

アメリカが活気があってマッチョだった頃   超高層プロフェッショナル

2017-08-13 | 映画

超高層プロフェッショナル/スティーブ・カーヴァー監督

 高層ビル(おそらく高層アパートか何か)を建てている現場で爆発事故が起こり、その騒動の中、現場監督でもある社長が転落死してしまう。その仕事を継ぐことにしたのは死んだ社長の娘で、しかし仕事のことは分からないので、凄腕と言われている男に頼んで、さらにその男の以前の仕事仲間を集めて、短期間で、さまざまな妨害を受けながら仕事をするという物語。鉄骨を組むのが仕事なのだが、クレーンを使って鉄骨を上に持ち上げ、ひたすら組み上げていくという一見地味な作業が、サスペンスフルに描かれて面白い。高いところで平均台の上を歩くようなことと、皆で鉄骨の柱をスルスルとよじ登って行ったりしている。死んだ社長の弟が、何故かこの鉄骨を運んでくる運送屋で、作業を遅らせて仕事をぶんどるために、執拗に妨害する。要するにノロノロしたり、ストが起きたといって持ってこなかったりする。それで盗むように鉄骨を運んだり、又は別の手法で鉄骨を運搬したりするわけだ。文章に書くと地味だが、これがそれなりに面白かったりする。高層の持ち場で、実は高所恐怖に陥っている現場監督の恐怖の克服の姿なども描かれる。不必要なところでエロがあったり、暴力を受けても何故か警察に相談しなかったり、いくら遅れないためとはいえ、必要以上に凶暴に相手を懲らしめたりして、よく考えるとかなり疑問は多いのだが、それ自体が、けっこう面白い。酒をマッチョに飲んだり、今の日本社会だとブラックな長時間労働も、実に美しく描かれている。結局人が死んだりするが、正義の為だからいいのである。
 実際に社長が転落死する映像があるが、この映像のスタントマンが本当に死んだことでも有名な作品である。まさに死を懸けた演技だった訳で、今考えると残酷である。
 なんとなく覚えがあるような気もするのは、恐らくテレビで放映されたものを観たのではないかと思われる。ほとんど筋は忘れていたけど、当時も子供ながら楽しんで観たのではなかろうか。今の時代ではとても企画自体が通らない作品だろうと思うが、古きアメリカのマッチョな楽しさの詰まった作品だと思う。人間臭い、やりすぎのドラマだけれど、だからこそ王道的な娯楽作品といえるだろう。
コメント
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