カワセミ側溝から(旧続・中岳龍頭望)

好きな言葉は「のこのこ」。好きなラジオ中継「相撲」。ちょっと苦手「煮た南瓜」。影響受けやすいけど、すぐ忘れます。

80年代の馬鹿さ加減が満載   ときめきサイエンス

2017-08-05 | 時事

ときめきサイエンス/ジョン・ヒューズ監督

 85年作品。いかにも80年代のロックがバックに掛かり、コンピュータのCGが恐ろしく陳腐に感じらえる。若者のファッションも奇抜だし、モノの消費の仕方が、なんとなくバブルっぽい様相を呈している。しかしこれは日本の高校生では無く、アメリカの高校生なのだ。(まあ、それらしくない訳じゃないけど)
 オタクで女に縁のない二人組は、コンピュータプログラムを使って、女性を作り出すことができないか模索する。女の姿かたちはもちろん自分らの欲求に沿って考えるが、同時に頭の良さなど様々な要素を詰め込んで、怪しげな方程式を混ぜて、その情報を電話線などからパワーを取り込みながらバービー人形に送り込むと、何か異様な力が集中して、本当に美しい女性を生み出してしまう。生みの親として、美女は彼らをオタクな童貞男から、自信をもった男性へと変化させるべく、とんでもない荒療治を行うことになるのだが…。
 今見ると、恐ろしく陳腐なSFコメディに見えるが、当時はそれなりの予算を使った普通の劇場公開映画であったらしい。いかにも時代がかっており、かなりおバカだが、もう二度とこんな感じの映画は作られることは無いだろうから、そういう意味でも大変に貴重な作品と言えるかもしれない。ゆるく脱力してしまう表現も多いし、何か性的な問題などを深く掘り下げるようなことがなされている訳でもない。なんとなく行き当たりばったりで、脚本が練に練られているという感じでもない。しかしながらそうであっても、いわゆるそうしたくだらない味のようなものはあんがい楽しくて、なんだかとてもいい話を見たような、そんな印象の残る作品になっている。繰り返すが単なるおバカ映画であることは間違いなく、しかし僕には時代の持つこのくだらなさを体感した世代であるということもあるのかもしれない。まったく二度と戻って欲しくない変な時代だったが、こんな変な映画をつくったのだったら、それも良かったのだろう。多くの人は楽しめないかもしれないが、バカの生まれる時代性があるということに興味がある人には、時間つぶしに観たらどうだろうか。
コメント
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