カワセミ側溝から(旧続・中岳龍頭望)

好きな言葉は「のこのこ」。好きなラジオ中継「相撲」。ちょっと苦手「煮た南瓜」。影響受けやすいけど、すぐ忘れます。

政治家は嘘をつく

2017-08-12 | net & 社会

 どういう訳か話題が政治のことになって、そうしてある女性が
「政治家は嘘ばかりつく」と言った。よくある言説である。僕にも同意する部分があるにせよ、そのように見えるのは何故だろうと、ふと思った。そうしてその時は、どういう訳か、少し掘り下げたくなるような気分になった。
「どうして政治家は嘘ばかりつくと思いますか?」
「どうしてなんて、分からない」
「例えば、川に橋を渡そうという話があって、賛成の人と反対の人がいて、その両方が自分に投票してくれるという。政治家ってそういう立場なんじゃないですかね」
 彼女はしばらく考えた風な間を置いた。
「だとしても、嘘をついていいとは言えない」
 その通りだ。確かに彼女は正しい。しかしながら、人間は嘘がつけるようになるから人間たりえている。コンピュータは、嘘がつけないので人間になれない。人間の子供は、成長段階で嘘がつけるようになって急速に関係性を理解できるようになる。スタートレックのバルカン人であるミスター・スポックは、宇宙人だから最初は嘘のつき方を知らなかった。地球人に近くなって初めて嘘がつけるようになる。つまり人間らしくなれたのだ。
 そうしてもっとも人間らしい存在である政治家は、嘘をつかなければならない立場にいるというだけの話だ。そうしてたぶん、政治家の嘘を嫌悪する彼女だって、嘘なしには人間生活は送れない。幸いなのは、政治家で無いという立場だけのことであろう。
 政治家にだって意見はあろう。立場が賛成なら、反対の人は投票してくれなければいい。しかしながらそうであれば、政治家として当選しないかもしれない。政治家が嘘をつくとしたら、それは人格では無く、システムとしてだと思う。
 今考えると、僕はそんなことを思っていたのかもしれない。
コメント
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