カワセミ側溝から(旧続・中岳龍頭望)

好きな言葉は「のこのこ」。好きなラジオ中継「相撲」。ちょっと苦手「煮た南瓜」。影響受けやすいけど、すぐ忘れます。

伊勢うどんを食す

2016-07-24 | 

 そういえば少し前に初めてお伊勢参りをした。三重県というのは新幹線などで通ったことがあるだけの県で、立ち寄ったことすらなかった。そういう縁としか言いようが無くて、しかし特段どうしても行ってみたいとも思ってもいなくて(別に他の地区でも同じようなものだが)、結局会議があるついでに、時間の都合で前泊しなければならないスケジュールだった関係で、足を延ばしてみた訳だ。
 つれの人があって、彼には別の用事があって時間の制約がある。外宮・内宮とお参りするのがスジらしいとは聞いたが、昼時という時間帯も勘案して、おかげ横丁で飯を食ってから内宮を参拝しようという算段になった。
 近鉄にのって五十鈴川駅で下車。タクシーでおかげ横丁の饂飩を食える店で下してくれと頼む。運転手さんは少しアクセントある語りで、うどんならどこでも食えるので内宮の手前のおかげ横丁で適当に探すがよいという。何処がお勧めなんて好みの問題のことは答えようがない。さらに伊勢うどんというのは観光地ではやたらに上に高級食材を乗っけたようなものを出すところがあるが、基本的にいわゆるかけうどんにネギが乗った程度がスタンダードで、せいぜい生卵程度にしておくのが一番おいしいのではないか、というか自分らはそうする、というような説明をしてくれた。あい、分かりました。
 下車したらうだるような暑さ。おかげ横丁はそれなりに賑わいがあって、ごった返すというほどではないが、次々にお客が集まってくるような雰囲気である。物珍しさに二三枚写真を撮ったが、とにかく日陰でないと歩くに歩けない感じだ。
 すぐ目に留まったうどん屋で運転手さんの教えをなんとなく思いだし、月見うどんを注文。先に料金を払ってお札のようなものをもらって縁側のようなところでちょっと待てば、おばちゃんが札の番号を呼びながらうどんを持ってきた。適当に卵とまぶしてズルズルといただく。なんとなく噂には聞いていたが、まったくコシというものが感じられない薬のような味のするしろものだった。実際に饂飩は病人が薬として食べたという話も聞いたことがあるし、伊勢では旅の疲れに体を案じて、長くやわらく茹でるという話もあるようだ。一時間も茹でるという話もあるが本当だろうか。いや、とにかく柔らかい。まずいわけではないがうどんを食っている張り合いというものは皆無で、まあ、名物だから面白ければいいかという感じでズルズル食べた。汁は少なく麺に絡まる程度。麺を食べたら汁をすするという感じには残らない。色は濃いがからいダシでは無く、汁を飲んでも差し支えないとは思う。卵も絡めていたから、いわゆる掛けよりマイルドな味になっていたかもしれない。
 それにしても外が暑いから、麺の温かさも内面から伝わってきて、汗が噴き出してきて閉口した。その後お伊勢参りには行ったが、これも暑くて参ってしまった。それなのに一人になってさらにバスに乗って外宮にも足を延ばしてしまった。順番は逆だったかしれないが、ヘトヘトで修行のようだった。
コメント
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