国会議員の給料は、だいたい2200万円くらいだ、という話を聞いて、一様に皆が高いと驚いていた。さらに1000万くらい非課税の手当のようなものがあったり、政党交付金の議員あたりの配当のようなお金もある(これも政党によって違うが1000万くらい上乗せがある場合もあるらしい)。さらに新幹線はグリーン車含めてタダである。秘書も3人までは公費で雇える。人によってそれなりに差があろうが、ざっと4000万くらいは(公的にという限定で)、議員一人頭の口座には収入があると考えられる。金額だけの感覚からは、やはり高いというのはそれなりにそうかもしれない。
国際比較をすると、為替の問題も多少あるが、それでも日本の議員はトップクラスとは言われている。アメリカより少し多いくらいである。諸外国ではだいたい1000万ちょっとというところが平均かもしれない。
これも議論はあるが、やはり日本の選挙が、平均的にそれなりにお金がかかる仕組みであることも言われているし、日本の国会議員がお金を使わざるを得ない職業であるということも言われている。一人で居酒屋で一杯やるわけにもいかないだろうし(これは考えてみると当たり前ではある)、家族に手取りをそのまま納めているような人も、たぶんいないだろう。細かくは僕は知らないで言っているので無責任だが、限られた期間の収入で、なおかつ広い範囲の移動を複数人で常に行いながら、仕事とつきあいの境目が無く、時間の制約が無限に見える人としての生活を考えると、これが議員に見合った収入なのかは、限りなく分からない話だ。それにこれも恐らくだけれど、この収入を直接的な目当てにして議員になった人というのはどれくらいいるのだろうか。高いということで羨ましく思うのならば、もっと多くの人が国会議員を目指してもいいのではないか。
もっともこれは、選挙に受かった成功報酬という見方をする場合ももちろんあるのである。一定の金額が報酬としてあるのならモチベーションになるので、それなりに優秀な人が目指すべき職業として競争が期待できる。国会議員のレベルを担保するには、一定以上の報酬が必要だということらしい。それに実際に馬鹿に見えるような議員はいることは確かにせよ、議員になるスキルというのは、それは相当に高いことは普通に当たり前である。学歴詐称をするインセンティブもそこら辺りにあって、これも当然だが、東大卒のような高学歴者が一番多い。統計的に言っても、医者や弁護士になるよりはハードルは高いはずである。それでこの報酬なのだから、やはり議員は金ではないのではないか。
また、逆説的だが、金持ちだけが議員になることを防ぐこともできる。これは直感では理解しにくいかもしれないが、報酬が低ければ、お金に不自由しない人だけが選挙に出られるということになるからである。もちろん以前はそのような傾向が強くて、その反省として議員報酬が高騰していったという経緯があるのだ。諸外国はむしろこのような階級を容認するようなところがあって、議員報酬が低いという実情もあるという。この理屈は国会議員には都合のいい話にも聞こえはするが、職業としての議員ということを可能にするには、やはりそれなりの報酬が担保されない限り、多くの人の門戸を開くことにはならないだろう。
追伸:ちょっと付け加えると、議員さんの報酬が高めなのは、不正防止の役割もあると言われている。十分な報酬でなければ、仕事上知りえた情報などを悪用する危険があるという考え方である。また、賄賂などの誘惑にも、割が合わなくなり手を出さないのではないか、ということだ。これは公務員の給与が民間より高い理由ともされている。
実際にはどうか、というのは心もとない感じもするが、この抑止力効果があるとするれば、報酬を下げることでもっと政治家は悪いことをするかもしれない。これって妙な脅迫に聞こえなくもないですね。