カワセミ側溝から(旧続・中岳龍頭望)

好きな言葉は「のこのこ」。好きなラジオ中継「相撲」。ちょっと苦手「煮た南瓜」。影響受けやすいけど、すぐ忘れます。

ホンダの偉さは日本の偉さなのか

2011-12-20 | culture

 ニュースを見ていたらホンダの航空機の紹介をしていた。気になったのは、日本のモノづくりが航空機分野に参入するということを手放しで喜んでいる様子だった。しかしながら日本人の社長以外はほとんど米国人のように見えたし、生産拠点も販売先も米国である。ホンダという日本出身の国際企業が、日本人ということとは関係なしに、米国の航空業界に参入するという事実にしか見えない。それはホンダという企業の素晴らしさだとは思うが、日本人の誇りになりえるのかはかえって疑問だ。日本を生産拠点に出来ない何らかの理由はあるとは思うが、そのような技術は、やはり米国内でなければ容易ではない可能性もあるのではないか。
 喜ばしくこのニュースを伝える日本人のアナウンサーの姿を見ていると、日本というのは本当に落ちぶれてしまったのかもしれないとさえ感じてしまった。今や、こんな微妙なニュアンスのことくらいでしか喜ぶべきことは無いのだろうか。
 しかしながら日本が誇るべきことは、実はたくさんあるのだと思う。そういう当たり前のことは調べなければ詳しく分からない事だし、インパクトが薄いと感じている報道側の考え方があるだけの事ではないか。または解説をするほどの能力も無い為に、伝えきれないだけのことなのではないか。
 もっとも、日本人だけが素晴らしいなんてことも、日本向けにしかあんまり意味のなさそうなことである。どこの国だってそんな自尊心をくすぐるような気分を味わいたいニーズはあるのかもしれないけれど、そういうことばかり欲しがる心情というのは、なんだかかえって貧しさを感じさせられる。日本が迎えている局面は、そのような方向へ流れて行っているような、そんな気もして寂しくなるのだった。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする