カワセミ側溝から(旧続・中岳龍頭望)

好きな言葉は「のこのこ」。好きなラジオ中継「相撲」。ちょっと苦手「煮た南瓜」。影響受けやすいけど、すぐ忘れます。

2011-12-05 | 映画
叫/黒沢清監督

 黒沢清映画なので一筋縄ではいかないとは分かっていたのだけれど、比較的分かりやすいというか、見やすい作品である。分かりやすいと言ったって、おいらにゃさっぱり分かりませんが。まあ、分からないなりに興味を失わず最後まで楽しく観る事の出来る作品であるということである。
 殺人事件の犯人を追ううちに赤い服を着た幽霊に出会う訳だけれど、この幽霊がはっきりと葉月里緒奈というのが何より凄いのだった。ちゃんと足だってある。まあ、途中で空を飛んだりするのでかなり変ではあるけど、変なりに不自然で無い幽霊というのが凄いのである。怖いんだけど葉月里緒奈なんだから仕方ないじゃないか。と、そんな風な開き直りさえ感じさせられる幽霊の姿だった。
 意味が分からないのだからこれ以上解説しようがないんだけど、どういう訳か自分の彼女を殺した事を許されて、なんとなくハッピーエンドなのかもしれないというが更によく分からないのであった。幽霊というのは見つけてもらえると感謝するものらしい。だからと言って探し出す気持ちにはぜんぜんなれないんだけど、なんとなく参考にはなりました。もちろん、ぜんぜん実用的は無いのだろうけど。
 それと何というか、息子を殺す父親というのもなんだか恐ろしかった。殺人っていうのはああいう風にやれば上手く行くらしいというのは分かるのだが、やっぱりやりたくないものだ。日本には拳銃が無いので、殺人というハードルが高いような気がする。どうしても殺したくなった場合、その気持ちを持続させるのも困難そうだ。多くの場合とっさに済ませられるような方法でないと、なかなか一貫して事を済ませられないということもあるんではなかろうか。
 そういう思いをして殺人をやってしまっても、人間には幽霊というようなつきあいが生まれてしまうのかもしれないということも示唆されているような気がするのだけど、それは僕自身の弱い心の持つ推論に過ぎないのであろう。
コメント
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