MAL-3

2022-08-26 | 【断想】音楽

 マル・ウォルドロンの初期のアルバムに、MAL1~4の「マル・シリーズ」がある。
 MAL-1  1956 クインテット(2管+3リズム) 初リーダー・アルバム
 MAL-2  1957 セクステット(3管+3リズム) セカンド・アルバム
 MAL-3  1958 セプテット (チェロやヴォーカルを含む異色編成)
 MAL-4  1958トリオ   (ピアノ、ベース、ドラムス)初めてのピアノ・トリオ作品
 「MAL-1」は、数十年前に買ったLP盤で持っている。
 「MAL-2 」から「MAL-4」は、CDで持っている。
 先日、「MAL-3」を新宿ディスクユニオンで見つけ、買った。
 「MAL-3」だけが、手元になく、できれば揃えたいと思っていたのだ。
 特別に、聞きたいというのでなく、コレクター感覚である。
 そういうことで、1~4が揃うことになった。
 「MAL-3」を聞くにあたって、この時期のマル・ウォルドロンを理解するうえで参考になるかと、以下を記しておく。
 マル・ウォルドロンにとって、ビリー・ホリディの伴奏をしていたことのウェイトは大きいと思われる。
 その時期は、1957年4月から1959年7月である。
 マル・シリーズのアルバムのレコーディング時期と重なっているので、そのことを覚えておきたい。
 さて、「MAL-3」の演奏メンバーと収録曲。
 マル・ウォルドロン(p) 
 アート・ファーマー(tp)
 エリック・ディクソン(fl) 
 キャロ・スコット(cello)
 ジュリアン・ユーエル(b)
 エルヴィン・ジョーンズ(ds)
 エレイン・ウォルドロン(vo) on 4, 5
 1.テンション (MONO)
 2.オリーズ・キャラヴァン (MONO)
 3.ザ・キャッティン・トッドラー (MONO)
 4.ポートレイト・オブ・ア・ヤング・マザー (MONO)
 5.フォー・エヴリー・マン・ゼアズ・ア・ウーマン (MONO)
 「テンション」から聞きだして、すぐに感じるのは、幾つもの楽器を組み合わせて、なかなか聞かせる音楽作品にっているなと言うこと。
 明らかに、ジャズなのだけど、そう言うジャンルを超えた見事さを感じさせる。
 エルヴィン・ジョーンズのドラムが、よく聞こえる。
 とても、素直な感じだ。
 アート・ファーマーのトランペットも、気持ちよく響く。
 エリック・ディクソンのフルートも、いい感じ。
 「ポートレイト・オブ・ア・ヤング・マザー」と「フォー・エヴリー・マン・ゼアズ・ア・ウーマン」には、ヴォーカルが入る。
 「ポートレイト・オブ・ア・ヤング・マザー」は、“若き母の肖像”とでも訳していいのだろうか。
 聞いていると、このタイトルとは関係なく、僕には、誰もいない港町の夜道を歩いているような気分になる。
  トランペットは、さみしげだ。
  ヴォーカルは、スキャット。
  「フォー・エヴリー・マン・ゼアズ・ア・ウーマン」のヴォーカルには、歌詞がある。
 なんて言ってるのだろう。
  マル・ウォルドロンの才を感じるアルバムだ。


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