マル・ウォルドロンの初期のアルバムに、MAL1~4の「マル・シリーズ」がある。
MAL-1 1956 クインテット(2管+3リズム) 初リーダー・アルバム
MAL-2 1957 セクステット(3管+3リズム) セカンド・アルバム
MAL-3 1958 セプテット (チェロやヴォーカルを含む異色編成)
MAL-4 1958トリオ (ピアノ、ベース、ドラムス)初めてのピアノ・トリオ作品
「MAL-1」は、数十年前に買ったLP盤で持っている。
「MAL-2 」から「MAL-4」は、CDで持っている。
先日、「MAL-3」を新宿ディスクユニオンで見つけ、買った。
「MAL-3」だけが、手元になく、できれば揃えたいと思っていたのだ。
特別に、聞きたいというのでなく、コレクター感覚である。
そういうことで、1~4が揃うことになった。
「MAL-3」を聞くにあたって、この時期のマル・ウォルドロンを理解するうえで参考になるかと、以下を記しておく。
マル・ウォルドロンにとって、ビリー・ホリディの伴奏をしていたことのウェイトは大きいと思われる。
その時期は、1957年4月から1959年7月である。
マル・シリーズのアルバムのレコーディング時期と重なっているので、そのことを覚えておきたい。
さて、「MAL-3」の演奏メンバーと収録曲。
マル・ウォルドロン(p)
アート・ファーマー(tp)
エリック・ディクソン(fl)
キャロ・スコット(cello)
ジュリアン・ユーエル(b)
エルヴィン・ジョーンズ(ds)
エレイン・ウォルドロン(vo) on 4, 5
1.テンション (MONO)
2.オリーズ・キャラヴァン (MONO)
3.ザ・キャッティン・トッドラー (MONO)
4.ポートレイト・オブ・ア・ヤング・マザー (MONO)
5.フォー・エヴリー・マン・ゼアズ・ア・ウーマン (MONO)
「テンション」から聞きだして、すぐに感じるのは、幾つもの楽器を組み合わせて、なかなか聞かせる音楽作品にっているなと言うこと。
明らかに、ジャズなのだけど、そう言うジャンルを超えた見事さを感じさせる。
エルヴィン・ジョーンズのドラムが、よく聞こえる。
とても、素直な感じだ。
アート・ファーマーのトランペットも、気持ちよく響く。
エリック・ディクソンのフルートも、いい感じ。
「ポートレイト・オブ・ア・ヤング・マザー」と「フォー・エヴリー・マン・ゼアズ・ア・ウーマン」には、ヴォーカルが入る。
「ポートレイト・オブ・ア・ヤング・マザー」は、“若き母の肖像”とでも訳していいのだろうか。
聞いていると、このタイトルとは関係なく、僕には、誰もいない港町の夜道を歩いているような気分になる。
トランペットは、さみしげだ。
ヴォーカルは、スキャット。
「フォー・エヴリー・マン・ゼアズ・ア・ウーマン」のヴォーカルには、歌詞がある。
なんて言ってるのだろう。
マル・ウォルドロンの才を感じるアルバムだ。
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