散歩に出かけませんか

2008-05-05 | 読書
●荒川流域 ジョーさんの植物そぞろ歩き/豊島襄著/まつやま書房/2008年3月15日発行/1700円
 書名から察せられるように、著者の豊島氏は、荒川流域に在住。さいたま市である。近隣に住む人で、自然の中の散歩が好きだったり、植物に興味のある方は、この本を片手におおいに楽しめるのではないだろうか。天気のよい一日など、ぶらりと出かけられる範囲のなかで見ることの出来る草花、樹木のこと、それに巨樹、古木のことなどが語られている。あわせて、植物に関する知識を得ることができる。「へぇー、そうなのか」とおもわせる面白く、楽しくもある知識である。また、知れば、人に教えてやりたくなるようなものである。
 複葉と単葉の見分け方などが、実際、そこにある植物を例に語られている。
 氏の本を読むのは二冊目である。いずれも氏と同じマンションに住むW氏の薦めである。前著「森林入門」(八坂書房)で、印象に残ったのは、「土」に関して、記されているところであった。今回は、「葉っぱ」に関して多く記されている。葉っぱは、光や空気という無機物から有機物を生み出し、その有機物が、植物自身を含め地球上に生息する生物を養っている。そして、その生が終わるとき、土の中の生き物、菌類は、有機物を分解し、無機物へと還していく。「土」「葉っぱ」を通じ、生と死のサイクル、われわれの生がどのような中にあるかが思われるのである。
 本書の書名に「森林インストラクターのフィールドノート」と添えられている。豊島氏は、30数年に及ぶビジネスの世界から引退して以降、森林インストラクターとして過ごされているとのことである。人によって、感じ方は異なるであろうが、いまの時代柄もあり、凄くカッコイイように、私は思う。
 思わず、森林インストラクターの資格に関して記されたページのコピーをとった次第である。

ふくよかな朴の葉

2008-05-05 | 【樹木】ETC
 白洲正子の「木」という本に、「今、私は家の雑木林から朴の葉を一枚とってきて、机の上において眺めているが、見れば見るほど豊かな形と。美しい色をしている」とある。とても印象的な一文である。
 昨日、程久保川沿いの遊歩道で、朴の木の葉を手にとって眺めた。指先の感触、色合い、なんともふくよかである。まだ、葉に傷みもない。
 白い大輪の花をつけていた。写真を撮った。七生公園に行き、谷間の朴の木を眺めおろせば、あの花を上から見ることができるのにと思った。
 同じモクレン科で、やはり大輪の花をつける泰山木と違い、朴の木は、わが国の特産。その名もいい。