とうとうやった!!
史上最高のタイガース、
史上最高のタイガース、
万歳!!万歳!!万歳!!
38年ぶりの日本一を、浜松の築56年の旧宅で味わう。
父の歓喜の姿に訳もわからず一緒に喜んでくれる娘を胴上げする。
思えば本っ当〜に長かった。
前回の日本一は真弓・バース・掛布・岡田の豪打爆裂、
伝説の「あの」1985年のタイガースだ。
僕は小学五年生、まだランドセルを背負っていた。
何点差だろうがホームラン連発でひっくり返す猛虎にすっかり魅了され、
この歳から野球を見始めた僕はそのまま虎党に。
こんな強いチームこれから何度も優勝して、
日本シリーズも楽しめるんだろうと思ってた。
ところがどっこい、優勝どころかやってきたのは暗黒時代。
18年の暗いトンネルを抜けた先に星野が導いてくれた日本シリーズでは惜敗。
2年後に雪辱を期した2005年の岡田タイガースは、
ロッテ相手に自慢のJFKを繰り出す間もなく惨敗。
そこからは優勝争いには絡むものの、ここ一番で勝ちきれず、
優勝も短期決戦もことごとく逃す、期待とため息を繰り返すシーズンが続く。
気づけば僕も48歳、2児の父になっていた。
選手の中にも38年前の歓喜を知るものはない。
とにかく、どういうわけか勝負弱い。
秋に怒涛の連勝で追いついたかと思えば、優勝争いの天王山で連敗する。
シーズン序盤から独走したかと思えば、夏を過ぎたあたりから大失速する。
2008年の悪夢は言うに及ばず、2021年の屈辱も記憶に新しい。
短期決戦にもとことん弱い。
CS5回出て4回負けてる。
唯一、巨人4タテでわずかに溜飲を下げた年があったけど、
シリーズでソフトバンクにコテンパン、
最後はまさかの西岡守備妨害なんてのもあった。
期待しちゃダメなチーム。
長い虎党はみんな、どうせダメだろう…という癖がついている。
期待すると負けるという呪いに苛まれ、
健気にも期待しないフリをして涙目で期待する。そして破れる。
そんな、タイガースの呪いをすべて解いてくれたのが、今年の岡田阪神だった。
秋に失速どころか、9月に11連勝であっという間に優勝。
CSも圧倒的に全勝。
シリーズもあの強いバファローズ相手に互角以上に渡り合い、
とうとう栄冠に辿り着く。
期待するとそれ以上に輝く、新しいタイガースを見た。
それも、かつてのように金満補強に依存せず、
選りすぐりのドラフトと育成で鍛えた若手の生え抜き中心に、
MVP選出に悩むほど誰もが活躍するチームだ。
歴史や伝統の呪縛もない。
岡田の重厚な戦略と計算と演出のもと、
目の前の勝ちに邁進し躍動する選手たち。
ずっと見たかったタイガースがある。ああもう夢みたいだ。
来年も見たい。再来年も見たい。
本当に素晴らしいシーズンだった。
そのうち息子や娘も一緒に応援してくれるだろうか。
いつか一緒に甲子園行けるだろうか。
道頓堀には飛び込まない程度に、虎党に育て上げたいものだ。
自他共に認める、幼い頃からの徹底したアンチ巨人。
自他共に認める、幼い頃からの徹底したアンチ巨人。
それはナベツネ時代に決定的に膨れ上がり、いつのまにか、
大昔の阪神や仰木近鉄に象徴されるような
「弱いものが強さに驕る(ように映る)ものを倒す」
構図ばかりを好むようになっていたのは否めない。
そんな僕の偏狭な野球観を、今回の日本シリーズはひっくり返してくれた。
王者同士の緊張感溢れる正々堂々の戦いって素晴らしい。
勝っても負けても贔屓チームのことは誇れるし、
相手チームも素直に讃えられる。
悪役の要らない野球観戦って実に爽やか。
…とか言えるのも勝てたからだろな…。
ああなんてゲンキンなタイガースファン。自覚あり。