古今東西、名作といわれる文学作品や映画、
傑作といわれるゲーム、名人と呼ばれる話芸、
それらに共通しているのは、
「緊張と緩和」が絶妙なバランスとタイミングで織りなされることだろう。
緊張は死の恐怖や生命の危機に通じ、
緩和はそれを脱して安全に戻ってこられた安心に通じる。
生あるものの根源的・本能的な部分だ。
つまり、すぐれたエンタテインメントは、
リアルな人生の縮図というか模擬演習でもあるわけだ。
実際の人生とは違って映画や小説なら、
他人の成功や失敗に自分を置きかえて考えることでシミュレーションできる。
遊びやゲームなら失敗しても致命的なことにはならない。
いくらでもやり直せる。
だから、エンタテインメントに通じ、よく遊ぶ人こそが、
人生の達人なのかもしれない。
遊ぶように学び、遊ぶように働き、遊ぶように生きている人はしなやかだ。
決して折れてしまうことがない。
そして楽しく遊ぶには、本気でとりかかることが大事だ。
いい加減な気持ちでやったって面白くもなんともないし、得るものも何もない。
本気なんだけど、一方で多少の遅れなんていくらでもカバーできるし、
人と比べたって意味はないし、失敗したってまたやり直せばいいだけさ、
という心のゆとりを携えている。
そこがいざというピンチの時に活きる。
他人がどう思おうが、自分は大まじめに、思い切りふざけて、
楽しく遊ぶように生きていく。
どうやらそれがやっぱり正解なんだなと、最近確信に至った。
これからも息子や生徒たちに体現できるといいな、と思う。