いぶろぐ

3割打者の凡打率は7割。そんなブログ。

僕は信じないよ

2011-04-08 19:23:17 | 超・いぶたろう日記
予言が当たったと騒がれている人がいる。
どうも、こういう社会不安が増大してくると、その類の話が出て来てしまう。
科学の力の限界を見て、非科学に頼るマインドになってしまうのか。

でもね。僕は信じないよ。

信じる人は勝手だし、僕はその人たちを非難はしない。
予言者を自称する人を否定もしない。
だけど、僕は信じない。

それが何だかわからないが、イヤな予感がすることがある。
そして、あとで何かまずいことがおきて、ああこれだったのか、と思う。
でも、そんなのは誰にでも経験のあることで、
だからどうしたというレベルのことだ。
中にはこれを自分の特殊能力と考えて、あれこれと予言をしてみせる人がいる。
そしてそれは有名無名問わず、日本中に数多くいる。
仮に数万人としても、彼らが地震を予知したとしたらその候補日は数万通りだ。
どれかは当たるだろ、そりゃあ。

当たったとなると異常に注目される。
しかも細かい部分にはかなり寛容に目をつぶってもらえる。
一方で外れたときにはまったく気にも留められないし、忘れられる。
当たったときだけ部分的に色濃く思い出されて、強烈な印象を残す。
つまり、占い(僕はこれもまったく信じていないのだが)と同じようなもんだと僕は思っている。

日蓮は「立正安国論」で外国の襲来を予言した。
後に元寇があって、当たったと大騒ぎ。
しかしこの時、日蓮は
「浄土宗などの『邪宗』を放置しておくと、内乱が起こり、日本は外国に攻め滅ぼされる」
と言ったはずだ。
しかし日本が滅ばなかったのは史実に明らか。
つまり、見事に外れているのだ。
「私が懸命に祈ったから法力で滅亡は回避された…」とか何とか言い訳したのだろうか。

ノストラダムスは1999年に恐怖の大王が降ってくると予言した。
日本人の作家はそれを勝手に人類滅亡と解き、さかんにあおり立てた。
何とでもとれる抽象的な詩を、なんやかやと結びつけて、
アレも当たったコレも当たったと強弁する。
そして1999年、人類は滅びなかった。
すると今度は、
「あれは西暦じゃなくて、ユダヤのナントカ歴で、それは西暦でいうと20XX年で…」
とやりだす。
勝手なものだ。

富士山噴火も毎年のように予言されている。
大震災もしょっちゅうだ。
でも、そんなの世界一の火山国・地震国であるこの日本で、
いつかは来るのが当たり前。

いつ、どこに、どんな形で来るのかを100%の精度で明確に言い当てられなければ、
予言なんて何の意味もない。
いつかどこかに地震が来るなんて、そんなこと日本中誰でも知っている。
曖昧なこと言っておいて、後からほらみろやっぱり当たったと自慢されても、
何のこっちゃわからん。
よほど黙っててくれた方が有り難い。

パターンとしては、
「何だか空気の流れが悪い気がするんです…何かが起こります、気をつけて下さい」
とでも言っておいて、
何か起きたら
「やはり私の悪い予感が当たりました…」
何も起きなければ
「幸い、今回は杞憂に終わりましたが、しかしまだこの次があるように思うのです…」
とか何とか。
そんなの、僕でも言える。

今回話題となっているある人の「予言」では、
「三陸沖で地震が続いていますが、私の判断では、ほぼ間違いなく関東~東海にかけての大地震の前兆だと考えています。規模的にはM8前後の非常に大きなものとなることが予想されます。震源が深ければいいのですが、浅い場合には、相当な被害が出ます。みなさま、今一度防災対策の確認をされてください。いま、すぐ発生するかどうかは私にも分かりませんが、やがて、起きると考えていたほうがいいと思います」

とある。

ちゃんと検証しましょうよ。
「関東~東海」→「東北~関東」
「M8前後」→「M9」
震源の浅い深いもわからない。津波や原発には言及されていない。
「やがて起きる」で、たまたま翌日起きただけ。

これ、当たったの???
「これだけ当たれば上等じゃん」ってことなの?
翌日に地震が起きたというそれだけで、ディテールには目をつむって、
当たったと大騒ぎすることに何の意味があるの?
細かいことであら探しするのが目的ではないよ、意味を問いたいわけ。
つまり、
「この予言を多くの人が知っていたら、東北のみんなは助かったのか?」
と問いたいんだよ。

興味本位でオカルトにしちゃいけないと思ってるんだ。
例えば自分が事故で肉親を亡くし、悲しみにうちひしがれているときにね、
「実は数日前に彼が何かよからぬことに巻き込まれるイメージが浮かんで…」
「ブログには一応書いて、気をつけて欲しいと思っていたのですが…やはり…」
とかやられて、いい気する??
これが果たして何を生むのかと問いたいんだよ。

で、今度はさ、
「私に、きょう、とんでもない事態が発生する幻のような映像がねふとした瞬間に浮かんできました。原発が吹き飛ぶ映像です。再び大地震によって、吹き飛ぶのか、現在の、福島第一原発に問題が発生して吹き飛ぶのか、ちょっとわかりかねます。とにかく、あの原発の高炉から黒煙が上がって、吹き飛びます。映像がアップなので、その周辺がどうなっているのかわかりません。ただ、それは4月7日前後に起きると思います。多少ずれて10日くらいまでになるのかも知れません、、でも、そんなに先の話ではないと思います。」

で、これが、4/7深夜の余震で大当たりだ…となったわけ。

…何なんだ???
原発は吹き飛んだか?

これだけ余震が頻発してりゃ、5日間も幅を取れば起きても不思議はない。
しかも地震が来た、というだけ。
原発は今回もかなり脆弱な電源事情をさらけ出したけど、何とか堪えた。
福島の状況は予断を許さないけれど、まだまだ。

サイコロの目は7回連続で当てられるけど、人前では無理、とか。
超能力の存在をほのめかしつつ、
「本格的に地震についての研究を始めて、様々な観測を毎日欠かすことなく続け、どの組み合わせが一番正確かもわかり、的中率は80%」
と、なぜか「科学的な裏付け」があるかのように正当性を訴える。
このタイプの人の典型じゃないか。

ここまでにしておこう。
この人を責めても仕方がない。
この人はあくまで善意で、自分の信じる方法で人々に警鐘を鳴らしたかっただけ、
そう解釈するに留めよう。
散々不安を煽っておいて注目を集め、
このタイミングで有料ブログに移行したのはちょっとあからさまだと思うが…。

有名人の息子が、親のようにはなれない自分をあきらめきれずに、
注目を集めようともがく心境。
そういうことだったら、僕にも痛いほどよく解るのだが(笑)。
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