いぶろぐ

3割打者の凡打率は7割。そんなブログ。

「ザキ」もしくは「ザラキ」

2009-03-17 02:20:10 | 特選いぶたろう日記
…というドラクエの呪文をご存じだろうか。
残存体力に関係なく、一瞬にして敵の血液を凝固させ、
命を奪ってしまうという恐怖の突然死呪文である。
つくづく、ドラクエの世界とはコワイもんである。
なんせ、呪文が短い。短すぎる。
魔力を持つ者が、意図せざるタイミングで、
ついポロッとその言葉を口にしてしまえば発動するのだ。

たとえば。
「メラニン色素が…」
なんて会話をした日には、相手は火球で10ポイントの火傷を負うだろう。
「ギラギラと照りつける太陽が…」
これで、周囲の2グループほどが炎に包まれる。
「正直に胸の内をイオう。君が好きだ!」
などと言おうもんなら放課後の教室は
あこがれのあの娘と共に爆発テロに巻き込まれる。
山ザキさん、神ザキさん、尾ザキさん、中ザキさんなどは、
出席をとられただけであの世行きだ。
バギ…については、品性を欠くのでやめておく。

まあ、それはさておき。

当人の意図せざるところで口にしてしまった言葉というのは、
受け取り方によっては本当に恐ろしいものになりかねない。
小学生くらいだと授業の中で、

生徒「先生、これはどうなってんの?」
息「うん、これはね~」
生徒「・・・(笑)」
息「??」
生徒「先生、いま、『うんこ』って言った~~!」
息「・・・・・・・・・・・・・。」

なんてこた、茶飯事だ。
しかし、これが逆の立場となると、
まして女の子が相手となるとこれは非常に難しい舵取りを迫られる。
まさか茶化すわけにもいかない。
そーっと、そーっと、鎮火に動くしかない。

今日の悲惨な事故を紹介しよう。

新小4の国語の授業。
小4とはいっても春からの学年なので、実質的には小3だ。
これがもう、めちゃくちゃかわいい。
一生懸命なのである。
まちがいかたも、かわいい。
誉めてやると喜ぶのが、かわいい。
ノートの取り方も、かわいい。
気分は完全におじいちゃんである。
よく犯罪なんかでこんな低学年を手にかけるヒトデナシがいるけれど、
彼らを目の前にすると改めて人として信じがたいな、と思う。
生まれたての子犬を踏みつけることができるだろうか?
弱いものを痛めつけて平気という感覚はやっぱりどこかオカシイ。
彼らの通塾の行き帰りも心配だ。
この辺り、僕もトシをとったなと思う。
まあ、子どもがいてもおかしくない年齢にはなってるのだが。

で、そのかわいいかわいいファンシー空間で、事件は起きた。
今日の文章はネコの生態がテーマだ。
昔、まだ人間が自分の生活に手一杯だった頃、
ネコを飼うと言っても、家に寄りつくのを許してやるといった程度で、
たまに自分たちの残飯を少しくれてやったぐらいのもんだった。
もちろんネコはそれだけではエサが足りず、ネズミを追いかけ、
小鳥や昆虫までも食べて飢えをしのいだという。
ワイルドだったのだ。
だから飼い主がなで回したりほおずりしたりする
現在のキレイキレイなネコちゃまとは違って、
どこで何を食べたかもわからないネコにさわるのは不潔だった、というくだり。

一人の女の子がおもむろに口を開いた。

「知ってる~、たしかネズミってさ、ペ○スを運ぶんだよね~~」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・どうしよう・・・・・。
…それ、絶対ペストだ……………………。

凍り付く僕。
しかし、純粋無垢な実質小3すなわち9歳のクラスであったことが幸いした。
みんな、きょとん、として何のこと?という顔。
すかさず僕は言う。

「…ああ、ペストだな、ペスト!」
「ペストって何~?」
「黒死病って言ってな、昔ヨーロッパで…」

ふう。ことなきをえた。

気づいたのが僕だけ、でよかった。
全身の毛穴が開いたのがわかった。
閉じて良かった。
Comments (2)
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